フキ(蕗)とツワブキ(石蕗)の違いは?

自生しているツワブキの写真
Pocket

「フキ(蕗)」と「ツワブキ(石蕗)」は、どちらも特徴的な丸い葉もち、なんとなく見分けにくい植物。
漢字でも「蕗」という同じ字がありますが、属が異なる植物です。

また、「つわ(ツワブキ)」と「つわぶき(ツワブキ)」は、同じなの?と思ったり、

おいしい春の山菜、「ふきのとう」は、「ふき」なの?

おにぎりなどにも入ってる佃煮の「きゃらぶき」は何?
なんてなったりしませんか。

フキ(蕗)とツワブキ(石蕗) 違いや見分け方

フキとツワブキは、一部が切れてる丸く大きな葉が特徴的。

 

  • フキ(蕗)」は、キク科フキ属の多年草。
    葉は、冬には枯れ、地上部はなくなります。
    フキの葉は、緑色が薄く柔らかめ、光沢はありません。

 

  • ツワブキ(石蕗)」は、キク科ツワブキ属通年常緑の多年草。
    葉は、一年中青々としています。
    ツワブキの葉は、緑色が濃く葉が厚く固め、表面に光沢があります。

 

フキは、山野に自生しています。
平安時代には食用、薬用として利用されるなど、 古くから栽培、活用されていた記録もあります。

ツワブキは、「艶のある蕗(フキ)」が転じて、ツワブキと呼ばれるようになりました。
海岸近くの岩場や野山に自生しています。
観賞用として、古くから茶室や庭園などでも用いられています。

 

葉は似てますが、花は咲く時期も形もまったく違います。

 

  • フキ(蕗)」は、初春に黄色または黄緑色の花を、小さく固まって咲かせます。
    フキの花には雄と雌があります。
  • ツワブキ(石蕗)」は、秋から冬にかけて、黄色いキクに似た花を咲かせます。

 

※茎の部分にも違いがあります。

フキは、芯が空洞になっているが、ツワブキには穴が開いていない。

 

フキノトウとフキとの関係は?

初春の山菜として登場する「ふきのとう(蕗の薹)」。
ふきのとうは、ふきのつぼみの部分です。花芽(花茎)。

茎の部分(葉柄)が「ふき」であり、花の蕾が「ふきのとう」です。

フキノトウが花をつけた後、葉が伸び出し、葉柄が長く育って、フキの旬(4~6月頃)を迎えます。

 

ツワとツワブキって?

「つわ」と「つわぶき」は同じ。
ツワブキを略しての呼称。または別名。

 

キャラブキ(伽羅蕗)って?

「きゃらぶき」は、フキの佃煮。フキを使って作られた保存食。
フキを煮付けたものです。かつてはツワブキを原料に使うことも多かったそうです。

醤油で煮しめた濃い茶色が、伽羅(きゃら)の木の香木の色と似ていることから、「伽羅色のふき」が転じて「きゃらぶき」となったそうです。

 

フキ(蕗)の様子

春にフキの葉が茂っている様子。

フキの葉の裏。
細かい毛がたくさん生えてます。

茎の様子。

「茎」と呼ぶことがありますが、実際には「葉柄(ようへい)」といいます。

葉柄は葉と茎の接続部分のことで、ふきの本来の茎は地下にあるそうです。

一般にフキとして食用になるのは、葉柄の部分。

フキの花がたくさん咲いていました。(3月5日)。

 

フキは、一つの株から花と葉柄が別々に育ちます。

また、雌雄異株で、花には雄花と雌花があります。

雌花は、白っぽい花。
また、冠毛をつけたそう果を遠くに飛ばすため、背丈を伸ばします。

雄花は 黄色っぽい花。
また、花粉を出し終わると、花茎を伸ばすことはなく枯れてしまいます。

雄花。

薹(とう)が立った様子。

食用となるのは、蕾のうちに採取した花茎(フキノトウ)。

山野に自生する野生のフキを「山ぶき(山ふき)」とも呼びます。

フキの名の由来は、冬に黄色い花が咲くことに由来する「フユキ(冬黄)」が転訛したものとする説や、大きな葉をトイレットペーパー替わり使ったことに由来する「フキ(拭き)」からなど諸説があります。

 

学名:Petasites japonicus
科・属名:キク科・フキ属
別名:款冬(カントウ)、フイキ、フーキ、フキンボ、ヤマブキ、
原産地:日本
花期:2月~5月
花言葉:「私を正しく認めてください」「愛嬌」

ツワブキ(石蕗)の様子

春に見かけたツワブキの葉の様子。
ツワブキは、通年常緑の多年草で、一年中艶やかにしげっています。

葉の裏の様子。

若い葉の表面には灰褐色の綿毛がありますが、成長すると無毛になります。

ツワの茎(葉柄)。

フキと同じように美味しく食べられます。
フキに比べると、少しほろ苦く固めな感じです。

10月31日。
ススキの見頃に、海岸近くで咲いていました。

鮮やかな黄色い花は、晩秋から初冬にかけて長期間楽しめます。
30㎝~60㎝の茎の頂に数個の頭状花。(花径 4-6cm)

キクやヒマワリのように、舌状花と筒状花とから成るたくさんの小花が集合した頭状花。(花径 4㎝~6cm)。

中央部分が筒状花で、こちらは雄しべと雌しべがあります。
はなびらのような部分が舌状花。

真冬の花後の様子。2月7日。
ふわふわの綿毛をつけた種子。

山で見かけたツワブキ

春に山で見かけたツワブキ。
秋になると、はっとするほどの黄色い花で、山に彩りを与えてくれる存在。

他にもツワブキは、葉は斑入りや変わり葉、花が八重咲き品種・丁字咲き品種などの園芸品種があります。

 

学名:Farfugium・japonicum
科・属名:キク科・ツワブキ属
別名:ツワ、イシブキ、イソブキ、ツヤブキ、タク吾(タクゴ)
原産地:日本、朝鮮半島、中国
花期:10月~12月
花言葉:「謙譲」「謙遜」「愛よ甦れ」「先を見通す能力」「困難に負けない」

 

美しいツワ(ツワブキ)の花

美しいツワブキ(石蕗) 花や花後、種の様子

2022-01-17
ツワブキの綿毛・冠毛

ツワブキ(石蕗・つわぶき)の綿毛 冠毛の様子

2022-03-16