オカトラノオ(岡虎の尾)垂れ下がる白い花

草原に咲くオカトラノオの写真
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ひゅんと垂れ下がる白花が特徴的で目を引くオカトラノオ。

オカトラノオは、日当たりの良い草原などに自生しているサクラソウ科の多年草です。
初夏になると、野の花の趣を持ちながらも美しい花を咲かせます。

花穂の先端が虎の尾のように垂れ下がっているので、この名前がつけられています。

オカトラノオ(岡虎の尾)の特徴 花・葉・果実の様子 似た植物・育て方

草地に生えてるオカノトラオノの写真

オカトラノオは、日本、中国、朝鮮半島などを中心に東アジアに分布するサクラソウ科オカトラノオ属(リシマキア属)の多年草。

 

オカトラノオの特徴

山野の日当たりの良い場所や、道端、草地などで見られる植物です。

茎はまっすぐに立ち上がり、多数の卵形の葉をつけます。
茎の先端に総状花序を出し小さな花を沢山つけます。花は下方から開花していき穂の先端が虎の尾のように垂れ下がります。

オカトラノオの名前の由来は、長い花序を虎の尻尾に見立てた名この花穂の様子と、丘のような場所によく群生していることからで、「丘虎ノ尾」とも書きます。

英名は、「Gooseneck」で「がちょうの首」。

 

学名:Lysimachia clethroides
科名 ・ 属名:サクラソウ科・ オカトラノオ属
別名:トラノオソウ(虎尾草)
原産国:日本、朝鮮半島、中国
背丈:40~100㎝
花期:7月~8月
花言葉:「忠実」「貞操」「優しい風情」「清純な心」など。

オカトラノオの花・果実・葉の様子

オカノトラオノの花の写真

10cm~30cmの総状花序。花は径1㎝程度。
花序は下から上へと咲き進み、先端が虎の尾のように枝垂れます。
(先の方は蕾になっています)。

オカノトラオノの花のアップ写真

花弁は合弁花で深く5裂。
雄しべは5個、雌しべは1個。

 

オカノトラオノの花が枯れた後の果実の写真

果実は直径約2.5~3mm程の卵状球形の蒴果。花柱が残っています。

オカノトラオノの果実のアップ写真

果実は熟すと裂開し、種子は長さ1〜1.5mmほど。

 

オカノトラオノの葉の写真

葉は先の尖った長楕円形または狭卵形で、長さ6から13cm、幅2~5cm。
茎に互生します。
葉茎には軟毛が生えており、茎は基部が赤味を帯びます。

茎は分枝せずに直立し、草丈40~100㎝程度に成長します。
冬は地上部が枯れます。

 

オカノトラオノの仲間・似た花

オカトラノオの花は基本的には白ですが、淡いピンク色の花を咲かせ、紫がかったピンク色の蕾とのグラデーションが美しい、「オカトラノオ ピンクパール」と呼ばれる珍しい花もあります。
また、花は通常の白い花で、葉に白色や黄色の斑が入ったものもあります。

 

オカトラノオに似た植物。

  • 「ノジトラノオ」 やや湿り気のある草地に生える。
  • 「ヌマトラノオ」 湿地に生える多年草(花穂が垂れ下がらない)。
  • 「イヌヌマトラノ」 オオカトラノオとヌマトラノオの自然交雑(花穂が垂れ下がらない)。
  • 「イソカゼトカトラノオ」 海岸近くの草地に見られる多年草。

 

オカトラノオの育て方

草地に生えるオカノトラオノの様子の写真

オカトラノオは、耐寒性、耐暑性があり丈夫で育てやすい植物。
地下茎を伸ばしよく増え、よく花を咲かせます。
冬には地上部を枯らして宿根し、春に再び芽吹きます。

 

  • 場所
    日向から木漏れ日が当たる程度の明るい日陰、やや湿気のある環境を好みます。
    日陰では花つきが劣り、株も大きくなりません。

  • 極端に乾燥しやすい用土以外ならば特に選びません。
  • 水やり
    鉢植えの場合は、表土が乾いたら十分に与えます。
    庭植えの場合は、基本的に与えなくてかまいませんが、晴天が続き地面が乾いているようなら与えます。
  • 肥料
    庭植えの場合は、特に肥料を施す必要はありません。
    鉢植えの場合は、春に少量の緩効性化成肥料を株元に置き肥する程度。
    肥料が多いと葉ばかりが茂り、花付きが悪くなります。
  • 病虫害
    特になし。
  • 増やし方
    株分け、地下茎を盛んに伸ばすので簡単です。
    秋にタネをとって、2月ごろにまきます。

 

成長が早いので、休眠中の2月から3月に行い鉢植えは毎年植え替えます。

繫殖力が強いので、地植えの場合は地中を囲って置くのが良さそうです。


 

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