蔦紅葉 (ツタモミジ) ナツヅタの特徴や紅葉の様子

蔦紅葉 (ツタモミジ) ナツヅタの紅葉
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ツタの紅葉はとても美しく、蔦紅葉 (ツタモミジ) と呼ばれています。

秋に紅葉するツタは、ブドウ科の「夏蔦(ナツヅタ)」で、紅葉の時期には、色づき始めた小さなブドウのような実もみられます。
一方、冬でも常緑で落葉しないツタは、ウコギ科で「冬蔦(フユヅタ)」と呼ばれ、秋〜冬に花を咲かせ、その後小さなドングリみたいな実を放射線状につけます。

夏蔦(ナツヅタ)は、紅葉の鮮やかさから「錦蔦(ニシキヅタ)」「紅葉蔦(モミジヅタ)」の別名があり、樹液から甘味料が採れることから「甘蔦(アマカヅラ)」とも呼ばれます。

美しい蔦紅葉 (ツタモミジ) 夏蔦(ナツヅタ)の特徴や紅葉の様子

大きく育った夏蔦(ナツヅタ)、秋の紅葉の様子。

夏蔦(ナツヅタ)の特徴

北海道から九州まで広く分布するブドウ科ツタ属の落葉蔓性木本。
葉が変化した巻きひげ状の吸盤で、壁や樹木を這いながら伸長します。
山林や道端などに自生しますが、壁面緑化や生垣などでよく用いられています。

葉は広卵形で光沢があり3浅裂、葉縁にまばらな鋸歯があり、秋に紅葉します。
花は6~7月頃、短枝の先に複集散花序を作り、黄緑色の小さな五弁花を咲かせます。
果実は球形の液果で、秋から冬にかけて藍黒色に熟します。

 

学名:Parthenocissus tricuspidata
別名:ツタ(蔦)、ニシキヅタ(錦蔦)、モミジヅタ(紅葉蔦)、アマカヅラ(甘蔦)、ジャパニーズアイビー
原産地:日本、朝鮮半島、中国
開花場所:6~7月
花言葉:「永遠の愛」「結婚」

 

夏蔦(ナツヅタ)の紅葉の様子

夏蔦(ナツヅタ)の観賞期:10月〜12月。
モミジや楓の紅葉とは一味違う趣があります。

壁面をカラフルに彩る夏蔦(ナツヅタ)。

葉は、赤・オレンジ・赤ワイン色に紅葉し、まだらな感じも綺麗です。

葉の大きさも様々。

日当たりの良いところでは、紅葉が進んでいますが、日陰では緑の葉も多くみられる。

葉の形は、卵形もしくは円形、浅く3裂し、先端は鋭く尖ります。
ツタの葉をモチーフとした家紋は広く用いられ、十大家紋の一つに挙げられています。

ツタは、美しさ、上に這いあがる逞しさ、葉を多く繁らせることが「子孫繁栄」を連想させ、家紋として使用されるようになったと言われています。

ツタの茎は基本的には自立せず、吸盤がある巻きヒゲと、樹皮から出す気根で、樹木や壁面にしっかりと付着します。

紅葉の時期に色づくツタの実。
果実は液果。
1センチ弱の球形で、白粉を帯びた青色から紫色。
種子は長さ4〜5mmの倒卵形。

小さなブドウのような実ですが、食用には適さないとされます。

 

初冬の夏蔦(ナツヅタ)

12月の半ばの様子。
葉は残り少ない。

実は熟し、黒っぽくなっています。

夏蔦(ナツヅタ)の落ち葉。

 

山でみかけた夏蔦(ナツヅタ)の紅葉

山では、木をよじ登っていく夏蔦(ナツヅタ)をみかけます。
赤く紅葉している葉は、色形といいとても綺麗で目につきます。

夏蔦(ナツヅタ)は、林縁や明るい林内に自生し、吸盤のある巻きひげをだし、岩や高木にも登っていきます。

円盤状の吸盤を吸着させて茎を固定しています。

フユヅタ(冬蔦)も山でよく見かけますが、茎から多数の白い根を出して体を固定してます。
フユヅタ(冬蔦)はキヅタ(木蔦)と名があり、森林、野山に自生し、冬でも深緑色の葉をわさわさ茂らせます。

フユツタ(冬蔦)の実の写真

キヅタ(冬蔦)の実は小さなどんぐりみたい?

2020-02-15