「シマバライチゴ(島原苺)」は、中国、台湾など東アジアの暖温帯に広く分布する南方系のキイチゴで、日本では長崎県のほか、熊本県の一部地域にしか分布しない希少植物。
日本ではあまり見かけることのない珍しいイチゴで、「レッドデータ・絶滅危惧II類」にも指定されています。
長崎県島原市で見かけたシマバライチゴは、房状に小さな赤い実をたくさんつけて、寒い冬を明るく彩っていました。
シマバライチゴの特徴や様子
1月のはじめに見かけた「シマバライチゴ(島原苺)」。
バラ科、キイチゴ属の半常緑の低木。
シマバライチゴの特徴
シマバライチゴは、キイチゴ属の中でも、フユイチゴに近い落葉あるいは時に常緑のキイチゴで、大きくなると地上茎をツルのように伸ばし繁殖します。
花は10月頃、白色で多数で房状につき花弁は5個で長さ5mm程度。
冬に房状の実が赤く熟します。
酸味の強いので生食には向かない。
1904年に島原市の眉山で発見されたことからこの名が付いています。
学名:Rubus hakonensis
科・属名:バラ科・キイチゴ属
シマバライチゴの様子
崖にこびりついてるように実ってるシマバライチゴ。
遠目には小さな赤いブドウが実ってるようにも見えます。
1cmほどの球形の果実が暗赤色に熟します
果実をたくさんつけて房状にぶらさがります。
粒々の小さな赤い実が集まってできる集合果。
つややかでとても艶やかです。
つるは長く細く強靭。
つるのとげで他物にからみよじのぼる。
とても繁殖力が強い植物のようです。
つるには小さな鋭いトゲが密生しているので、触ると痛いです。
収穫にはハサミが必要のようです。
果実は、ヒヨドリ、ツグミをはじめとした鳥たちによって盛んに食べられ散布されるそうです。
葉は長さ10cm程度。
広卵形、先端は鈍尖形で基部は心形、ふちは鋭い鋸歯があり浅3~7裂する。
赤く紅葉している葉も見かけました。
シマバライチゴを食べてみた
シマバライチゴは、酸味が強く生食には向かないとありますが、食べて見るとやっぱり酸っぱい。
でも野性味があってみずみずしく、どこか懐かしいような味がします。
加工品では実をブレンドした蜂蜜やリキュール、紅茶などにも利用されています。
シマバライチゴにはポリフェノールの一種、「エラジタンニン」が多く含まれてるそうです。