イヌマキの木は、庭木や公園などでもよく植えられていて、生垣などにも使われる常緑針葉樹。
普段よく見かける木でもありますが、剪定されてるとなかなか実を見る事が出来ません。
でも、実を見つけてしまうとちょっとびっくり。
「え?」 なんて・・・色がきれいでその独特な面白い形に足を止めてしまいそうです。
イヌマキは、夏の終わりから秋にかけて、ツートンカラーのちょっと変わった不思議な形の実をつけます。
イヌマキの木の特徴や実の様子
イヌマキの木は、本州の関東より西~沖縄にかけて比較的暖かい地域に分布する常緑の針葉樹。
イヌマキの木の特徴
科名/属名:マキ科・マキ属
学名:Podocarpus macrophyllus
原産地:日本
古くから垣根や庭木、和風庭園などで利用されています。
防風林などにも利用され、海辺でも見かけます。
特徴
- 大気汚染や潮風に強く、丈夫で育てやすい。
- 刈り込みに強く、好みの樹形に仕立やすい。
- 水への耐性があり、害虫にも負けないことから、優秀な木材としても用いられる。
イヌマキは、雌雄異株(しゆういしゅ)で、雄株と雌株があります。
実をつけるのは、雌株です。
開花期は5月~6月。
雄花は、穂状でまとまって付きます。
雌花は、ふくらんだ花床の先端に小さく付きます。
雌花の実は秋に色づきます。
九州では、9月頃~
名前の由来は、マキによく似てるが、マキより劣るということでイヌ(似てるが違う意味)とつけられたようです。
花言葉:「色あせぬ恋」「慈愛」。
イヌマキの実の様子
(写真は、9月に撮影したもの)。
イヌマキの実は、あまり見かけないユニークな形。
赤い部分は、花床(かしょう)で、白い粉をふいてる緑色の部分が種子。
花床は、花弁、雄しべ、雌しべ、萼(がく)などをつける部分で、花托とも呼ばれます。
緑色の部分と赤い部分は、維管束という軸でつながれています。
ニンギョノキとも呼ばれてる
手のひらに乗せてみると、この位の大きさです。
なんとも不思議な形です。
頭が黒くて、赤い服? お人形さんのようにも見えてきます。
串にさしてる団子みたいと言う人もいるようです。
じっと見てると、なんだか芸術品みたいにも見えてきます。
長崎県や大分県では、「ニンギョノキ」という地方名があり、山口県では、「ニンギョー」、静岡県では、「ネンネンゴ」などとも呼ばれてます。
イヌマキの実は食べれる?
イヌマキの実は、赤い部分は、甘くて食べれるそうです。
小さい頃に「食べてたー」などの話しも聞きます。
でも緑の種子は有毒なので注意が必要です。
サクランボみたいな食感で、ブドウに似てる味がすると書いてあるブログも見つけました。
https://ideman.sagafan.jp/e630273.html
赤い実の方が枝よりにあるので、鳥がこれを食べると、その先にある緑の種が散布されるようです。
イヌマキ、若い実の様子
イヌマキの若い実は緑で、種と同じ色をしています。
大きさも、種よりも花床の方が小さい。
イヌマキの種子は、しばしば枝についたまま発根(胎生)するそうです。
写真のものは、海の側に植えられていたイヌマキ。
数本植えてあったので、防風林にしている木のようでした。