「テッポウユリ(鉄砲百合)」と「タカサゴユリ(高砂百合)」は、ラッパ状の大きな白花を咲かせます。
色も形もよく似ているユリですが、開花時期の違いや葉の形で見分けられそうです。
目次
テッポウユリとタカサゴユリの違い・見分け方
「テッポウユリ(鉄砲百合)」・「タカサゴユリ(高砂百合)」は、ユリ科ユリ属の多年生植物。
- テッポウユリ(鉄砲百合):日本固有種(南西諸島や九州南部が原産)。
別名:リュウキュウユリ(琉球百合)。 - タカサゴユリ(高砂百合):台湾原産の帰化植物。
別名:タイワンユリ(台湾百合)、ホソバテッポウユリ(細葉鉄砲百合)。
テッポウユリ(鉄砲百合)・タカサゴユリ(高砂百合)の花の違い
「テッポウユリ(鉄砲百合)」・「タカサゴユリ(高砂百合)」は、どちらもラッパのような形の筒状の白花。
6枚あるように見える花弁は根元でつながっています。
雄しべが6個、
雌しべの先端に膨らんだ花柱がついています。
タカサゴユリ(高砂百合)は、花の外側に紫色の筋が入りるのが特徴ですが、テッポウユリとの交雑や変異も多く、紫色の筋が入らない種類もあります。
(花弁に紫色の筋が入るタカサゴユリの花と蕾)。
花だけみると、よく似ていて見分けが難しいですが、開花時期が違います。
テッポウユリ(鉄砲百合)は、6月頃に開花し、タカサゴユリ(高砂百合)は、8月頃の開花です。先にテッポウユリが咲き出します。
タカサゴユリは、夏の暑い盛りやお盆の頃に、野外でよくみかけます。
高速道路の法面などでも群生しています。
テッポウユリ(鉄砲百合)・タカサゴユリ(高砂百合)の葉の違い
タカサゴユリ(高砂百合)は、別名、ホソバテッポウユリ(細葉鉄砲百合)と言われるように、テッポウユリより葉が細い。
テッポウユリの葉は、幅2〜3cmの披針形。
タカサゴユリの葉は、幅0.5~1cmの線形~狭披針形。
タカサゴユリは、全体的にもテッポウユリに比べて華奢で野生的な感じです。
タカサゴユリは野原で風にユラユラ揺れていますが、テッポウユリはしっかりした感じで落ち着いた印象です。
テッポウユリ(鉄砲百合)の特徴
科・属名 :ユリ科・ユリ属
原産地 :日本
開花期: 6~7月
別名:リュウキュウユリ(琉球百合)
花言葉:「純潔」「甘美」「威厳」
テッポウユリ(鉄砲百合)は、庭植えや切り花によく利用されています。
冠婚葬祭でもよく用いられる純白のユリで、優しい甘い香りがします。
テッポウユリは日本原産ですが、江戸時代に日本を訪れていたドイツ人医師のシーボルトによってヨーロッパに紹介されました。
英名は、「イースターリリー(Easter lily」。
キリスト教のイースター(復活祭)の儀式に使用されています。
名前の由来は、花の形が昔の鉄砲に似ているユリであることから。
また、ユリという名は、茎が細くて花が大きいために自然に風に揺れるため「揺すり」と呼ばれ、その後「ゆり(ユリ)」に変わったと言われます。
5月の終わりに庭で咲いたテッポウユリ。
純白で美しいユリ。
丈夫で育てやすい。
黄色の花粉がたくさんついています。
タカサゴユリ(高砂百合)の特徴
科・属名: ユリ科・ユリ属
原産地: 台湾
開花期 :7~9月
別名 :タイワンユリ(台湾百合)、ホソバテッポウユリ(細葉鉄砲百合)
花言葉:「威厳」
タカサゴユリは、台湾から入ってきて野生化した外来種。
野原、荒地などに生えています。
大正時代に観賞用として日本に入ってきましたが、繫殖力がつよく野生化しています。
名前の由来は、沖縄の方言で台湾を指す言葉「タカサング」に由来すると言われています。
8月の終わりに、野原で見かけたタカサゴユリ。
野生化しているとはいえ可憐です。
茎頂に1~5個の、筒状の細長い花をやや下向きにつけます。
外側には少しくすんだ紫色の線。