酔芙蓉(スイフヨウ)は、一日の間に白花も赤花も見ることが出来る不思議な花木。
真夏に美しい大輪の花を咲かせるフヨウの園芸品種です。
花色が白・ピンク・濃いピンクへ変わるのが特徴です。
蕾の時は赤に近い濃いピンクで、朝に白い花を咲かせます。
お昼には優しいピンク色になり、夕方には濃いピンクになり、その後は萎んでポトリと落ちます。
目次
酔芙蓉(スイフヨウ)の特徴・色の変化の様子・育て方
酔芙蓉(スイフヨウ)は、四国や九州、そして沖縄を中心に自生しているアオイ科の落葉低木。
酔芙蓉(スイフヨウ)の特徴
花色を変えながら1日で散る酔芙蓉(スイフヨウ)は、夏から秋にかけて咲く花で、芙蓉(フヨウ)の園芸品種です。
花の咲き方は、八重咲き・一重咲き・二重咲きと複数あります。
千重咲きで、白赤ピンクが混ざった花を咲かせるものは、「くす玉酔芙蓉」とも呼ばれています。
花の色が変わるのは、アントシアニンの合成が理由です。
アントシアニンは25℃以上の気温で合成し、温度が高いとより色素ができやすい=赤みが強くなるようです。
名前の由来は、花色が変わる姿からお酒を飲んで酔ったように見えることからで、酔った芙蓉のようであるという意味。
学名:Hibiscus mutabilis cv. Vercicolor
科・属名:アオイ科・フヨウ属
別名:木芙蓉(モクフヨウ)
原産地:日本・中国・台湾
花期:夏~秋
樹高:1.5m~3m
花言葉は「しとやかな恋人」「繊細な美」「心変わり」「幸せの再来」
酔芙蓉(スイフヨウ)の花色の変化の様子
酔芙蓉(スイフヨウ)の蕾の様子
開花前の蕾は赤に近いピンク色。5枚の萼片に守られています。
朝の酔芙蓉(スイフヨウ)の様子 (AM8:00頃)
白の花が開花していました。
花びらの裏側は、薄っすらとピンクがかっています。
昼の酔芙蓉(スイフヨウ)の様子 (正午)
お昼になると、白の酔芙蓉(スイフヨウ)は、どれも淡いピンク色に変化しています。
ほんのりとした優しい色合いです。
夕方の酔芙蓉(スイフヨウ)の様子 (PM16:00頃)
濃い目のピンクに変化。
開いていた花は少し萎んでいました。
萎んだ酔芙蓉(スイフヨウ)の様子
この花は、朝方に萎んだ酔芙蓉な枝先に残っていたものです。
蕾なのかと思ってしまうような感じですね。
地面には、咲き終わった花がいくつも落ちています。
手に取るとこんな感じで、ふっくらとしていました。
酔芙蓉(スイフヨウ)の花の中
一重の酔芙蓉は、花弁が5枚。花径は10~15cmほど。
花弁は長さ4〜5cmの倒卵形で、縦の筋が入ります。
雄しべは多数で根元が合着し、雄しべ筒を形成し、花柱を筒状に覆います。
雌しべの花柱はカーブしていて、先が5裂し、柱頭は平らに開く。
酔芙蓉(スイフヨウ)の葉
葉は、10〜20cmほど、五角形状で掌状葉で互生。
上部は浅く3〜7裂する。先は鋭くとがり、基部はハート形。
ふちには鈍い鋸歯があります。
果実は、径2~2.5cmほどの球形の蒴果で、中に多数の種子があります。
熟すると下部が裂け、種子が散布されます。
酔芙蓉(スイフヨウ)の育て方
九州では、空き地で見かけたりもする丈夫な植物です。
暑さには大変強いですが、やや寒に弱いので寒冷地では鉢植えにして冬は室内にとりこみます。
- 栽培環境
日当たりと水はけのよい場所に植えます。 - 水やり
地植えの場合は、特に必要ありません。
鉢植えの場合は、土が乾いていたらたっぷりと水を与えます。 - 肥料
冬の落葉時期、株元に堆肥を施します。
開花中には液肥を与えると花付きが良くなります。 - 剪定
11月か2~3月頃。 - 増やし方
挿し木で増やすことができます。3月~4月頃が適宜。 - 病虫害
ハマキムシ アブラムシ
酔芙蓉(スイフヨウ)に似ている花
「芙蓉(フヨウ)」の花。
一重の酔芙蓉(スイフヨウ)と花の大きさや格好は同じですが、酔芙蓉(スイフヨウ)のような色の移り変わりはありません。
ピンクのフヨウをよく見かけますが、白や八重咲などもあります。
「ムクゲ(木槿)」
別名はハチス。
花期は、7月中旬~9月頃。
フヨウと同じくアオイ科 フヨウ属の一日花。
暑い夏に次々花を咲かせます。
花はピンクや白の一重が多いですが、八重、半八重咲きがあり、色はピンク、白、紅紫、水色などがあります。
ピンクのムクゲの花も花だけ見ると、スイフヨウによく似ています。
フヨウ(芙蓉)とムクゲ(木槿)は、同じはアオイ科フヨウ属の樹木で、花の咲く時期や姿形も何となく似通っています。
見分け方は案外簡単で、
フヨウ(芙蓉)は 五角形の大きな葉っぱですが、ムクゲ(木槿)の大きな特徴は葉っぱが小さく尖っています。また葉や花もフヨウの方がムクゲよりも大きいです。
花の中の雌しべは、ムクゲは真っ直ぐで、フヨウは先の方がひゅんと曲がっています。
他にもアオイ科フヨウ属は、ハイビスカス、アメリカフヨウ(クサフヨウ)、キムクゲ(黄槿)と呼ばれるハマボウアオイなどもあります。