ソバの花の様子とソバの花に似た植物

吉野ヶ里のソバ畑の写真
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「ソバ(蕎麦)」は、秋になると茎先に素朴で可愛らしい小さな花をたくさんつけます。
一面に白い花が咲くそば畑の風景は美しく、秋の風物詩になっています。

ソバは白の他にも、ピンクや赤の花を咲かせる種類の「アカソバ(赤蕎麦)」もあります。

同じ季節に、ソバの花に似てる植物やソバの名が付いてる植物も、小道や空き地でよく見かけます。

ソバ(蕎麦)の花の様子 (白い花 赤い花)

白い花がたくさん咲いてるソバ畑の写真

派手さはありませんが、なんとも言えない風情があるソバの花。
満開時のソバ畑は、雪が舞ったような幻想的な景観へ。

ソバの花のアップ写真

ソバ(蕎麦)は茎先に総状花序を出し、花径6ミリほどの白小さな花をたくさんつけます。
花びらのように見えるのは萼片(がくへん)で、普通は5枚。
雄しべは8本、雌しべの花柱は1本で、先が3裂。

草丈は60~130cmほど。
葉は三角形ないし心形で、互い違いに生える(互生)。

種子は古くから穀物として利用されて、縄文時代には栽培されていたと言われます。

 

学名:Fagopyrum esculentum
科・属名:タデ科・ソバ属
別名:和蕎麦(ワソバ)、甘蕎麦(アマソバ)、ファゴフィーラム
原産地:中国南部
開花時期:4~5月/9~10月
花言葉:「幸福」「懐かしい想い出」「喜びも悲しみも」「あなたを救う」

 

赤い花を咲かせる「アカソバ(赤蕎麦)」

アカソバの花のアップ写真

赤い花を咲かせる「アカソバ(赤蕎麦)」。
濃いピンクがとても鮮やかで、思わず見とれてしまう美しさがあります。

タカネルビ(高嶺ルビー)と呼ばれる品種で、ネパール原産の「アカバナソバ」をもとに、日本で品種改良されたものだそうです。

別名:「赤花蕎麦(アカハナソバ)」、「紅花蕎麦(ベニバナソバ)」。

アカソバの群生の写真

咲きはじめは淡い紅色で、気温が低くなるにつれて色が濃くなっていくようです。

淡いピンクの花。

 

学名:Fagopyrum esculentum
科・属名:タデ科・ソバ属
別名:赤花蕎麦(アカハナソバ)、紅花蕎麦(ベニバナソバ)
原産地:ヒマラヤ地方
開花時期:9~10月
花言葉:「あなたを救う」

 

ソバ(蕎麦)の花に似た花・「ミゾソバ(溝蕎麦)」

空き地に生えてたミゾソバ(溝蕎麦)の写真

ミゾソバ(溝蕎麦)」は、日本・中国・朝鮮半島を原産とするタデ科・イヌタデ属の一年草。
日当たりの良い湿地や田んぼやあぜ道に自生しています。
水のある場所を好む性質があり、溝に生えるソバに似た草の意味からの命名。

他にも花の形から「コンペイトウグサ」などと呼ばれたり、
葉の形が牛の額に似ていることから、「牛の額」とも呼ばれています。

ミゾソバ(溝蕎麦)の花のアップ写真

枝先に球状の花序を出し、直径4~7mmの白色~淡紅色の小さな花をかたまってつけます。

花びらに見えるのは萼片(がくへん)で5枚。先端の紅色が濃くなります。
雄しべは8本、雌しべの花柱は1本で、先が3裂。

葉は、卵状で基部が左右に出るほこ形で互い違いにつく(互生)。
茎や葉には、ザラザラとした刺状の毛が生えてます。

まるでコンペイトウのように見える可愛い花。

飢饉の際には「救荒植物」としても利用されてました。

新芽や柔らかい葉を、塩を入れた熱湯で茹でて、水に浸してアク抜きをしてから、お浸し、胡麻和え、佃煮、油いためなどで食べられます。

 

学名:Persicaria thunbergii
科・属名:タデ科・イヌタデ属
原産地:日本、アジア北東部
花期:7~10月
花言葉:「純情」

 

ミゾソバ(溝蕎麦)の花

ミゾソバ 金平糖のような美しい花を咲かせる雑草

2022-12-08

 

