「キバナコスモス(黄花コスモス)」と「オオキンケイギク(大金鶏菊)」は、コスモスに似た黄色い花で、どちらも野原や道端でもよく見かける植物です。
似たような花を咲かせる植物ですが、オキンケイギクは初夏に見頃を迎え、キバナコスモスは夏の終わり〜秋に見頃を迎えます。
花は似ていますが、葉を見ると違いがよくわかります。
目次
キバナコスモス(黄花コスモス)とオオキンケイギク(大金鶏菊)の違い・見分け方
- 「キバナコスモス(黄花コスモス)」
キク科・コスモス属。
メキシコ原産の多年草または一年草。
花色は黄色のほか、オレンジ色や朱赤色などがあります。
別名:キバナアキザクラ(黄花秋桜) イエローコスモス。
- 「オオキンケイギク(大金鶏菊)」
キク科・ハルシャギク属。
北アメリカ原産の多年草。
観賞用として輸入された、鮮やかな黄色の花ですが、繁殖力が強く、在来の植物の生育場所を奪うことがあるため、特定外来生物に指定されています。(法律で栽培が禁止されている植物)。
開花時期の違い
上の写真は、
9月の半ば、野原で咲いていたキバナコスモスの花。
5月の後半、麦秋を背景に道沿いで咲いていたオオキンケイギクの花。
春から花が見られるのは、オオキンケイギク。
キバナコスモスは、コスモスよりは早めの開花で夏から秋に見頃を迎えます。
- キバナコスモスの開花時期:夏〜秋。
- 大キンケイギクの開花時期:初夏。
花の違い
どちらもコスモスに似た花で、茎の先端に1つの花を付ける頭状花。
直径5㎝~7㎝程。
筒状花と舌状花からなる似たような花ですが、花びら(舌状花)の先の切れ込みの形が違います。
- オオキンケイギクは、花びら(舌状花)の先の切れ込みがギザギザしている。
- キバナコスモスは、花びら(舌状花)の先の切れ込みが少ない。
葉の違い
キバナコスモスとオオキンケイギクは、葉の形が全く違います。
キバナコスモスの葉は、鳥の羽根のような複葉ですが、オオキンケイギクは長くて細い形をしています。
- キバナコスモスの葉は、羽状に細かく切れ込む形。(羽状複葉)。
- オオキンケイギク葉は、細長いへら状の形。
成長がすすんだ葉は、3~5枚の裂片に分かれます。
キバナコスモス(黄花コスモス)の特徴や様子
「キバナコスモス(黄花コスモス)」は、メキシコ原産のキク科コスモス属の一年草。
コスモスとは違う植物ですが、コスモスの仲間であること、花の色が黄色やオレンジしかなかったことから「キバナコスモス」と呼ばれるようになりました。
園芸品種も多く、八重花や半八重、クリーム色やオレンジ、緋色の花などの品種が育成されています。
繁殖力が旺盛で野生化しているものも多い。
開花時期が長いのも特徴。
科・属名: キク科・コスモス属
原産地 :メキシコ
開花期 :夏〜秋
花の色: 黄色、オレンジ、赤
別名:キバナアキザクラ(黄花秋桜)、イエローコスモス
よく見かけるキバナコスモス。
オレンジ色の一重咲き。
黄色とオレンジのキバナコスモスが一緒に咲いていました。
一重咲きのキバナコスモスの花は、花弁が8枚。
キク科特有の頭状花で、舌状花(8枚)と中心部の筒状花。
花色がさまざまで見ごたえがあります。
ビタミンカラーで、秋の青空に映えます。
花の色は淡い黄色から濃い黄色、オレンジ系、赤っぽいものなどまで。
コスモスが見頃の時期に咲いていましたが、コスモスと比べると野生的な印象です。
八重咲きの品種も美しい。
オオキンケイギク(大金鶏菊)の特徴や様子
「オオキンケイギク(大金鶏菊)」は、北アメリカ原産のキク科、ハルシャギク属の多年草。
明治時代に鑑賞や緑化用に導入されたものが、野生化し全国的に広がったようです。
野原や道端、河川敷、線路際などの荒地で見かけます。
とても強靱で繁殖力が強い植物。
特定外来生物に指定され、栽培・補完・運搬・輸入・植栽が禁止されてます。
名前の由来は、花の色を「金鶏(黄色の鳥)」に見立てたと言う説や金色に輝き、花の形が鶏の鶏冠(とさか)に似ているからと言う説があります。
科・属名: キク科・ハルシャギク属
原産地 :北アメリカ
開花期 :5〜7月
花の色: 黄橙色
花言葉:「いつも明るく」「きらびやか」「上機嫌」「陽気」「新鮮で華やか」
八重咲きも多く見かけます。
花びら(舌状花)の色は黄橙色で、花の中央部(管状花)も同じ色。
花びらの先端には不規則に4~5つのぎざぎざがあります。
葉は爽やかな緑。
幅は1㎝前後の細長いへら状の葉。
葉の両面には荒い毛が生えています。
高さは30㎝~70㎝程度。
オオキンケイギクについては、こちらにも書いています。
☟
ハルシャギク(波斯菊)
「ハルシャギク(波斯菊)」は、オオキンケイギクの仲間。
オオキンケイギクと同じくキク科、ハルシャギク属です。
花の中央部が赤くなっているのが特徴的。(舌状花は先端側が黄色で基部が紫紅褐色)。
日本には明治初期に渡来し、観賞用に栽培されていましたが、半ば野生化しています。
こちらも空き地や道端などに生える、生命力の強い帰化植物ですが、特定外来生物には指定されていません。
名前の由来は、「ハルシャ(波斯)」はペルシャのこと。
蛇の目模様に見えることから、別名でジャノメギク(蛇目菊)やジャノメソウ(蛇目草)とも呼ばれます。
科・属名: キク科・ハルシャギク属
原産地 :北アメリカ
開花期 :6~9月
花言葉:「いつも陽気」「一目惚れ」
葉は細い羽状複葉で対生につきます。