「ヤマボウシ(山法師)」と「ハナミズキ(花水木)」は、同じミズキ科の植物で、花の形などもよく似ています。
ハナミズキの別名は、「アメリカヤマボウシ」。
日本のヤマボウシに似ていて、アメリカから渡来したのが由来とされています。
目次
「ヤマボウシ」と「ハナミズキ」の特徴や見分け方
- ハナミズキ(花水木)は、ミズキ科サンシュユ属の落葉高木。
学名:Cornus florida
原産地:北アメリカ
別名:アメリカヤマボウシ
花色:白、ピンク、赤
樹高:10mほど
開花時期:4~5月
- ヤマボウシ(山法師)は、ミズキ科ミズキ属の落葉高木。
学名: Cornus kousa
原産地:日本、中国、朝鮮
別名:山桑(ヤマグワ)
花色:白、ピンク、帯緑色
樹高:10~15mほど
開花時期:6~7月
※ハナミズキはアメリカからきた外来種ですが、ヤマボウシは日本の本州、四国、九州の山野に自生しています。
ハナミズキとヤマボウシの花の違い
どちらも、4枚の白い花びら(花弁)のようにみえるものは、総苞片で葉が変形した部分。
真ん中に見えるのが頭状花序で、小さな花の集合体。
- ハナミズキの花は、葉が展開する前か同時に開花します。
花びらのような総苞片は、先がへこむ。
花期:4~5月。
- ヤマボウシの花は、葉の展開後に開花します。
花びらのような総苞片は、先はとがる。
花序の柄は長く3~10cmほど。
花期:5~7月。
赤花を咲かせるハナミズキとヤマボウシ
ハナミズキとヤマボウシの葉や幹の違い
- ハナミズキの葉
葉身の長さは10cm位で、卵状楕円形~卵円形。
先はとがり、ふちは全縁ですこし波打つ。
葉の裏は粉白色。
- ヤマボウシの葉
葉身の長さは4~12cmで、楕円形~卵円形。
先はとがり、ふちは全縁で波打つ。
葉の裏はやや光沢がある。
- ハナミズキの幹
樹皮は、灰黒色。
網目状に深い割れ目が入る。
紅葉も美しい。
- ヤマボウシの幹
樹皮は、暗赤褐色。
ツルツルしているか、まだら模様になる。
紅葉も美しい。
※ハナミズキは秋になると葉が紅葉して落ちる落葉性ですが、ヤマボウシには常緑性があります。
ハナミズキとヤマボウシの実
- ハナミズキの実は、楕円形で長さ1cmほど。
液果状の核果。
果期は8~10月。
- ヤマボウシの実は、丸くで1cmから3cmほどの大きさ。
核果の集合果。
果期は9~10月。
※ハナミズキ、ヤマボウシともに実をつけますが、食べれるのはヤマボウシの方です。ハナミズキの果実は食用には向かないようです。
ハナミズキの様子
ハナミズキは、明治45年に東京市長がワシントンにサクラを贈り、そのお返しで東京に贈られた樹木として知られています。
花が目立つミズキ科の樹木なので、ハナミズキと言う名前がつけられたようです。
街路樹や公園、庭先でよく見かけます。
ハナミズキの花言葉は、「華やかな恋」「私の思いを受けてください」。
ヤマボウシの様子
初夏になると、山々でみかける爽やかなヤマボウシの花。
ハナミズキと違い、葉が成長してから花を咲かせます。
ヤマボウシの名前の由来は、花に見える中央の球形の花序を僧侶の頭に、それより下の花びらに見える総苞片を白色の頭巾に見立てて、「比叡山の延暦寺の山法師」になぞらえたものといわれています。
別名のヤマグワは、熟した実の表面が桑に似ていることから。
ヤマボウシの花言葉は「友情」。
ピンクのヤマボウシは少し珍しい。
ヤマボウシの木は硬く強靭なので、加工して家具などに用いられてるようです。
サクラが咲き終わった頃から咲き出すのがハナミズキで、ヤマボウシは少し開花が遅く、5月中頃から咲き始めるのがヤマボウシです。
ヤマボウシは山に似合う花、葉もわさわさと茂っていますよ。
ハナミズキと同様にシンボルツリーとしても見かけます。