ノブドウ(野葡萄)の実は、カラフルで小さく可愛い実。
夏の終わりから秋に、緑や青、ピンク、紫、赤紫など、色とりどりの光沢がある不思議な実をつけます。
ノブドウ(野葡萄)は、ブドウ科ノブドウ属に属するつる性落葉低木。
地方名でイヌブドウ、カラスブドウとも呼ばれています。
ノブドウ(野葡萄)の特徴や様子
ノブドウ(野葡萄)は、道端や空き地、野原や林に自生してます。
夏になると、道路沿いのフェンスや石垣にからみついている姿もみかけます。
ノブドウ(野葡萄)の特徴
北海道から沖縄まで日本全国に分布します。
ツル性の植物で、他物にまといつき生長します。
冬になると茎は毎年枯れますが、基部は木質化して越冬しする落葉低木。
成育旺盛で強健な性質。
開花時期:7~8月。
花は小さく緑色〜乳白色なので目立ちません。
花後は球形の緑の実をつけ、熟すと青〜紫色に変わります。
名前の由来は、野に生えるブドウ、野生のブドウから。
科・属:ブドウ科・ノブドウ属
別名:イヌブドウ (犬葡萄) 、カラスブドウ (烏葡萄) 、ウシブドウ (牛葡萄) 、ドクブドウ (毒葡萄) 、ヘビブドウ (蛇葡萄)、ザトウエビ(座頭蘡薁)
原産国:日本、中国
花言葉:「慈悲」「慈愛」「人間愛」
ノブドウ(野葡萄)は食べれない?
ノブドウは、うま味がなく、虫が寄生することから食用に向かないとされてます。
実の中には、ノブドウミタマバエという幼虫が入り込みことが多く、寄生された果粒は虫こぶ(虫えい)が発生します。
ノブドウのカラフルな果実は、虫こぶによる影響だそうです。
また、有毒植物とも言われますが、毒成分の正体はわからず有毒かどうかも不明で、毒性を持つという報告はないようです。
ノブドウの葉や根は、「ジャホトウ(蛇葡萄)」や「ジャホトウコン(蛇葡萄根)」などの名で呼ばれる生薬に使われます。
ノブドウ(野葡萄)の様子
9月に見かけたノブドウの様子。
ノブドウは、二股の巻きヒゲでほかの植物や石垣、フェンスなどに絡みつきます。
花期7~8月。
葉と対生に集散花序。
淡黄緑色の小花(3~5mm)。
花弁は5枚、雄しべは5本、雌しべは1本。
花弁や雄しべは早くに脱落し花柱だけが残ります。
花後の果実。
直径6~8mmの球形の液果。
果実が熟していくと、青や赤紫の色へ。
いろんな色があって面白いです。
ノブドウの正常な実は、熟すと白ぽい色。
色づいたものは、ノブドウの虫えい、虫コブの影響。
ノブドウミタマバエ(ノブドウタマバエ)の幼虫が寄生すると、紫色や青、ピンクなどのパステルカラーになるようです。
葉は互生、円い心臓形で葉先が3~5裂します。
先端は尖り、縁には荒い鋸歯があります。
長さ6~12cm、幅5~9cm。
ノブドウの変種
葉の切れ込みが深いいものは、「キレハノブドウ(切葉野葡萄)」。
葉に光沢があるものは、「テリハノブドウ (照葉野葡萄)」。
ノブドウに似た植物 ヤブガラシ
夏になると、ノブドウ(野葡萄)とヤブガラシ(藪枯らし)が、一緒に生えてる場所もみかけます。
ノブドウとヤブガラシは、どちらもツル性で、雑草のように繁殖し、雰囲気が似ている植物。花もよく似ていて、集散花序で薄緑色の小さな花。
同じブドウ科の植物ですが、葉の形は、全く違います。
ヤブガラシ(藪枯らし)は、ブドウ科ヤブガラシ属。
ビンボウカズラ(貧乏葛)とも呼ばれます。
道端や庭、空き地、野山に生えているつる性の多年草。
茎は巻きひげで、他物にからまって長く伸び繁殖します。
名前の由来は、藪を覆って枯らしてしまうほどの生育の旺盛さがあることから。
科・属名:ブドウ科・ヤブガラシ属
別名:貧乏葛(ビンボウカズラ)、ロウソク花、ビンボウグサ、ビンボウヅル
開花時期:6~9月
草丈:2~3m
花色:緑、オレンジ、ピンク
原産地:日本、中国、マレーシア
花言葉:「不倫」「攻撃性に富んだ」「積極性のある」
ヤブガラシ(藪枯らし)の開花時期は、6~9月。
薄緑色の花弁が4枚の小さい花。
花弁と雄しべは開花後半日ほどで散ってしまいます。
雌しべと花盤(カバン)が残り、花盤の色は黄赤色から淡紅色に変わっていきます。
葉は5枚の小葉からなる鳥足状複葉。
それぞれの小葉は縁に鋸歯のある先のとがった卵形。