ノゲシ(野芥子)の花は、タンポポ(蒲公英)の花を小さくしたような黄色い花。
どちらも春になると、道端、空地、野原などでよく目にする植物です。
ノゲシもタンポポもキク科の多年草で似ているところがありますが、ノゲシは草丈が高く、枝分かれした茎に花をいくつも付けます。タンポポは背丈が短く、伸びた茎の先に花をひとつ付けるので、簡単に見分けが出来ます。
目次
ノゲシとタンポポの違いや見分け方・特徴や様子
- 「タンポポ(蒲公英)」
学名:Taraxacum
科・属名:キク科タンポポ属
別名:ツヅミグサ(鼓草)、蒲公英
開花時期:春(西洋タンポポは周年)
- 「ノゲシ(野芥子)」
学名:Taraxacum
科・属名:キク科・ノゲシ属
別名:ツヅミグサ(鼓草)、蒲公英
開花時期:春~秋
ノゲシとタンポポの簡単な見分け方
タンポポの花は1本の花茎に1つしか咲きませんが、ノゲシは1本の花茎から花がいくつも咲くので、見分けがつきます。
- タンポポ:花茎は分岐しない。1本の花茎に1個の花。
- ノゲシ:花茎は複数に分岐し、複数の花。
ノゲシとタンポポの花の違い
ノゲシの花はタンポポの花よりかなり小さめです。
- タンポポの花の直径は3.5~4cmほど。
- ノゲシの花の直径は2cmほど。
ノゲシの花はタンポポの花も、どちらのも花は朝に開き、夕方に閉じます。
どちらも舌状花と呼ばれる、小さな花が円盤状に集まって、ひとつの頭花を形成している花。
ノゲシとタンポポの草丈や葉の違い
タンポポは草丈が低く、ノゲシは草丈が高くなります。
- タンポポは、地際近くからロゼットといわれる放射状の葉を水平に広げます。
花茎に葉はつけません。
葉は披針形で羽状に裂けます。ギザギザとした切れ込みの入った葉。
タンポポの草丈:15~50㎝くらい。
- ノゲシは、背が高くなり茎に葉を茂らせます。
葉は羽状に切れ込み、縁には不規則な鋸歯があります。
葉の基部は茎を抱いています。
ノゲシの草丈:50~100㎝くらい。
タンポポもノゲシも茎は中空で、ストローのように空洞です。
タンポポの特徴や様子
タンポポ(蒲公英)は、キク科タンポポ属 の総称。
世界に約2000種類。日本には15~20種類。
日本でよく知られるタンポポには、古来から自生していた在来種(日本タンポポ)と、明治以降に外国から持ち込まれた外来種があります。
毎年花を咲かせる多年草で、生命力が強く、根が残っていれば茎を刈られてもまた伸びてきます。花が咲く期間は3日ほどで、朝につぼみを開き、夕方には閉じています。
都市部によく見かけるタンポポは外来種の「西洋タンポポ」。
在来種の日本タンポポと西洋タンポポは、一見、みた目は同じようですが、
花の基部を包んでいる総苞片を見てみると、反り返っているものが外来種。(反り返っていないものが在来種)。
ただ交雑種には見分けがつきにくいものもあります。
花茎の先端にできる果実は、綿毛(冠毛)の付いた種子。
タンポポの綿毛は白くきれいな球体です。
タンポポの綿毛は種子が完熟して乾燥すると、風に吹かれて飛んでいきます。
ノゲシの特徴や様子
ノゲシ(野芥子)は、キク科ノゲシ属の植物の一種。
ヨーロッパ原産の史前帰化植物と言われ、日本に渡ってきたのはかなり昔と考えられてます。分布は日本全土で、空き地や道路わきにもたくましく咲いていて、どこでも見られるような雑草です。
「ケシ」という名が付きますが、ケシ(ケシ科)と葉が似ていることから名がついています。分類上は全く別系統でケシの仲間ではありません。
2cmほどの小さな花をたくさんつけます。
タンポポを小型にしたような黄色い花。
花が終わると総苞の下部はふくれて種の準備へ、
その後、ノゲシの種も綿毛をつけて風に飛ばされていきます。
タンポポののように球形の綿毛ですが、タンポポよりも毛がふわふわとした印象。
(タンポポのような冠毛と痩果との間に長い柄はない)。
ノゲシの葉は羽状に切れ込んで、長さ15〜25cm、幅5〜8cm。
基部の葉は、両側が先のとがった三角状に張りだして、茎を抱いています。
葉には刺がありますが、柔らかく触っても痛くありません。
ノゲシの近隣種でよく似た花を咲かせる「オニノゲシ(鬼野芥子)」
オニノゲシ(鬼野芥子)は、キク科・ノゲシ属。
ノゲシのよく似ていて、ノゲシを荒々しくしたような風貌です。
葉はつやつやしていて光沢あり、葉先の尖って部分は棘のようで、触るととても痛いです。
オニノゲシはヨーロッパ原産の帰化植物。
温暖な地域では一年中、開花が見られます。