初夏になると、涼しげで爽やかな花を咲かせるアガパンサス。
艶やかに茂る葉の中から、すっと花首を立ち上げ、花火のような放射状の大きな花を咲かせる様子は華やかで存在感が抜群。
公園や道沿などでも見かけるので、育てやすく丈夫な植物のようです。
南アフリカが原産地で、アフリカンリリーとも呼ばれてます。
和名では、君子蘭(クンシラン)に似ていることから「紫君子蘭(ムラサキクンシラン)」。
目次
アガパンサスの特徴や様子(蕾~開花~果実・種) 種類や育て方
アガパンサスは、南アフリカを原産地とするユリ科の多年草。
アガパンサスの特徴
アガパンサスは、南アフリカに10~20種ほどの原種が自生し、交配などにより300以上の園芸品種が育成されています。
冬でも葉が枯れない常緑種と、冬になると地上部が枯れる落葉種があります。
草丈は、1mを超える大型種から、鉢植え栽培しやすい30~40㎝程度の小型種まで。
花色は、淡青紫を基調としていますが、ほかに白色や濃青紫色などがあります。
アガパンサスは放っておいても毎年花が咲くほど丈夫で、ガーデニング初心者もトライしやすい植物。
名前の由来は、ギリシャ語で愛を意味する「agape(アガペー)」と、花を意味する「anthos(アンサス)」が合わさって付けられています。
学名:Agapanthus africanus
科・属名:ユリ科/アガパンサス属
別名:紫君子蘭(ムラサキクンシラン) 、アフリカンリリー
原産地:南アフリカ
開花時期:5月下旬~7月
花色:白、紫、青、複色
花言葉:「恋の訪れ」「ラブレター」「恋の季節」など
6月半ばに見かけたアガパンサスの花の様子(花・蕾・葉)
6月15日に撮影したものです。(場所:九州西部)
アジサイと同じく梅雨の花として知られています。
白いアガパンサスの花も咲いていました。
小さなユリのような花を長い茎先に直径15cmほどの散形花序を出し、20~30個の花を放射状に咲かせます。
海辺に咲くアガパンサスの花。
花は外側から内側へと順に咲くようです。
花期の葉の様子。
根際から生えるつややかな葉(根出葉)は、わさわさと茂っています。
幅2~4cm、長さ20~50cmの線形。
一つ一つの花はユリに似たラッパ状。花びらは6枚。
花冠は直径2.5~5㎝の漏斗形(ラッパ状)で先が6深裂します。
雄しべは6本、雌しべ1本。
アガパンサスの蕾。苞が割れて蕾が現れた状態。
色づいた蕾。
7月に見かけたアガパンサスの果実
7月15日
花が終わると果実を付け始めます。
果実は3室ある朔果(さくか)。
成熟すると乾燥して裂開し種子を放出させます。
アガパンサスの種
9月8日
アガパンサスの果実は、秋に熟します。
種子には翼があります。
種を見たらついつい育てたくもなりますが、種から育てると、開花まで3~4年かかると言われてますよ。
冬のアガパンサスの様子
1月2日
九州でも寒い冬ですが、葉は青々と元気です。
アガパンサスの品種
アガパンサスは、背丈が低いものや八重咲など個性的な品種がいくつかあります。
- 超巨大輪「紫宝殿」
- 濃い青紫の花「紫式部」
- 純白の花「ジューン・ブライド」
- 花を下向きにつける「イナペルツス」
- 初夏と秋の2度咲く「秋の空」
- 白から青へ変化する「ツイスター」
- 純白の八重咲「ダブル・ダイヤモンド」
- 斑入り葉 白色の花「ゴールデン・ドロップ」
- 小型の品種「リリプット」
アガパンサスの育て方
アガパンサスは、道路沿いや公園などにもよく植えられており、放っておいても毎年花を咲かせるほど丈夫な植物です。
ただ、南アフリカが原産地のアガパンサスは、過湿が苦手な植物なので基本で乾燥ぎみの土壌で育てます。
また、日当たりを好み、日陰では花つきが悪くなります。
花後は、種を取らない場合は、花茎の付け根から花も含めて切り落とします。
- 場所
日当たりと風通しの良い水はけのよい環境を好みます。
乾燥気味に育てることがポイントです。 - 水やり
地植えの場合は、よほど乾燥しない限り天候に任せる。
鉢植えの場合、土の表面が乾いていたら水やりをします。 - 増やし方
株分け、挿し芽、種の採取で増やすことが可能です。 - 肥料
4~5月と9月末~10月にそれぞれ1回ずつ追加で肥料を根元におきます。 - 病害虫
ほとんど心配ありません。