南国ムードが満載なソテツ(蘇鉄)の木。
どっしりとした幹に、大きな鳥の羽のような葉があって、独特な雰囲気がある植物。
九州では、学校や公園、お庭などでも良く見かけたりします。
観察していると、ときたま雌花の中の可愛らしい赤い実を見つけることが出来ます。
ちょっと不思議な形のソテツの木は、実の付け方もとても珍しいです。
ソテツの実ってどんな感じ?
ソテツは、ソテツ科ソテツ属に分類される常緑低木。
分類: ソテツ科ソテツ属
学名: Cycas revoluta サイカス・レボルタ
和名: 蘇鉄(ソテツ)
別名: 鉄蕉(テッショウ)、鳳尾蕉(ホウビショウ)
英名: Fern palm,Japanese sago palm
開花時期: 6~10月
花色: 黄、白、茶
樹高: 3~5m 常緑低木 ※野生種は8mくらいもあり
生息地: 東アジア~東南アジア亜熱帯地域
原産地: 日本(九州南端~南西諸島)、中国南部
ソテツの特徴
ソテツ(蘇鉄)は、多数の線状の小葉からなる羽状葉が放射状に広がり、ゴツゴツとした太い幹が特徴の植物です。
古生代末から中生代、恐竜のいた時代に最も繁栄したとされる裸子植物で、「生きた化石」と言われる植物のひとつ。
6月~10月頃に大きな花が咲がせます。
雌花は尖ったような形、雌花は丸っこい花を咲かせ、秋になると朱色の実を成らせます。
花言葉:「雄々しい」
ソテツの実のみつけ方
ソテツは、雌雄異株(しゆういしゅかぶ)で雄花と雌花があります。
写真は、ソテツの雌花で、もっこりとした褐色の綿毛の花の中にソテツの実、種子をつけます。
こんな花を見つけたら、ソテツの実を見つけるチャンスかも。
写真のソテツの花は、9月の始めに見たものです。
ソテツの雄花
雄花は、松笠を長くしたような形で、小胞子葉(しょうほうしよう)をびっしりとつけた長い花粉錐。
(小胞子葉とは、胞子をつけるように特別に形態が変化した葉)
ウロコのような鱗片(りんぺん)に葯がついています。
ソテツの雌花
雌花は、多数の大胞子葉(だいほうしよう)の集まり。
(大胞子葉は雌しべの原初形態、大胞子をつけるように特別に形態が変化した葉)
※ 雄花は、小胞子葉をびっしりとつけた長い花粉錐。
近くで見ると、もじゃもじゃの謎の球体みたいで不思議な感じ。
ドームみたいになっていいますよ。
この中にソテツの実がたくさん詰まっています。
雌花にある実のようす
ちょっと覗いてみると・・・・
巣の中の卵みたいですね。
大事そうにオレンジがかった赤い実が中に入っています。
下から覗いてみると、
所々に赤い実が見えます。
花が枯れた様子です。
赤い実が、こぼれ落ちそうです。
雌花は枯れてしまってありませんが、種だけが残っている様子。
おいてきぼり・・・?
実も少し茶色っぽくなっていますね。
こちらは、雄花が枯れたようすです。
(こちらには、実はありません)
ソテツの実には毒があります
ソテツの種子や幹は、多くの澱粉を含むために食用にもちいられますが、毒が含まれていているので毒抜きが必要です。
毒抜きが不完全なソテツを食べると嘔吐、下痢と言った食中毒症状をおこすそうです。
場合によっては意識不明になり死ぬこともありますので、除毒の技術が必要!
(中に含まれる成分である「サイカシン」は体内で分解されると「ホルムアルデヒド」に変化し、中毒症状を引き起こす原因となる)
※ 奄美地方では、手間ひまをかけて毒抜きをしたソテツの実から作る味噌「ナリミソ」や「ナリがゆ」などの郷土料理があります。
ソテツの実細工
赤いソテツの実で作られたという民芸品、「南男(なんお)ざる」。
実の中に鈴が入っていて、なんとも優しい音色を聞かせてくれます。
5・6年前に宮崎へ行った時に買ったものです。
可愛くて癒される~
”難を去る”という言い伝えもあるそうですよ。
ソテツの種を植えてみる
赤いの果皮の中には、このような種があります。
種子を陰干しして乾燥させたもは、蘇鉄実(そてつじつ)という名で生薬にも使われています。
ちょっとクルミみたいな感じですね。
種まき用の土に植えてみました。
ソテツは成長が遅い植物といわれています。
いつ芽がでるかな~ 🌱