テイカカズラ 初夏に白や黄色の花が咲くツル性の植物 

山に咲いてた白いテイカカズラの花
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テイカカズラ(定家葛)は、比較的温暖な地方の山林に生えるつる性の植物。
茎を長く伸ばして樹木に絡んでいる姿をよく目にします。

初夏になると、プロペラやスクリューような変わった形の、小さなよい香りの花を咲かせます。

テイカカズラの特徴や山で見かけたようす

キョウチクトウ科テイカカズラ属のつる性常緑低木。

梅雨時期の6月頃に見かけたテイカカズラ。
芳香のよい花をたくさん咲かせてました。

 

テイカカズラの特徴

テイカカズラは、古来から自生していた植物。
本州や四国、九州など日本で広く分布し、林内や岩場、崖地などでみかけます。

細い茎から気根を出して、木や石にからみつく常緑のツル性の植物。

花期は5~6月。

花は小さく径2~3センチ程。
はじめ白く、次第に淡黄色になります。
ジャスミンに似た甘い香りがします。

名前の由来は、式子内親王を愛した藤原定家が、死後も彼女を忘れられず、葛(カズラ)に生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説(能『定家』)からともされます。

 

※テイカカズラは、葉や枝など全体的に毒性を持っています。

誤飲すると嘔吐、麻痺を引き起こし、白い樹液に触れるとかぶれることもあるので注意が必要です。

 

学名:Trachelospermum asiaticum
科・属名:キョウチクトウ科・テイカカズラ属
別名:マサキノカズラ(真拆の葛)、セキダカズラ(雪駄蔓)
原産地:日本 朝鮮半島
花期:5~6月
樹高:2〜10m
花言葉:「優雅」「優美な美人」「栄誉」「爽やかな笑顔」「依存」

 

テイカカズラの様子

ねじれてた花弁の個性的な花。

花冠は5裂していて2~3センチ程。
花弁の幅には個体差があります。
中心部に黄色。

花は房状の花序が垂れ下がったところにつきます。
花は基部は細い筒状。

蕾は細長い。
くるくると巻かれています。

花は白から淡黄色へ変化します。

枯れた花の様子。

果実が熟するには約半年後。

果実は二又の袋果、長さは20cm前後の細長い円柱形。
熟すと鞘が割れるように2つに割れて、 冠毛のついた種子は風によって散布されます。

葉は光沢のある明るいグリーン。

3~7㎝の先のとがった楕円形。
革質で光沢があり、対生する。

12~1月頃、テイカカズラの葉は赤く紅葉します。

茎の様子。

ちなみに「カズラ(葛)」とは、つる草の総称。

日本で行われた古代の髪飾り。
つる草を髪に結んだり,巻きつけたりして頭の飾りとし,これをカズラ(鬘)といった。
そのためつる草を〈かずら〉と称するようになったともされてます。

テイカカズラは、茎の途中からも気根を出して、塀や他の樹木に張り付くように伸びていきます。

垂れ下がる花は、森のオブジェのよう。

大きな木の絡みついて、どんどん成長していくようです。

白い花と黄色の花が一緒に咲いていました。

地面近くで咲いていたテイカカズラの花。

 

テイカカズラの種類 ・似た花

(花壇に植えてるハツユキカズラの写真)。

 

  • ゴシキカズラ(五色葛)」は、テイカカズラの斑入り品種。
    新葉が白や赤色になる五色葉。山野に普通に自生。
  • ハツユキカズラ(初雪カズラ)」は、斑入りの葉が美しいテイカカズラの園芸品種。
    芽吹きの新芽の頃は、白い色やピンク色をした葉が鮮やかに目立ちます。葉の大きさは小さい
    別名:フイリテイカカズラ。
  • オウゴンカズラ(黄金カズラ)」は、濃い緑に黄色い斑が幅広く入り、新芽がオレンジ色になる園芸品種。
    別名:オウゴンニシキ(黄金錦)、ゴールデンサン。

 

よく似た花に「ケテイカカズラ(毛定家葛)」があり、花筒の太い部分と細い部分の長さがほぼ同じことや葉裏の毛などで見分けることが出来るようです。

また、花や葉が大きめの「チョウジカズラ(丁字蔓)」、九州・沖縄に分布する花が少し小さい「リュウキュウテイカカズラ(琉球定家葛」別名:オキナワテイカカズラ(沖縄定家葛)があります。

 

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