「ギョイコウザクラ(御衣黄桜)」は、ちょっと珍しいサクラで、八重咲の薄緑の花を咲かせます。
ピンクの華やかなサクラと違い、一見地味で目立ちませんが、グリーンの花弁に薄っすらとピンクが混り、なんともいえない上品な雰囲気を漂わせるサクラです。
ギョイコウザクラ(御衣黄桜)の特徴や様子
「ギョイコウザクラ(御衣黄桜)」は、バラ科・サクラ属の落葉中高木。
遅咲きのサクラで、見頃はソメイヨシノが散った後、4月中旬~下旬頃。
ギョイコウザクラ(御衣黄桜)の特徴
サトザクラと呼ばれるオオシマザクラ系の園芸品種です。
江戸時代に、京都の仁和寺で栽培されたのがはじまりとされます。
樹形は高木の盃状、花びらを10枚~15枚つける八重桜。
花は中輪で、緑色と黄色が混ざり花弁の中心に紅色の筋が入ります。
花が咲くのと同時に葉が展開します。
この緑色の花色は葉緑体によるもので、花も光合成を行ってるそうです。
「御衣黄(ギョイコウ)」という名前の由来は、楚々とした美しい風合いが貴族の衣服「御衣」の萌黄色(モエギイロ)に近いため。
学名:Cerasus lannesiana ‘Gioiko’
科・属名:バラ科・サクラ属
別名:五色桜・黄桜、緑桜・浅葱桜(アサギザクラ)・御祓(ミソギ)
樹高:5~10メートル
花言葉:「永遠の愛」「優美」「心の平安」「精神美」
ギョイコウザクラ(御衣黄桜)の花の様子
開花前の小さな蕾は薄っすら赤い。
葉も赤みがかっています。
互生、楕円形~倒卵状楕円形。
少し膨らんだ蕾のようす。
優しい色合いです。
もうすぐ開きそうな蕾。
黄色・黄緑・薄緑・赤などのグラデーション。
開花したギョイコウザクラ。
花弁の先端がやや反り返っている少し変わった咲き方です。
花の直径は4~5センチほどで、12~14枚ほどの花弁。
一見、葉が花になっているようにも見えます。
咲き進むにつれ色が変わります。
花びらにピンクやグリーンのストライプが入ってる、とっても珍しいサクラですよね。
上品な色合いが美しく見応えがあります。
赤く色づくギョイコウザクラ。
幹の様子。
ウコンザクラ(鬱金桜)も緑の桜
「ウコンザクラ(鬱金桜)」も緑がかった美しい花を咲かせるサクラ。
ギョイコウザクラ(御衣黄桜)と同じくオオシマザクラ系のサトザクラ。
開花時期は4月中旬~5月上旬ごろ。
ウコン色(鬱金色)と呼ばれる、淡黄緑色の花が特徴です。
花弁数は15~20枚程度で、大輪の八重咲。
花は開花が進むにつれ、赤みをおびてきます。
名前の由来は、ウコン(鬱金)の根の色のように黄色の花が咲くことから。
別名は、「美人桜(ビジンザクラ)」といい幸せを呼ぶ桜といわれています。
学名:Prunus lannesiana cv. Grandiflora
科・属名:バラ科・サクラ属
別名:黄金桜・黄桜・浅黄桜・右近の桜・美人桜
樹高:3~5メートル
花言葉:「優れた美人」
「ギョイコウザクラ(御衣黄桜)」と「ウコンザクラ(鬱金桜)」の違い。
ギョイコウザクラは、ウコンザクラよりも花の緑色が強く、花弁には厚みがあります。
また、ウコンザクラの方がギョイコウに比べて、花はやや大ぶりな印象です。
他の緑のサクラの品種
- 「スマウラフゲンゾウ(須磨浦普賢象)」は、 黄緑色の大輪八重咲き。
花弁数はギョイコウやウコンよりはるかに多く、神戸市の須磨浦公園で発見されたくサクラ。
- 「ニシナザオウ(仁科蔵王)」は、淡黄緑白色から淡黄ピンクへ色の移り変わりのある八重咲き。
ギョイコウに重イオンビームを照射して突然変異を誘発させてつくり出した新種。
- 「ソノサトキザクラ(園里黄桜)」は、フゲンゾウ の変種で黄緑色の大輪八重咲き。
- 「ソノサトリョクリュウ(園里緑龍)」は、黄緑色の大輪八重咲き。ソノサトキザクラの突然変異種と考えられてます。