松葉菊(マツバキク)と松葉牡丹(マツバボタン)は、松葉と名がつくように棒状の細い形の葉をもつ植物。どちらも地面をはうように成長します。
松葉菊(マツバキク)は、ツルナ科の植物で、花弁が細く菊のような形の光沢のある花を咲かせます。
松葉牡丹(マツバボタン)は、スベリヒユ科の植物で、花弁が広く牡丹を小さくしたようなふんわりとした花を咲かせます。
目次
松葉菊(マツバキク)と松葉牡丹(マツバボタン)の花の違い

- 松葉菊(マツバギク)
開花期:6月~9月。(デロスペルマ系)
花色:ピンク、赤、黄色、白、紫、オレンジ
花は4~6cmほどで、細長い花びらがたくさん並んだ姿。
花びらの表面には金属のような光沢があります。
花は朝に開き、夕方になると閉じます。
- 松葉牡丹(マツバボタン)
開花期:6月~9月。
花色:白、赤、ピンク、黄色など
花は3~6cmほどで、5弁花。
八重咲きのものもあります。
基本的には、太陽があたる時間帯だけ開花する一日花。
松葉菊(マツバキク)と松葉牡丹(マツバボタン)の葉の違い

- 松葉菊(マツバギク)
葉は長さ4~7cmの断面が三角形の松葉状で、多肉質で先が尖り、対生します。
草丈は10~30cm。
多年草で、茎は枝分かれをたくさんして木質化します。
- マツバボタン(松葉牡丹)
葉は長さ1~2.5cmの線状の披針形で、先は鋭く尖り、互生します。
茎先では輪生状になります。
草丈は5~15cm。
耐寒性が低く冬は枯れます。
松葉菊(マツバギク)の特徴や様子

松葉菊(マツバギク)は、南アフリカを原産とするハナミズナ科(ツルナ科)の多肉植物。
日本へは明治のはじめに渡来したとされます。
地面をはうように広がっていくことから、グランドカバーやロックガーデンにも利用されます。

いろいろな交配種のマツバギクも出回っておりますが、よく目にするのが濃い桃色の花を咲かせる「レイコウ(麗晃)」。
「耐寒性マツバギク」との名もあり、寒さに強い常緑多年草です。

花弁のように見えるのは、雄しべが変化した仮雄蕊(かゆうずい)です。
仮雄蕊(かゆうずい)=花粉形成能を失った雄しべ。
雄しべは中央に多数あり、雌しべは1個。

花と葉の様子。
茎は根本でよく分枝して、クッション状の群落になります。

葉は多肉質で断面がやや三角になった棒状。

花後の果実は五角形の朔果です。

松葉菊(マツバキク)の冬の様子。
大きく育った松葉菊(マツバキク)の茎は木質化が目立ちます。
松葉牡丹(マツバボタン)の特徴や様子

松葉牡丹(マツバボタン)は、南アメリカ原産のスベリヒユ科 ・スベリヒユ属(ポーチュラカ属)の一年草。
本来は多年草ですが耐寒性が弱く、一年草として扱われています。
日本には、江戸時代の終わり頃に渡来したそうです。
別名は、爪切草(ツメキリソウ)、日照草(ヒデリソウ)。
一日花ですが花数が多く、6月~9月頃まで次々とカラフルな花を咲かせます。

八重咲きの松葉牡丹(マツバボタン)。

黄色い葯の雄しべは多数。
雌しべの先端は5~9裂し、カールして花びらのよう。
雄しべは、軽く触れると動くというユニークな性質もあります。
これは「花糸の屈曲運動」といわれ、雄しべの花糸が刺激を受けると、花糸の一部が縮み曲ることから起こる反応で、花粉を虫の脚や体につきやすくする為のようです。

葉と蕾の様子。
葉は多肉質で、松葉を少し太くしたような形。
茎先の花の下では風車のように 輪生してます。

花後は、キャップ状の蓋果が実り、種は非常に細かくこぼれ種でもよく繁殖します。