セイバンモロコシ(西蕃蜀黍)は、大型の多年草で、空き地や草原、河川敷や道端に生える強靭な雑草です。
英語でジョンソングラスと呼ばれてます。
ススキと同じように大きな株をつくり、葉は長い線形で、白色の太い中央脈が目立ちます。
秋になると、ススキは銀白色の尾のような穂をつけますが、セイバンモロコシは赤茶色を帯びた円錐状の穂をつけます。
セイバンモロコシの特徴や様子 ススキとの違い
生命力が強く、刈ってもすぐに元通りに成長する「セイバンモロコシ(西蕃蜀黍)」。
ススキと草姿が似ますが、穂のようすに違いがあります。
セイバンモロコシの特徴
セイバンモロコシ(西蕃蜀黍)は、地中海原産のイネ科モロコシ属の多年生。帰化植物です。
1943 年に千葉県で初めて発見され、その後本州東北以南〜沖縄の各地に広がっています。
ススキのように束生して、大きな株を作ります。
草丈は0.8~2mになり、地下の根茎を伸ばして群生します。
花期:8月〜10月。
初夏から秋にかけて、 多数の小穂が茎先に円錐状に集まった花穂を出します。
穂は高さは、20〜50cm程度。
根茎、種子の両方で繁殖するため、畑地・牧草地の強害雑草となっています。
またセイバンモロコシは、小穂は芒があるものとないものが混ざりますが、小穂の芒が見えない品種に「ノギナシセイバンモロコシ (芒無西蕃蜀黍)」があります。
名前の由来は、西蕃(セイバン)は「西の方に住んでいる野蛮な種族、西方の蛮族、西域(せいいき)」の意味があります。
地中海原産のモロコシの意。
科・属名:イネ科、モロコシ属
別名:ジョンソングラス
原産地:地中海沿岸
草丈: 0.8m~2m
花期:8月~10月
花言葉:「唯我独尊」「他を圧して」
セイバンモロコシの様子
群生するセイバンモロコシ(西蕃蜀黍)。
茎は太く、多数の茎が群がって大きな株となり茂ります。
セイバンモロコシは、地下に横走する太い根茎があり、 一度生えると簡単には抜けないくらい深く根を張ります。
初夏から秋にかけて、茎の先に赤茶色の大きな穂をつけます。
茎頂に円錐花序をだし、多数の小穂があります。
花序は長さ15〜30cm、枝は1〜4個半輪生状に出て垂れ気味。
セイバンモロコシの花は風媒花なので、 花粉を空中にまき散らしイネ科花粉症の原因ともなってるようです。
小穂は有柄の雄性と、大きくてノギのある無柄の両性がセット。
白い綿毛のような雌しべ。
茎は、堅く平滑・無毛で光沢があります。
ススキよりも柔らかめな葉。
葉は互生し、長さ20〜60cm、幅1-2cmの線形で白い中肋が太くて目立ちます。
葉の裏側。
中脈は太く明瞭。
※モロコシとの雑種とともに牧草に利用されるが、若い茎葉などに青酸を含むことがあるので注意が必要であるとのこと。
果実が熟してくると苞頴(ほうえい)が黒褐色になり、光沢が増し、より硬くなります。
果実は長さ約3㎜。
セイバンモロコシの種子は、非常に軽くて風で散布されます。
多産性で、1個体あたり13,000粒以上の種子を付けることが報告されています。
セイバンモロコシとススキとの違い
「セイバンモロコシ(西蕃蜀黍)」と「ススキ(芒・薄)」は、大株になり野に群生し、細い葉をなびかせます。
見た目が似通っていて、特に穂が出てない時期は間違いやすい。
- セイバンモロコシは、イネ科モロコシ属の多年草。
- ススキは、イネ科ススキ属の多年草。
ススキの特徴
ススキは日本在来種で、北海道〜琉球の平地から山地までの日当たりのよい場所に群生します。
草丈は100〜20cm。
丈夫な地下茎を持ち、多数の葉を放射状に立ち上げ株立ちします。
花期は9~10月頃。
茎の先に20~30cmの長さで十数本の花穂をつけます。
花穂は「オバナ(尾花)」と呼ばれ、秋の七草の一つとされ、古くから日本人に親しまれてきました。
茎や葉は茅葺き屋根の材料や、家畜餌として利用されカヤ(茅・萱)と呼ばれています。
葉の違い
両方とも葉の真ん中に白い筋があり、葉の大きさも同じくらいです。
セイバンモロコシの葉は柔らかめで縁はざらつきませんが、ススキは葉はかたく縁がカギ状になっているので、ざらついて硬く、手が切れることがあります。
花穂の違い
セイバンモロコシは円錐状に集まって咲きますが、ススキは側枝をたくさんだして花を咲かせます。
ススキの穂は長さは、15~30cm程度。
多数の細長い総を一方に傾けた散房花序をつくります。
花穂は赤っぽい色をしています。
銀色に光る毛は、芒(のぎ)と呼ばれる部分で、白い毛が生えている種が風に乗って飛んでいきます。
ススキの花言葉は、「心が通じる」、「活力」です。