夏になると、黄色の花をいっぱい咲かせるハマボウ。
普段はあまり見かけない花木ですが、大きなハマボウの木を目撃した時には、はっとして心洗われるような感動があります。
一瞬で、心奪われていまいそうな爽やかな花を咲かせています。
ハマボウてどんな花? 特徴や育て方

「ハマボウ」は、関東南部以西の本州、四国、九州と韓国の済州島に分布するアオイ科ヨウ属の落葉中木。内湾海岸に自生する塩生植物です。
ハマボウの特徴
樹高は1-5mほどで、夏になると中心が赤褐色の黄色い花をたくさん咲かせます。
朝開いて夕方には咲き終わる一日花です。
日本原産の野生のハイビスカスと言われています。
また、河口や入り江など、海岸近くに生える植物で、温帯のマングローブともいわれています。
名前の由来は、諸説ありますが、浜辺に生える朴の木(ホオノキ)を意味で、「ハマホウ」、そして「ハマボウ」になったようです。
学名:Hibiscus hamabo
科・属名:アオイ科・フヨウ属
和名:ハマボウ(浜朴)
別名:キムクゲ(黄槿)
開花時期:7月~8月
花言葉:楽しい思い出
ハマボウの花

花は直径5~8㎝ほどの5弁花で、螺旋(らせん)状に巻いています。
柔らかい黄色の花びらの奥のつけ根の方は暗い紅色をしています。
一見、大きな木に咲く小さなハイビスカスと言った感じに見えます。
ムクゲや芙蓉の花にも似ています。
でも、ムクゲや芙蓉には、黄色の花はなさそうです。

雌しべの花柱は突き出て5裂。
雄しべは多数あって、くっつき合って雌しべの周りを取り囲んでいます。

大きなハマボウの木には、たくさんのアゲハ蝶が集まって来てました。

朝咲いて夕刻にはしぼんでしまう一日花のハマボウ。
しぼんだ花は燈色に変わります。
ハマボウの蕾

ハマボウの蕾の様子。
ハマボウの葉

葉は互生し、倒卵状円形で先が尖っています。
縁には細かい鋸歯があります。
冬の初めには紅葉して、緑だった葉は黄色や赤に変わって落葉します。
ハマボウの葉は可愛らしい形+紅葉してゆく様子も楽しめるので、盆栽などにも使われています。
ハマボウの大きな木

一日花なのに、木にはこんなにたくさんの花が咲いています。
次から次に花が咲くようです。
ハマボウの花は、レモンイエローみたいな黄色でとても爽やかです。
近年では、個体数が減少して絶滅種・準絶滅危惧種に指定されている府県もあるようです。

ハマボウの育て方

比較的耐寒性があり、関東以西の太平洋岸などでは庭植えが可能な植物。
- 【場所】
日当たりのよいところ。
深さ30cmほどの植え穴を掘り、掘り上げた土の3割程度の腐葉土若しくはバーク堆肥を入れ、庭土とよく混ぜ合わせて植えつける。根付くまではあまり乾燥させない。 - 【水やり】
地植えの場合は特に不要。
夏などに地面が乾燥したときは、たっぷりと水やりをする。 - 【肥料】
幼木のときは、2月ごろに、油カスと化成肥料を等量に混ぜたものを株元に二握り程度与える。
大きくなればなくても良い。(又は、春先と開花後に与える) - 【剪定】
自然に樹形をつくるので剪定はあまり必要がない。
伸びすぎた枝などは、1~2月ごろに切り詰める。 - 【増やし方】
挿し木(5~6月、または9月下旬~10月) - 【病虫害】
ハマキムシに注意します。
秋には実がなるハマボウ。
先がとがった花のつぼみみたいな茶色の実の中には、4ミリほどのマメのような種がたくさん入っています。
種は海に流されても死なず、流れ着いた海岸で成長するそうです。
種からも育てられそうですね。