ヒコダイは、8月中旬から9月にかけて、小さな丸いむらさき色の花を風になびかせます。
なかなか見る機会がなかったのですが、今回ヒゴタイをゆっくりと観察できました。
見れば見るほどトリコになってしまいそうな愛らしさです。
目次
ヒゴタイってどんな花?
『ヒゴタイ』は、日当たりの良い山野に生えるキク科ヒゴタイ属の多年生植物。
その仲間は世界に120種ほどあると言われています。
学名:Echinops setifer
和名:平江帯、肥後躰
分布:本州(愛知県、岐阜県、広島県)、九州の特定箇所に分布。国外では朝鮮半島に分布。
開花時期は8〜9月頃。
高さ:1メートルほど、
上部で少し枝を分け、花茎の先に花をつけます。
小さな筒状の花が集まったボール状の花径5センチほど花を咲かせます。
花言葉は「実らぬ恋」。
※ 野生種は急減し、環境省の「レッドデータブック」には「絶滅危惧種」に分類されてる植物です。
ヒゴタイは、大陸系の遺存(残存)植物
ヒゴタイは、日本が大陸と地続きだった頃の植物で、氷河期時代の生き残りとも言われています。
氷河期の頃、中国大陸や朝鮮半島と陸続きだった頃に分布していた植物と考えらる大陸系の遺存(残存)植物。
(阿蘇など、冷涼な気候と草原という条件の良い環境に適応しているらしい。)
江戸時代に記述されてるヒゴタイ
貝原益軒の「大和本草(やまとほんぞう)」(1709年)には、「平行帯(ひんこうたい),花るり色なり,葉は敗醤(おみなえし)に似たり」と記されています。
「大和本草」は、貝原益軒の本草書で、生物学書であり農学書。
なぜ丸いヒゴタイに平行帯と名前が付いたのかは、調べてみてもわかりませんでしたが、
学名の「Echinops setifer 」のエキノプスは、ハリネズミに似ているという意味だそうですよ。
ヒゴタイの花のようす
可愛らしい小さなつぼみ。
大きくなってきたまん丸のつぼみ。
トゲトゲがいっぱいなボールのよう。くす玉? 触ると固いです。
随分色づいています。
濃い紫 多数の小花の集まり。
枯れはじめ?
一部茶色になっています。
種がたくさん出来ています。
茶色のボールは、枯れたヒゴタイ?
しばらくはこのままでしょうか。
ヒコダイの葉のようす
アザミを大きくしたような葉で、短い刺状のある鋸歯があります。葉は互生。
トゲトゲがあるので触ると痛いです。
ヒコダイによく似た花で、「ルリタマアザミ(瑠璃玉薊)」という花があります。
姿かたちは似ていても、ルリタマアザミの葉は柔らかいそうです。
ヒゴタイの見どころ~九重町田野のタデ原湿原
「タデ原湿原」は、九重連山の麓に広がる標高1000m以上の湿原。
中間湿原としては国内最大級の面積があり、貴重な湿原植物が群生しています。
木道があり、散策ルートが整備されています。
ヒゴタイの見ごろ:8月~9月。
初秋には、高原の爽やかな風が吹いていて、ススキの草原とヒゴタイのコラボを見れました。
タデ原湿原に隣接している「長者原ビジターセンター」では開花状況など旬な自然情報などを知ることができますよ。
お問い合わせ:0973-79-2154(長者原ビジターセンター)
アクセス:🚗大分自動車道九重ICから車で約30分
🚃豊後中村駅下車 牧ノ戸・筋湯温泉行きバス約45分、長者原下車すぐ
HP:http://kujufanclub.com/
ヒゴタイの見どころ~産山村のヒゴタイ公園
「ヒゴタイ公園」は、熊本県北東部の産山村にある山野草の公園。
四季折々の花と、壮観な阿蘇くじゅう国立公園の風景が望めます。
公園の一角には、ロッジや常設テントを備えたキャンプ村があります。
ヒコダイの見頃:8月中旬から9月中旬頃。
黄色のオミナエシと紫のヒゴタイのコラボがステキでした。
追記
雄大な景色がとても素晴らしい場所です。
ヒゴタイ公園の様子は、こちらにも書いています。
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お問い合わせ:0967-25-2777
営業時間:8:30~17:00
入場料:一般:300円 小・中学生:200円 団体(20名様以上):200円(7月中旬~10月中旬)
アクセス:🚗熊本ICから車で約1時間30分/九重ICから車で約50分
🚃JR宮地駅より30分
HP:http://higotai.ubuyama.com/