夏の水辺を彩るスイレンの花は、とてもきれいで魅力的です。
モネは、水面に浮かぶ妖精のようなこの花をかぎりなく愛したそうですよ。
スイレンには、さまざまな品種がありますが、園芸上「温帯性スイレン」と「熱帯性スイレン」に区別されています。
熱帯性スイレンと温帯性スイレンでは、花の咲き方や育て方にも違いがあるみたいです。
目次
熱帯性スイレン・温帯性スイレンってどんな花?
『スイレン』は、スイレン科スイレン属の多年草。
水面に花を咲かせる水生植物の一種。
水底に根を下ろして、葉や花を水面に浮かせる浮葉植物です。
世界中の温帯域に生息しており、原種は40種あまり存在するといわれています。
開花期は、熱帯タイプは7月~10月頃、温帯タイプは5月中旬~10月頃。
特徴
「温帯性スイレン」は、日本を始めとした温帯性の地域に自生している原種で、お寺などでもよく見かける柔らかい印象のスイレン。
晩春から初秋の頃までの水温が比較的高い時期まで長く花を咲かせます。
「熱帯性スイレン」は、東南アジアをはじめとした熱帯性の地域に自生している原種で、温帯性に比べて華やかで派手な色合いが多く、香りが強いものがあります。
熱帯性スイレンと温帯性スイレンの違いは?
花の咲かせ方
熱帯性スイレンは、水面より少し立ち上がった状態で花を咲かせます。
温帯性スイレンは、水面上で花を咲かせます。
花弁の形
熱帯性スイレンは、細長く先が尖ったものが多い。
温帯性スイレンは、丸みがあり柔らかい印象。
花の色
熱帯性スイレンは、バリエーションが多くピンク、赤、赤紫、紫、白、黄色、青など
温帯性スイレンは、淡い色が多くありピンク、赤、白、黄色などで青系はない。
花の咲く時間
熱帯性スイレンは、昼咲きと夜咲きの品種がある。
温帯性スイレンは、昼咲きのみ。
葉のようす
熱帯性スイレンは、ギザギザの鋸葉がある。
温帯性スイレンは、なめらかで艶がある丸型。
増やし方
熱帯性スイレンは、子株の株分けや塊根を分球して株分ける。(ムカゴで繫殖可能の種類もある)
温帯性スイレンは、塊根を切り分ける。
生育環境
熱帯性スイレンは、暑さに強く寒さに弱い。
温帯性スイレンは、寒さに強い。
熱帯性スイレンは、冬は室内での管理が必要ですが、温帯性スイレンは、野外での冬越しも出来るので耐寒性スイレンと呼ばれたりもします。
熱帯性スイレンと温帯性スイレンの花や葉のようす
温帯性スイレンです。日本産の代表的な品種の「アトラクション」
葉も艶やかでなめらかな丸型。
可愛らしい花を咲かせています。
熱帯性スイレンです。水面から立ち上がって鮮やかな花を咲かせます。「イブリン ランディグ」
葉先にはギザギザがあります。それに茶褐色の模様が鮮明に入っていますよ。
なんだかスイカみたい~
熱帯性スイレンは、南国の雰囲気が漂う熱帯植物らしい色合いですね。
※ 「熱帯性スイレン」も「温帯性スイレン」は、どちらも幻想的なステキな花を咲かせます。
育てやすさは、熱帯性スイレンの冬越しなどに気を使う必要がありますが、どちらも栽培しやすい植物のようですよ。
ちょっとトロピカルな雰囲気をもつ熱帯性スイレン~
ややおしとやかな印象の温帯性スイレン?
みたいだけど・・・