「ポリジ」は春になると透明感がある青い星形の花を下向きに咲かせます。
その姿は妖精のような可愛らしさで、見入ってしまいます。
蕾や茎、葉は毛で覆われていて、その姿もまたユニークです。
和名は瑠璃苣(ルリヂシャ)。
ムラサキ科・ルリジシャ属の一年草です。
ポリジ ルリジサ(瑠璃苣) 特徴や様子
全草が白い毛でおおわれるボリジ。
花びらの濃い青色は染色に使われ、聖母マリアの青い衣を描く時にも使われたことからマドンナ・ブルーと呼ばれています。
ポリジ ルリジサ(瑠璃苣)の特徴
ボリジは、南ヨーロッパの地中海沿岸地域を中心に分布する、ムラサキ科ルリジサ属(ボラゴ属)の一年草。
ハーブの一種で、古代ギリシャ・ローマ時代には薬として使用されていたようです。
他にも食用、染料、などにも利用されています。
高さは30~60cmになり、葉や茎は細かい白い毛で覆われています。
ボリジの花期は4~8月頃。
花期になると、茎の上部の葉の付け根から花序を出し、花径2~3㎝程度の花を十数輪下向きに咲かせます。
花は花冠が5裂した星形で、裂片の先は細く尖って反り返ります。
朝開花し、夕方には萎む一日花です。
白い花の咲く品種に「アルバ」があります。
名前の由来は、ラテン語の「borra(剛毛の意味)」からと言われています。
和名の瑠璃苣(ルリヂシャ)は、瑠璃色の花をしたチシャ(チサ)。
「苣(ヂシャ)」とはレタスの和名です。
ボリジの利用
ボリジの花は、サラダやデザートの飾り、砂糖菓子(クリスタライズド)などに使われます。
葉はハーブティー、若葉は刻んでサラダ、スープ、バターいためなどに用います。
葉や茎にはキュウリのような香りがあります。
種子からとれる油は、ボラージオイルとしてスキンケアに利用されてます。
古くからハーブとして扱われるポリジですが、効用としては、気分を高揚させる作用が知られています。中世ヨーロッパでは「勇気のでる薬草」と呼ばれたようです。
また強壮、強心、血液浄化、解熱、利尿などに効果があるとされます。
※ボリジを使用する際の注意点。
ボリジにはピロリジンアルカロイドといわれる肝毒性のある成分が含まれます。そのため、摂り過ぎには注意が必要です。
科・属名:ムラサキ科・ボラゴ属(ルリジサ属)
原産国:地中海沿岸
別名:ルリヂシャ(瑠璃苣)、ルリジサ、ビーブレッド、スターフラワー
花色:青、紫、白
開花時期:4~8月
草丈:30~100㎝
花言葉:「心変わり」「鈍感」「勇気」「愁いを忘れる」
ポリジ ルリジサ(瑠璃苣)の様子
3月初旬のポリジ ルリジサ(瑠璃苣)の様子。
葉がワサワサと茂っています。
花茎はまだ短いですが、蕾をつけています。
ボリジの茎や葉は白い毛に覆われていて、ざらついています。
葉は厚みがあり、フランスでは「牛の舌」とも呼ばれます。
葉は長さ15~20cmの楕円形。
縁には鋸歯があり、互生します。
茎は太く中空です。
若い蕾の様子。
花茎を伸ばした蕾は、霞のような産毛に包まれているよう。
4月になるとたくさんの花が見られました。
咲き始めはピンクで、徐々に青くなるようです。
うつむき加減に咲く青い星形の花。
花径:2~3cm。
花冠は5裂して平開し、花弁の先は尖って反り返ります。
その下にある5枚の萼片が交互に顔を見せます。
中央に白い副花冠の突起があります。
雄しべの円錐体は直立し、長さ約1㎝。
葯は濃青色です。
雄しべに囲まれるように濃青色の1本の雌しべがあります。
果実は分果です。
5月に見かけたポリジ ルリジサ(瑠璃苣)の様子。
花は一日で終わってしまいますが、たくさんの蕾が次々青い花へと開花していきます。
蕾の様子。
開花した花。
神秘的な色で透明感がある花弁がきれいです。
ボリジの花は蜜が豊富なことから、ミツバチがよく集まります。
コンパニオンプランツとしても知られ、周りの植物の実付きをよくすると言われます。
コンパニオンプランツとは共栄作物という意味で、育てたい野菜や花のそばに植えることでよい影響をもたらす植物のこと。
受粉を助けてくれたり、害虫対策をしてくれる植物。
ボリジと相性の良い植物としては、イチゴ、ほうれん草やレタスなど。
ポリジ ルリジサ(瑠璃苣)の育て方
ポリジは日当たりのよい、やや乾き気味の肥沃な土壌でよく育つ1年草。
高温多湿の環境が苦手です。
適した環境では、こぼれダネでよく殖えます。
大株に育つので、株間を広くし、風通しをよくします。
種まきの適期は3月~4月、9月中旬~10月です。
寒冷地以外の場合は、秋に蒔いた方が株が大きく立派に育ちます。
- 栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。 - 水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷり与えます。 - 肥料
庭植えの場合は、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込みます。
追肥の必要はありません。
鉢植えの場合は、花茎が立ち上がる頃から開花するまで液体肥料を少量施します。
ボリジの茎はやや柔らかく中空なので、花が咲き始めたら倒れないよう支柱を立てると安心です。