栗の花は梅雨入りの少し前に咲きだします。
しっぽのようなフサフサとした毛がついた花穂で木を覆います。
花からはむっとするような独特の青臭い匂いがしますが、この匂いでいろんな虫を呼んでるようです。
栗の花の特徴や様子
幾重にも密生して垂れて下がる栗の花。
栗の花の特徴
クリ(栗)は、北海道西南部〜九州、朝鮮半島中南部に分布するブナ科クリ属の落葉高木。
山野にごく普通にみられますが、古くから果樹として植栽され、多くの栽培品種があります。
花期は6~7月。
花には雄花と雌花があります。
雄花はクリーム色の花穂を房状に咲かせます。
栗の花は雄花が圧倒的に多く、花序の基部に小さな球形の雌花があります。
雌花が受粉し成長すると「毬栗(いがぐり)」になります。
花が落ちた頃に梅雨がはじまることから、梅雨入りのことを「栗花落」(ついり)、「堕栗花」(ついり)との表現されたりします。
栗の花の香りは独特です。
栗の花は特徴のある強い香り、生臭い匂いが漂います。
栗の花は虫媒花(ちゅうばいか)で、花の匂いはそれを目当てに向かってくる昆虫を引き寄せるためのものと考えられています。
実際栗の花には、チョウチョやガ、カメムシ、カミキリムシなど多くの昆虫がやってきます。
栗の花の様子
5月の半ばに見かけもの。
ひものような長い房には、小さな蕾がたくさんついていました。
枝の腋から、10~20cmほどの細長い花穂を伸ばしています。
6月半ばになると、花が満開。
穂になって咲いているのが雄花。
その花序の基部に雌花が1~2個つきます。
雌花は花序の根元についてて目立たない。
雄花は雄しべがたくさん飛び出しています。
雄花の様子。
雄花は半円形の苞の脇に7個ほどが集まっています。
雄しべは約10個。
雌花の様子。
雌花の外面は緑色の総苞(若いイガ)で、直径3mmほどの球形。
先端が鋭い卵状披針形の鱗片に覆われています。
その中に雌花が3個あり、白い雌しべを外に伸ばしています。
花柱は長さ3mmほどの針状で、9〜10個。
雌花は、受精すると緑色の総苞はイガになり、子房が栗となります。
総苞の中には、種となる子房が通常3つずつ入っています。
6月の終わり。
雌花は小さな栗の子供に成長しています。
総苞は鱗片の腋から長さ1cmほどの鋭い刺が伸び、栗のイガとなります。
秋に果実が熟すと中にある1~3個の実(堅果)が顔を出します。
落ちた栗の花、雄花の様子。