オオケタデ(大毛蓼)は、タデ科イヌタデ属の大型の一年草。
道端でよく見かけるイヌタデ(犬蓼)に似た花を咲かせる植物ですが、草丈は2m程にもなる大型で、葉幅も広く、花の紅色が鮮やかです。
大きく毛がたくさんあるところから、オオケタデ(大毛蓼)の名前がついています。
オオケタデ(大毛蓼)の特徴や様子
大きく育ったオオケタデ(大毛蓼)。
明るく鮮やかな赤紫色の花穂が遠くからでも目立ちます。
オオケタデ(大毛蓼)の特徴
インド、マレーシア、中国など熱帯アジア・東南アジアの原産のタデ科イヌタデ属の一年草。
タデ類の中でも大型で草全体に細かい毛が密集しています。
日本へは観賞用として、江戸時代に渡来し、栽培されたとされます。
現在では野生化して、北海道から沖縄まで分布し、河原や道端、空き地、土手、野原、荒れ地などに生えています。
草丈は1~2m。
茎は太く、細かい毛が多く生えています。
葉は互生、卵形~広卵形先の鋭尖形。
花期は夏〜秋。
分枝した茎先に、花穂が穂状花序になってつき、垂れ下がります。
小花は米粒大で紅色~淡紅色。
名前の由来は、他のイヌタデ属(タデ)の植物に比べて大型で、草全体に細かい毛が密生していることからついてます。
葉汁には解毒作用があるとされ、かつて虫刺されやかぶれ、腫れ物などの民間薬として利用されており、蝮(まむし)の毒を消すことから、ハブテコブラという別名があります。
学名: Persicaria orientalis
科・属名:タデ科イヌタデ属
原産地:熱帯アジア、東南アジア
別名:オオタデ(大蓼)、ベニバナオオケタデ(紅花大毛蓼)、ホタルタデ(蛍蓼)、トウタデ、ハブテコブラ
花言葉:「思いやり」「雄弁」「申し分のない愛らしさ」
オオケタデ(大毛蓼)の様子
立ち上がった太い茎先が枝分かれし、その先に花穂を出します。
鮮やかな紅色の小花がぎっしりとついた花穂は、長く垂れ下がります。
10㎝以上ある花穂。
小花は、6~7mm程度で密についてます。
花びらのように見えるのは萼(ガク)で、萼片は5枚。
雄しべは7本、まれに8本、雌しべの先は二つに割れています。
晩秋に枯れはじめた花穂。
枯れると種もたくさん。
花後にできる果実は痩果。
直径3mmほどの扁平な円形で、黒褐色の果実が花被に包まれています。
葉の基部で茎を取り巻いている托葉鞘(たくようしょう )は、筒形になっています。
茎は多く分枝し、毛が多い。
大きな葉は20cm以上にもなります。
葉の形は卵形~広卵形で、先は鋭尖形、基部は円形または心形。
両面に短毛が密生し、葉柄が長く互生します。
オオケタデ(大毛蓼)よりずっとコンパクトなイヌタデ(犬蓼)の様子
イヌタデ(犬蓼、学名: Persicaria longiseta)は、タデ科イヌタデ属の一年草。道端に普通に生える雑草で、草むらのようになって集団を作ります。
高さ20〜50cm。
葉の形は細長い三角形で先が尖ります。
花が見みられる季節は、夏~秋で、6月~10月頃。
この赤い小さな花や果実を赤飯に見立て、別名アカノマンマとも呼ばれています。
名前の由来は、香辛野菜としても利用されてきた「ヤナギタデ(柳蓼)」に対し、役に立たないという意味で「イヌタデ」と名付けられました。
「蓼(ダテ)食う虫も好きずき」ということわざは、「人の好みはさまざまである」という意味がありますが、かじるとピリッとした辛みのあるヤナギタデ(柳蓼)のことを言っています。