ナンテン(南天)とオタフクナンテン(お多福南天)の特徴や違い

赤い実をたわわにつけた冬のナンテン
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ナンテンは、冬につける真っ赤な実が特徴的な植物ですが、オタフクナンテンは花や実はほとんど見かけません。

オタフクナンテンは、ナンテンの改良種で、樹高が低くグランドカバーにもよく使われています。赤く鮮やかに紅葉する葉が特徴的で、色味が少ない冬をあかるく彩ります。

ナンテン(南天)とオタフクナンテン(お多福南天)の特徴や違い・様子

冬の「ナンテン(南天)」と「オタフクナンテン(お多福南天)」の様子。
メギ科ナンテン属の常緑低木。

ナンテン(南天)・オタフクナンテン(お多福南天)の特徴

  • ナンテン(南天)
    日本の暖地や中国が原産。
    古くから園芸植物として親しまれ、お正月の縁起物としても知られています。
    幹は細めで直立し、先端に数回にわたって分岐する大型の羽状複葉をつけます。
    梅雨時から夏にかけて、黄色い花粉が目立つ小さな白い花を咲かせ、晩秋から初冬にかけて赤い実をつけます。
    学名:Nandina domestica

 

  • オタフクナンテン(お多福南天)
    江戸時代に生み出されたナンテンの園芸品種です。
    背が低いコンパクトに改良された矮性品種です。
    原種のナンテンのように花や実はみられず、葉の形がふっくらとしています。
    冬の鮮やかな赤い葉色が特徴的です。
    学名:Nandina domestica ‘Otafukunanten

 

ナンテン(南天)・オタフクナンテン(お多福南天)の違い

ナンテンの樹高2~4mほどに生長しますが、オタフクナンテンは30~50cmと小形なまま成熟する矮性品種。

ナンテンは、晩秋から冬にかけての赤い実が特徴的ですが、オタフクナンテンの場合は花や実はほとんど見かけません。

オタフクナンテンは、葉の美しさをメインに楽しむ植物。
特に冬の紅葉はとても鮮やかで、別名「ゴシキナンテン(五色南天)」といわれます。ナンテンも紅葉しますが、オタフクナンテンほど鮮やかではありません。

葉の形もナンテンよりも丸みを帯びており、その丸みのある葉から別名「オカメナンテン」とも呼ばれます。

 

ナンテン(南天)の様子

ナンテンは、晩秋から冬にきれいな赤い果実を実らせます。

「南天」=「難を転じる」ことから、縁起物として知られる人気の古典園芸植物。

関東以西では自生している植物です。

赤い実は丸く、大きさは直径6~7mmくらいで艶があります。

果実にはアルカロイドの一種であるナンテニンが含まれ、乾燥させたものは漢方薬「南天実(なんてんじつ)」とし、て咳止めや喉飴に使われます。

樹形は株立ち状で、すらっとしており、幹の上に葉をつけます。
葉は、幹の先端に向かって三方向に広がる独特の形です。

冬に紅葉した葉。

ナンテンの葉は、赤く紅葉しないで緑のままのもあります。

菱形をした小葉が集まった大きな羽根状の葉。

鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並んで、1枚の葉が構成されてます。

果実が赤くならず白の実がつくものは、「シロナンテン(白南天)」と呼ばれます。別名:シロミナンテン(白実南天)。

シロナンテンの実は、やや黄色がかった果実で、葉は紅葉せず常緑です。
学名:Nandina domestica var. leucocarpa

 

オタフクナンテン(お多福南天)の様子

寒くなると、きれいに紅葉するオタフクナンテンの葉。

夏は緑ですが、冬になると鮮やかな赤へと変化します。

グランドカバーでもよく見かけます。

真っ赤に紅葉した葉。
ナンテンに比べるとふっくら丸みを帯びています。

色づいていくグラデーションも楽しめます。

オタフクナンテンは、丸い樹形にまとまります。
放任気味に育てても自然に整った樹形になるようです。

 

ナンテンの品種・園芸種

ナンテンは現在40~50ほどの品種があるそうです。

  • キンシナンテン(錦糸南天・琴糸南天):葉が細く糸状になる小型の品種。
  • ササバナンテン(笹葉南天):葉の形が笹の葉のように尖る品種。
  • イカダナンテン(筏南天):葉柄が組み合わさり、いかだのようになる品種。
  • オリヅルナンテン(折鶴南天):葉が重なったように付き、折鶴を思わせるのが名前の由来です。
  • フジナンテン(藤南天):黄色の実をつける品種で、実が熟すと薄紫色になります。
  • ウルミナンテン:橙色の実をつける品種。
  • ヒメナンテン(姫南天):葉が小さく枝も細い品種。

 

ヒイラギナンテン(柊南天)は、葉の雰囲気がナンテンに似ていて、名前にもナンテンがつきますが、違う植物です。

同じメギ科ですが、ナンテン属ではなくメギ属になります。
原産地は中国で、日本に入ってきたのは江戸時代ごろと言われています。

ヒイラギナンテンは、葉の形が柊のように鋭く尖っていることが特徴で、早春に小型の黄色い花を房状に咲かせ、初夏に黒青色の粉を吹いた果実をつけます。

 

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