コスモス(秋桜)は、桜のような花びらに細い茎と葉を持つ、秋風に似合う植物。
ずっと見ていたいほどの可憐な花ですが、花が落ちるとその後は枯れてしまう一年草です。
コスモス園などでは、花がおわると刈り取られてしまいますが、冬になり、コスモスが枯れていくさま、種をつけてる様子も風情があります。
種を採りたい場合、種を取るタイミングは、花が枯れ落ちて種が黒くなった頃がよいそうです。
冬へ向かうコスモス、コスモスの花後や種の様子
秋を彩るコスモス畑(10月)。
冬のコスモス畑(12月中旬)。
コスモスの花が枯れていく様子
12月中旬のコスモス畑は、花を咲かせているのもチラチラありますが、多くの花は枯れて、タネを付けていました。
咲いているコスモス。
一般的なコスモスの花びらは8枚。
コスモスの花のつくりは、花びらのような「舌状花(せつじょうか)」と、
中心部の黄色い花の「筒状花(つつじょうか)」からなっています。
コスモスの中心部は、黄色い小さな花(筒状花)がいっぱいあります。
筒状花は、外側から中心部に向かって咲き進んでいます。
開いた筒状花は星形のようですが、合付した5枚の花弁を持っています。
雌しべや雄しべがあり、受粉したあと種が出来ます。
舌状花は、雌しべや雄しべがありません。
花びら(舌状花)が2枚残っているコスモス。
筒状花は開いて、黄色の花粉が雌しべの柱頭にたくさんついています。
枯れ始めのコスモス。
花びら(舌状花)はクシャクシャ。
黄色だった筒状花も茶色へ。
花の中央は、丸みを帯びています。
受粉を終えた筒状花の雌しべの子房がふくらみ、種が大きくなっていきます。
コスモスの種が出来る様子
コスモスの花が枯れていくと、花びらが散り、種の時期。
種の出来始めは全体的に丸く、ガクに守られた蕾のようにも見えます。
種子は赤紫の内総苞片に包まれています。
尖った緑のものは外総苞片で8個あります。
若い果実。
コスモスの花後のようす。
種は最後に黒っぽくなり、花が開いたようにはじけます。
成熟した種子。
種を採る場合は、この時期がよさそうです。
手で触るとぽろぽろと簡単に採れます。
手のひらに乗せた種。
黒褐色で線形、長さ1cmほどのそう果。
種の保存方法・育て方
種の採取は、晴れて乾燥している日がベストです。
雨天時や湿気が強い日は、採取した種が腐ってしまうことがあります。
採取した種は、日陰で数日乾燥させてから紙袋などに入れます。
種まきの時期は、夏咲きなら4月~7月、秋咲きなら7月~8月。
発芽から開花までの期間は、2~3か月ほど。
ポットまたは花壇に直まきができます。
日当たりと風通しがよい場所であれば、あまり土質を選ばずに育ちます。
草丈が高くなる場合は、芯を止めると横に広がります。
学名:Cosmos bipinnatus
科・属名:キク科・コスモス属
原産地:メキシコ
和名:秋桜(アキザクラ)、大春車菊(オオハルシャギク)