ソバ(蕎麦)の花に似た花・「シャクチリソバ(赤地利蕎麦)」

水辺に生えていたシャクチリソバ(赤地利蕎麦)の群生の写真

シャクチリソバ(赤地利蕎麦)」はインド北部などを原産とするタデ科ソバ属の多年草。
ソバに似た白い小花を咲かせます。

薬用植物として導入されたそうですが、現在では道端や草原などに野生化してます。
生薬名の赤地利(しゃくちり)の漢名を日本語読みにして、花が蕎麦(ソバ)に似ることからの命名。

インドやチベット高地原産のソバで、「ヒマラヤソバ」、
ソバが一年草であるのに対し、本種は多年草であることから「宿根ソバ」と呼ばれることもあります。

シャクチリソバ(赤地利蕎麦)のアップ写真

茎の頂部に小さな花を多数咲かせます。
花は直径4〜6mm。
花びらのように見えるのは5深裂した萼片(がくへん)。
雄しべ8の葯は赤。

葉は、丸みをおびた三角形で、長い柄があって互い違いに生える(互生)。

多年草で、種だけでなく地下茎でも芽を出します。

若葉は食べることができ、塊根は生薬として使われます。
明治時代には「野菜ソバ」の名称で宣伝されたこともあったそうです。

 

学名:Fagopyrum cymosum
科・属名:タデ科・ソバ属
別名:シュッコンソバ(宿根蕎麦)、ヒマラヤソバ
原産地:インド北部ヒマラヤ地方~中国中南部
花期:9~11月
花言葉:「懐かしい想い出」「あなたを救う」

 

ソバ(蕎麦)の花に似た花・「ツルソバ(蔓蕎麦)」

海岸近くに生えていたツルソバ(蔓蕎麦)の写真

ツルソバ(蔓蕎麦)」は、東アジア原産のタデ科イヌタデ属の蔓性多年性の野草。
暖かい海岸近くの林や草地に自生してます。

ソバに似た白い小花を、晩春~初冬の長期間咲かせます。

ツル(蔓性)植物であること、ソバの花に似ていること、果実がソバの果実に似ていることからの命名。

ツルソバ(蔓蕎麦)の花のアップ写真

茎頂や葉腋に花序を作り、芳香がある白色の花をまとめて咲かせます

花は直径3〜5mm。
花びらのように見えるのは5深裂した萼片(がくへん)
雄しべは8本、雌しべ1本。

葉は先が尖った卵形〜楕円形で互い違いに生える(互生)。

 

学名:Persicaria chinensis
科・属名:タデ科・イヌタデ(サナエタデ)属
原産国:日本、東アジア
花期:花期は5~11月
花言葉:「いつもそこに」

ツルソバ(蔓蕎麦) 小さな白い花と黒っぽい実をつける野草

2021-01-26

ソバ(蕎麦)の花に似た花・「ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)」

花壇に植えてるヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)の花

ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)」は、ヒマラヤ地方の原産のタデ科イヌタデ属(ペルシカリア属)のつる性多年草。
ヒマラヤからロックガーデン用に日本に導入されたようです。

繁殖力が強く、今では草地や石垣などあちこちで野生化しています。

コンペイトウのような花。
花は白っぽい物~ピンク色で小さいものが球状に集まった形をしています。

ツルソバ(蔓蕎麦)に似ていて、そして花が小さいことから名付けられました。

ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)のアップ写真

茎の先端に、淡紅紫色の花被片の小花が直径1cmほどに球状に固まった花序。

花びらに見えるのは長さ2mmほどの萼片(がくへん)です。
雄しべは6~8本、花糸は白、葯は赤茶色で、雌しべは1本で柱頭は3裂。

葉は先端の尖った卵形、葉身には紫色の山形の斑が入り、秋になると赤く紅葉します。

地面に這いつくばりながら長期間に渡って開花し続けます。
園芸店でも売られてる可愛い花ですが、庭などに植えるとあちこち増えてやや困りものです。

 

学名:Polygonum capitatum(Persicaria capitata)
科・属名:タデ科・イヌタデ属(ペルシカリア属)
別名:ポリゴナム、カピタツム、カンイタドリ(寒虎杖)
原産国:ヒマラヤ
花期:4月~11月
花言葉:愛らしい」「気が利く」「思いがけない出会い」

 

ヒメツルソバ(ポリゴナム)の紅葉の様子

ヒメツルソバ(ポリゴナム)の紅葉の様子

2021-12-01