ツワブキ(石蕗)は、秋から冬にかけて、丸い光沢のある葉の間から花茎を伸ばし、鮮やかな黄色い花を咲かせます。
花が終わると、タンポポの綿毛のようなタネが出来て、風に乗って飛んで行きます。
ツワの花が、冬日の中で健気に花開く姿は、とっても魅力的です。
彩りの少ない季節に、華やかさを添えてくれます。
目次
ツワブキ(石蕗)の特徴・花や花後、種の様子
![鮮やかな黄色のツワブキの花](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7126.jpg)
キク科・ツワブキ属の常緑多年草。
ツワブキの特徴
東北地方南部以南の本州、四国、九州に分布する毎年花を咲かせる多年草です。
主に海岸線に多く自生しています。
林や道端でもみられ、庭園や庭先、公園などに観賞用としても植えられています。
フキに似た丸く大きな常緑の葉と、一重咲きのキクに似た黄色い花が特徴です。
名前の由来は、ツワブキの葉がフキ(蕗)の葉に似ていて艶があることからから「艶葉蕗(つやはぶき)」、葉が分厚いことから「厚葉蕗(あつはぶき)」が転じた、などの説があります。
ツワブキの葉や茎は食用することが可能です。
キャラブキと言って、ツワブキの葉柄(茎のように見える部分)を佃煮にした料理が有名。
科・属名:キク科・ツワブキ属
別名:ツワ、イソブキ、ヤマブキ、タクゴ、タカラコウ、イシブキ
原産地:日本、朝鮮半島、中国、台湾
花言葉:「謙遜」「困難に負けない」
ツワブキの花が咲く季節
ツワブキの開花時期は10月~12月頃です。
高さ20~50㎝の花茎を伸ばし、枝分かれした先に、径5㎝前後の黄色い頭花(とうか)を数個から十数個つけます。
海岸近くに群生するツワブキ
![ツワブキが群生してる様子](https://pino330.com/wp-content/uploads/2022/01/tIMG_1355.jpg)
海岸防風林となっている松林に、ツワブキが群生していました。
どこまでも続く、ジュータンのように広がるツワブキ畑は、どこか幻想的です。
![松林に咲くツワブキの花](https://pino330.com/wp-content/uploads/2022/01/IMG_1338.jpg)
自然の中で見かける黄色の花に癒されます。
花壇に植えられてるツワブキ
![たくさんの花をつけた大きく育ったツワブキ](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7104.jpg)
花壇に植えられ大きく育ったツワブキ。
たくさんの花をつけて華やかです。
![美しいツワブキ、満開の花](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7098.jpg)
鮮やかな黄色で見る人を楽しませてくれます。
花弁が細いツワブキ
![花びらが細いツワブキの花が咲いてる様子](https://pino330.com/wp-content/uploads/2022/01/tIMG_1244.jpg)
庭園で見かけた花弁が細いツワブキ。
花びらが少しねじれたようにも見えます。
![花びらが細いツワブキの花のアップ写真](https://pino330.com/wp-content/uploads/2022/01/tIMG_1243.jpg)
ツワブキの花びらは、細いものやふっくらしているものなど、見ていると個体差があります。
ツワブキの花は、一重咲きで楕円形が基本だそうですが、八重咲や花弁先端が切れ込むものや内巻き、筒状になっている園芸種もあり、色も白やオレンジなど珍しいものがあります。
斑入りのツワブキ
![斑入り葉のツワブキ「天星」](https://pino330.com/wp-content/uploads/2022/01/tIMG_1183.jpg)
斑入り葉のツワブキ「天星」。
黄色の星状の斑の入る品種。
ツワブキは花の美しさだけでなく、葉を観賞する植物としても親しまれています。
葉の変異体も作り出されていて、葉に白く細かい斑が入るもの、葉縁が白や黄色くなるもの、葉が縮れるものなど多くの品種があります。
ツワブキの花の様子・花のつくり
![美しいツワブキの花](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7128.jpg)
ツワブキは、30~40㎝伸ばした茎の先に黄色い花を咲かせます。
花は、直径5㎝前後のキクに似た黄色い頭状花。
(多数の小さい花が丸く密集して、1つの花のように見える花)。
![ツワブキの花のアップ写真](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7097.jpg)
ツワブキの頭状花は、舌状花(せつじょうか)と筒状花 (とうじょうか)の2種類の小花で構成されています。
![ツワブキの花のつくり、舌状花と 筒状花](https://pino330.com/wp-content/uploads/2022/01/tIMG_2071-1.jpg)
舌状花は、雌花で頭花の外周に1列に並ぶ。
筒状花は、両性花で中央に多数集まっている。
![ツワブキの花のアップ写真。筒状花の様子](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/IMG_2070.jpg)
筒状花は、外側の花が先に開き、中心へと開花が進んでいきます。下部は合着していて、先端は5裂の花。
くるっと丸まって飛び出してるのは、雌しべの柱頭(通常2裂)。
雌しべの軸 (花柱)には、茶褐色の雄しべの葯(やく) がぐるりと取り巻いています。
舌状花は雌花です。(雌しべだけで、雄しべは無い)。
![ツワブキの花の密を集めに来たミツバチ](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7119.jpg)
密を集めに来たミツバチ。
舌状花は、頭花を実際以上に大きく見せて、訪花昆虫の目を引くのに役立つそうです。
ツワブキの蕾(つぼみ)や葉の様子
![ツワブキの蕾と花が咲き始めた様子](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7139.jpg)
ツワブキの蕾(つぼみ)。
円柱に近い楕円形。
![ツワブキの若い蕾](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7135.jpg)
若い蕾は固い。
ガクのような細い葉(総苞片)が、1列に筒状になって、蕾を包んでいます。
![ツワブキの葉](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7137.jpg)
蓮のように丸い形の葉。
ツワブキの葉は長い軸を持った大きな円形で濃緑色。
皮質で厚みがあり、表面は光沢がありつややかです。
裏側や軸は、茶色っぽい毛で被われています。
ツワブキの花後
![枯れたツワブキの花](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7130.jpg)
枯れたツワブキの花。
![ツワブキ、冠毛が開く前の様子](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7952.jpg)
冠毛が開く前の様子。
![ツワブキの花後、種をつけはじめた様子](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_8336.jpg)
![下向きの矢印のイラスト](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/11/ya.jpg)
![1月に見かけたツワブキの綿毛の様子](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_8334.jpg)
1月に見かけたツワブキの綿毛。
ツワブキの種 綿毛
![ツワブキの綿毛の写真](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7951.jpg)
ツワブキの綿毛。
丸くふわふわとしてタンポポの綿毛のよう。
![ツワブキの綿毛のアップ写真](https://pino330.com/wp-content/uploads/2022/01/tIMG_2277.jpg)
冠毛は実が熟す頃に長く伸びて、パラシュートの役目をします。
![ツワブキの冠毛(種)、手のひらに乗せた様子](https://pino330.com/wp-content/uploads/2021/12/tIMG_7957.jpg)
汚褐色の冠毛は、長さ8mmほどで不揃い。
茶色い果実には毛があります。
果実は長さ約6mm。
種まきの適期は2月~3月頃。
種はポットや播種箱にまくか、花壇や鉢に直まきします。
乾燥させると発芽率が落ちるので、発芽までは土が乾燥しないよう注意するのがよいようです。