ハスやスイレン園などに出かけた時に、赤い卵のような物をみかけたりしませんか。
最初は、きれいな色だなーと思って近寄ってみるんですが、良くみるとなんだか気持ちが悪い感じ。
いったい何?
このスジコのようなツブツブは、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵です。
ジャンボタニシは、田んぼの稲を荒らしたりする厄介もの。
いったいジャンボタニシってどんなタニシなの?
目次
ピンクの卵? ジャンボタニシって?
鮮やかなピンクの卵は、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の卵。
50~700粒が集まった卵塊で、稲株、雑草、コンクリート壁などに産み付けられます。
ジャンボタニシは、スクミリンゴガイとも呼ばれている外来生物で大型の巻貝です。
タニシと名は付いてもタニシは全く異なる種です。
(見た目はタニシにちょっと似ています。)
和名:スクミリンゴガイ(一般名:ジャンボタニシ)
学名: Pomacea canaliculata Lamarck
ジャンボタニシは、南米原産の淡水性の巻貝で、食用として日本に持ち込まれましたが成功せず、逃亡、放棄されたものが野生化し、各地に広がりました。
今では、イネを初め水田植物を荒らす害虫扱いになっています。
世界の侵略的外来種ワースト100にもリストアップされています。
ジャンボタニシとタニシの違い
ジャンボタニシは、在来のタニシと比べ,大きくてずんぐりしていて、開口部が大きい、長い触角がある等の特徴があります。
タニシは、腹足綱タニシ科に分類される巻貝の総称。
タニシは、卵を産まずに小貝で増えます。
母体内で卵を孵化(フカ)させ子タニシとして生み出します。
ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)は、卵生で特徴があるピンクの卵を産みます。
4 月~10 月頃が繁殖期で、約 4 日間隔で産卵を繰り返します。
また、ジャンボタニシは、水陸両棲で幼貝の頃はえら呼吸ですが,成貝なるとえら呼吸のほか呼吸管を伸ばし肺呼吸もするそうです。
普通タニシは、えら呼吸で活動も水中のみ。
ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の特徴
成貝は3~8センチメートル、5層右巻きで4~5層が大きく広がっている。
黄褐色、黒褐色。
長い触覚をもつ。
野外での寿命は、3年程度
雑食性(主に植物食・特に柔らかい草が好き)
ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)が日本に入ってきたのは、1981年、台湾から長崎県と和歌山県に食用目的で導入されたのが最初だそうです。
1984年には、有害動物に指定され、輸入が禁止されました。
今は、捨てられたり、逃げ出して野生化したジャンボタニシが増え続けてしまったようです。
ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)には、広東住血吸虫が寄生していることがあります。
素手では触らないように、また触った後はよく手を洗う。
食用とする場合は、十分加熱調理することが必要です。
ジャンボタニシの卵
卵は直径2ミリメートルほどの球形。
近くでみると、本当にたくさんの卵がありますね。
10日~ 2週間程度で孵化(ふか)し、約 2 ヶ月で成貝になるそうです。
ふ化直前は黒~白っぽく、ふ化すると白色。
スイレン池で見かけたジャンボタニシの卵。
木の枝に産みつけられています。
池の石垣で見かけたジャンボタニシの卵。
ジャンボタニシの卵には毒がある
卵には、毒があるので天敵に捕食されにくいそうです。
(卵内部は神経毒があり、ヒアリ以外のすべての捕食者から逃れているとも)
また、目立つ色も外的から守る警戒色だと言われています。
ジャンボタニシの卵は、加熱により変性し毒性を失うとされてますが、食用に適した味ではなくヒトに対する毒性の有無は不明とのこと。
ジャンボタニシの成長
ジャンボタニシは、4月~10月にかけて、夜の間に水から出て、植物の茎や葉、コンクリート壁などに産卵します。
卵が産みつけられてから約2週間ほどで、濃いピンク色だったジャンボタニシの卵は徐々に色が白っぽく変わり、孵化の時を迎えます。
孵化した幼貝は、水中に落下し直ちに水中生活を始めます。
孵化後は、その旺盛な食欲で生息域の植物をどんどん食べて、早いもので50日後には産卵がみられ、夏期は2か月で成貝に成長するそうです。
越冬した大人の貝は5㎝くらいに成長するそうですよ。
ジャンボタニシの卵は、水中では孵化できません。
卵のうちに水の中へ落としてしまうと、卵は腐り死んでしまうそうです。
また、鴨はジャンボタニシを食べるらしいです。
ジャンボタニシの天敵は、ネズミ、サギ、カモ(アヒル)、スッポン、コイ、フナ、ホタルの幼虫、ヒル等だそうです。