コルチカムは、秋に花を咲かせる球根植物で、根も葉もない状態からつぼみを出して花を咲かせます。花はサフランに似ていて、イヌサフランという別名でも知られています。
土や水なしでも育ち、お皿などの上に球根を置き、放置していても育ちます。
成長して花を咲かせる様子はおもしろくて、インテリアとしての楽しみもあります。
目次
コルチカム(イヌサフラン) 土や水なし栽培の育て方・様子
サフランに似た花を咲かすコルチカム。
球根や花は、サフランより一回り以上大きい。
サフランはアヤメ科で、全く別の植物になります。
コルチカム(イヌサフラン)の特徴
コルチカムはヨーロッパ、北アフリカなどに自生する、イヌサフラン科 イヌサフラン属の球根植物。
背丈は、15~30cm。
春になると、20cmほどの直立した広線形の葉を伸ばしますが、夏には枯れてしまいます。
花期は秋、10~15cmの花筒が伸び数花半開します。
花は一重で色は藤色がかったピンク色。
園芸品種には八重咲きや白花種もあります。
花後の果実は楕円状のさく果、種子は球状で黒色に熟します。
名前の由来は、黒海沿岸の古い都市「Colchis(コルキス)」にたくさん咲いていたことから。
イヌサフランという名は、「イヌ」は「似て非なるもの」を意味し、花がサフランによく似ているけれど、実際は全く違うものであるという意から。
※コルチカム(イヌサフラン)は、全草にコルヒチンというアルカロイド(毒性成分)が含まれています。
摂取すると、腹痛や下痢、嘔吐などの中毒症状が現れ、最悪の場合は死に至ります。球根や春の葉の誤食には注意が必要です。
また、「サフラン」と名がついているため、花柱を乾燥してスパイスのサフランとして使った事故も起きています。
学名:Colchicum autumnale
科・属名:イヌサフラン科・ イヌサフラン属(コルチカム属)
原産地:ヨーロッパ、北アフリカ
別名:イヌサフラン、オータム・クロッカス、ノサフラン,マキバノサフラン
花言葉:「コルチカム」の花言葉は「私の最良の日々は過ぎ去った」「危険な美しさ」
コルチカム(イヌサフラン)土や水なし栽培での育て方
コルチカム(イヌサフラン)は、大きな球根に蓄えた栄養により、土や水がなくても花を咲かせる珍しい性質があります。
机の上に転がしておいたり、お皿の上に放置しておくだけでも、手軽に花を楽しむことができます。
球根の大きさは直径10cm以上あり、褐色の皮をかぶった大きな球根です。
夏のはじめに園芸店などに出回ります。
球根の置き場所は、風通しがよく 薄暗い場所が適するそうですが、普通に日が入るリビングなどでも十分育ち、花を咲かせます。
育て方は、ほぼ放置。
秋になると、いきなりにょきっと蕾が伸びてくるような感じで、存在感をアピールします。
花が終わったら来年も咲くよう、土に植えて肥料を与え球根を太らせます。
コルチカム(イヌサフラン)土や水なし栽培の様子
秋に花を咲かせたコルチカム(イヌサフラン)。
透明感のある美しい花が魅力的です。
ひとつの球根から、次々花を咲かせます。
花は球根の中心からは出ず、球根の下部から茎を伸ばします。
淡黄色の花筒。
球根の後ろ側。
根もまったく生えていません。
コルチカム(イヌサフラン)の花。
花弁は長さ3~4.5㎝程。
花被片は6枚。
雄しべは6個で葯は橙色。
雌しべは3個。
咲き始め、蕾の様子。
枯れた花。
花後の球根は、土に植えて肥料を与えます。
春になると葉が出ます。
露地植えのコルチカム(イヌサフラン)
コルチカム(イヌサフラン)は、秋のクロッカスとも呼ばれ、地上すれすれのところに咲くクロッカスにも花姿が似ています。
クロッカスはアヤメ科。線のような細い葉とともに花を咲かせます。
地中からいきなり蕾を伸ばし、花をつけるコルチカム(イヌサフラン)。
9月~10月に花茎を15cmほど伸ばし開花します。
耐寒性が強い多年生で、植えっぱなしでも毎年美しい花が楽しめます。
株が込んできたら適期に掘り上げて、植え直しをします。