バナナによく似た木を、散歩道で見かけました。
近寄ると、おやおや「バナナの花が咲いてる!」とびっくり。
でも、調べてみると「バショウ(芭蕉)」のでした。
実も付いていて、実もバナナそっくり。
バショウも、バナナの仲間で、英語では「ジャパニーズ・バナナ」と呼ばれています。
バナナの仲間の中では、耐寒性があり、強健で栽培容易な植物。
でも、バナナみたいに美味しく食べるのは、ちょっと難しそうです。
目次
バショウ(芭蕉)ってどんな植物? 特徴・実、花の様子
バショウ(芭蕉)は、バショウ科バショウ属の多年草。
バショウ(芭蕉)の特徴
バショウは、大きな葉がいかにも南国風で、エキゾチックな雰囲気を醸し出してる植物。
高さは2〜3mで、葉の大きさは1m以上になります。
中国が原産といわれ、千年以上前に日本へ渡来したそうです。
本州から沖縄まで広い範囲に植栽されています。
一見、木のように見えますが、幹に見えるところに「木質部」がないため「草」に属しています。
学名:Musa basjoo
科名:バショウ科
属名:バショウ属
和名:甘蕉
大きさ:高さ:2~4m/葉身長:1~1.5m/葉柄長:30cm/果長:6cm
バショウ(芭蕉)の花や実 茎や葉
花期は7〜9月で雌雄異花。
大型の花序を垂れ下げます。
- 雄花は、雄花は花序の先端につけます。
苞がめくれた間に雄花が咲きます。
- 雌花は、雌花は花序の基部につけます。(長さ6~7cmで黄白色)
最初に雌花が咲き、花後に果実をつけます。
- 果実は、見た目バナナそっくり。果実は2列で段状に並んでいます。
- 茎に見えるのは偽茎(ぎけい)と呼ばれ、葉鞘(ようしょう)が地下茎から伸び、地上で何重にもなっていて茎に見えるもの。
葉鞘=葉の基部が茎を抱き包むように発達しているもの。
- 葉は、大型の楕円形で、中心の葉脈から垂れ下がります。
風雨にさらされて簡単に破れてしまう。
バショウとバナナの違い
「バショウ」も「バナナ」もバショウ科バショウ属の大型の多年草。
- 花の違い:バショウの花は黄色がかっていますが、バナナの花は一般的に紫色。
- 葉の違い:バナナは、葉の裏に白い粉がある。バショウにはない。
- 育つ環境の違い:バショウは、耐寒性があるため、本州の露地でも育りますが、バナナは熱帯性のため寒さに弱く温帯気候では育たない。
バナナなの?と、
お散歩して見かけたら、それはきっとバショウの可能性が強いようです。
(温室で栽培されているバナナ)。
バナナは美味しいけど、バショウは食べれる?
バショウは、種が多く渋味が強いので、
食用には向かないようです。(追熟をすることによって食べられるとも聞きますが・・・)
バナナは、「実芭蕉(みばしょう)」ともいわれます。
バショウの花言葉:「燃える思い」
バナナの花言葉:「風格」
芭蕉(バショウ)の近縁種
- 「糸芭蕉(イトバショウ)」
琉球芭蕉とも呼ばれ沖縄に自生しています。
葉鞘の繊維で芭蕉布を織り、衣料などに利用されています。 - 「花芭蕉(ハナバショウ)」
若干小型で鮮やかなピンクの花(ガク)を咲かせます。
露地のバショウ(芭蕉)のようす
バショウは、芭蕉根(バショウコン)、芭蕉葉(バショウヨウ)という名で生薬でも用いられています。
葉の生の汁は、傷口に塗布すると出血が止まるとも言われます。
また、バショウの大きな葉は、物を包むのにも便利です。
繊維質の茎は、布やロープに利用されるなど、生活にとって役立つ植物でもあります。