フゲンゾウ（普賢象）は、ソメイヨシノ（染井吉野）が散った後に咲く遅咲きの桜で、ボリュームがある大きな八重の花を咲かせます。
花色は蕾の時は濃いピンク色、開花した時は淡いピンク色で、咲き進むにつれて白っぽい花になります。グラデーションに咲く様子は美しく、花色を楽しめる優美な八重桜です。
フゲンゾウ（普賢象）の特徴や様子 似ている八重桜
長崎県諫早市「本明川桜づつみ」にて。
フゲンゾウ（普賢象）
花は八重、淡紅色で満開になると白。
室町時代から知られており、めしべの先端が曲がったようすを普賢菩薩ののってるゾウの鼻にたとえた。（バラ科）。
フゲンゾウ（普賢象）の特徴
バラ科・サクラ属の耐寒性落葉高木。
日本原産の栽培品種のヤエザクラで、オオシマザクラ（大島桜）を基に生まれたサトザクラ群のサクラです。
別名：フゲンドウ（普賢堂）、シロフゲン（白普賢）。
室町時代から栽培記録がある古い品種ですが、現在も広く栽培されています。
花は大輪の八重咲で、花径は４～５㎝、花弁は20～50枚。
花色は淡紅色で後に淡灰白色になります。
葉は開花と共に展開し、赤紫がかった茶色。
徐々に緑になり、秋には紅葉します。
2本の葉化雌蕊（雌しべが葉状に変化したもの）を持つのが特徴で、名前の由来にもなっています。
学名：Cerasus Sato-zakura Group ‘Albo-rosea’ Makinoｍ
科・属名：バラ科・サクラ属
別名：フゲンドウ（普賢堂）、シロフゲン（白普賢）
原産地：日本
花言葉：「しとやか」
樹形：傘状
花形：八重咲
花の大きさ：大輪
樹高：高木
花色：淡紅色～淡灰白色
開花時期：４月中旬〜下旬(※気候や風土によって誤差はあります。)
フゲンゾウ（普賢象）の仲間
「ベニフゲンゾウ（紅普賢象）」は、フゲンゾウ（普賢象）のうち紅色が濃い変種。
「スマウラフゲンゾウ（須磨浦普賢象）」は、フゲンゾウの枝変わりの突然変異で生まれた珍しい品種。開花直後は黄緑色で、咲き終わりには中心部からピンク色に変わるのが特徴。
フゲンゾウ（普賢象）の様子
大輪の八重咲きを花をたわわにつけます。
花色のグラデーションがとても綺麗な桜。
蕾の色は濃いめのピンクで、花は淡いピンク、やがて白へ。
開ききるまでの間、色々な花姿を見せてくれます。
紅白の花のよう。
花弁が折り重なるさまもゴージャスです。
蕾と咲き進んだ花。
蕾の様子。
紅色のくしゃくしゃとした花弁の中央からは、２本の雌しべが飛び出してるように見えます。
フゲンゾウ（普賢象）は、中央にある葉化した雌しべが二本突きだし、象の鼻牙（または牙）に見えることから名前が付けられています。
雌しべは緑色の２個の小葉。
雄しべは20～23個。
結実はしない。
花の中央の変わり葉（雌しべが変化したもの）の様子。
２本の雌しべは、緑色をした小さな葉になっています。
このように花の雌しべが、緑色の葉のようになることを「葉化雌しべ 」と呼ぶそうです。
若芽の様子。
普賢象の若芽は赤みを帯び、開花と同時に開きます。
葉は楕円形～倒卵形。
細かい鋸歯があり、先端が尖っている尾状鋭尖形。
互生。
成葉は長さ８～１４cm、幅４～８cm。
赤味を帯びた葉は徐々に緑になり、秋には紅葉します。
フゲンゾウ（普賢象）に似た八重桜 「ショウゲツ（松月）」
フゲンゾウ（普賢象）と同じ時期に見頃を迎えていたショウゲツ（松月）の花。
ショウゲツ（松月）は、淡紅色の大きな花を咲かせ、フゲンゾウ（普賢象）の花とよく似ています。
どちらもオオシマザクラ（大島桜）を基に生まれた栽培品種のサトザクラ群のサクラ。
樹形も同じく傘状ですが、ショウゲツ（松月）は、フゲンゾウ（普賢象）ほど高木にはならないようです。
ショウゲツ（松月）の若芽は黄緑色で、花より少し遅れて展葉します。
花弁の色は淡紅色。
花の端が赤く中心は白い大輪の八重咲き。
花弁数は20～30枚。
ショウゲツ（松月）の花は、透明感を感じさせるとても美しい花。
花の中央は、フゲンゾウ（普賢象）と同じく緑色の葉のような「葉化雌しべ 」を持ちます。
葉化雌しべの数は、1本のものと2本のものがまちまちのようです。
学名：Cerasus serrulata ‘Superba’
科・属名：バラ科・サクラ属
原産地：日本
樹形：傘状
花形：八重咲
花の大きさ：大輪
樹高：亜高木（高木と低木の中間）
花色：淡紅色
開花時期：４月中旬〜下旬(※気候や風土によって誤差はあります。)
