「ジンジャーリリー」は、高さ1~2mの株立ちになる大型の植物で、夏になると華やかな南国風の花を咲かせます。
白花は、「ハナシュクシャ(花縮砂)」、オレンジ色の花は 「ニクイロシュクシャ(肉色縮砂)」とも呼ばれますが、花の様子がかなり違います。
また、「ヘディキウム」という名で呼ばれることもあります。
ヘディキウムはショウガ科シュクシャ属の園芸品種の総称で、東南アジアを中心に約50種類が分布されてます。
目次
ジンジャーリリー~ハナシュクシャとニクイロシュクシャの特徴や様子
「ジンジャーリリー」は、インド、マレーシャーの原産で、根茎状の地下茎をもつ常緑多年草。(写真は白花とオレンジ色の花が一緒に咲いてる様子)
ジンジャーリリーの特徴
「ジンジャーリリー」は、ショウガに似た大型の植物で、ショウガによく似た葉と根茎が花の由来になっています。
「シュクシャ(縮砂)」とはショウガ科の植物で漢方薬に用いる生薬の名前で、植物体がよく似ていることから「ハナシュクシャ(花縮砂)」と呼ばれ、花の色がオレンジ色の種は、「ニクイロシュクシャ(肉色縮砂)」。
庭園に植えるほか、切花に用いられています。
ジンジャーの花は、とても香りが強いため、香料として香水などにも使われます。
※ 単に「ジンジャー」とも呼ばれますが、食用のショウガ(生姜)とは全く別の種です。
(ショウガ属のショウガ(生姜)の写真)
ジンジャーというと、食用に利用されるショウガ属のショウガ(生姜)を連想しがちですが、園芸分類上ではショウガ科ヘディキウム属植物なので、別属の植物で食用ではありません。
学名 Hedychium
科名・属名 :ショウガ科・シュクシャ属
花期: 夏から秋
原産地:熱帯アジア
花言葉:「豊かな心」「あなたを信頼します」「慕われる愛」「無駄なこと」
白花のジンジャーリリー ハナシュクシャ(花縮砂)の様子
ハナシュクシャ(花縮砂)は、真っ白で香りのよい花を咲かせます。「ホワイトバタフライジンジャー」や「ホワイトジンジャー」と呼ばれることもあります。
蝶のような白い花を穂状につけます。
純白色の大きな花で、花周辺では甘い香りが漂います。
花被片は6枚ですが、外花被3枚は合着して花のつけ根にあります。
内花被3枚はつけ根は合着し、先が3つに分かれます。
もう1枚の唇形の花びらは、これは雄しべが花びらの形になっているもの。
また、飛び出している蘂(やく)は、雄しべと雌しべが1つになったものです。
蕾の様子。
白花もオレンジの花も茎や葉は同じ。
草丈は1メートルから2メートルくらい。
茎の部分は葉鞘(茎を鞘状に包むような形になった葉のつけ根)が折り重なったもので、偽茎で直立。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)
長さ20~60cmほど。
オレンジ色のジンジャーリリー ニクイロシュクシャ(肉色縮砂)の様子
淡いオレンジ色の花がとても綺麗です。
ニクイロシュクシャ(肉色縮砂)というちょっと変わった名前ですが、淡鮭肉色との表記もあり、サケの肉色を表す鮭色、サーモンピンクのことのようです。
白花に比べて、花数が多く華やかですが、香りは弱いです。
花被片は外花被3枚、内花被3枚(これが本来の花弁だが紐状に垂れ下がっている)
もう1枚の唇形の花びらは雄しべが花弁化したもの。
おしべの1本は花弁化して唇形。
雄しべと雌しべがある飛び出している蘂(やく)がとても目立ちます。
花が枯れた様子。
花後の様子。
ジンジャーリリー(ハナシュクシャ・ニクイロシュクシャ)の育て方
ジンジャーリリーは、強健な植物で、病害虫もほとんどない育てやすい植物。
暖地では植えっぱなしにでも年々株が大きくなっていきます。
大型になるので、地植えにする場合は、株間を80~100cmあけて植えてください。
また株元が混み合ってきたら秋または春先に株分けしてください。
暖地以外では、鉢植えのものは室内に取り込んで冬越しさせます。
地植えの場合は、凍結させないように地面に厚く腐葉土などをかぶせて冬越しさせるか、球根を掘り上げて乾燥さないように貯蔵します。
- 栽培環境
日当たりは、日なた~半日かげ。
湿り気のある肥沃な土地を好み、夏にむしむしと湿度が高めの場所で存外によく育ちます。逆に乾燥を嫌います。 - 水やり
乾燥させると極端に生育が衰えるので、水切れに注意しましょう。 - 肥料
6月頃から液肥を週1回、もしくは化成肥料を月1回与えます。肥料は秋まで続けます - 増やし方
大きくなった球根を切り分けて増やします。 - 病虫害
特になし。