アミガサユリ(編笠百合)は、バイモ(貝母)という名でも呼ばれ、中国原産の薬用植物ですが、観賞用としても広く栽培され、古くから茶花としても親しまれています。
風情のある植物で、花は花弁の内側に網目模様が入ってる釣鐘型で、うつむき加減、また上部の葉先は、くるりとカールしていて可愛らしいです。
ユリ科の中でもっとも早く咲くユリで、「ハルユリ(春百合)」との名もあります。
アミガサユリ(バイモ)の特徴や様子
桜が咲く頃に見頃を迎えていたアミガサユリ(編笠百合)。別名:バイモ(貝母)。
アミガサユリ(バイモ)の特徴
中国原産のユリ科バイモ属の多年草。
クロユリなどと同じくフリチラリアの仲間です。
江戸時代の中頃に薬用として渡来しましたが、その後、花弁内側の網目模様の美しさから観賞用に作られるようになりました。
茎は直立し、草丈30~60㎝程度に成長します。
花期は3月~4月。
花は花茎の先に数個下垂して付けます。
釣り鐘型で淡い緑黄色の六弁花、エビ茶色の網目が入っています。
アミガサユリの名前の由来は、花の形が編笠に似ていること、花の内側に網状の斑紋があることからきています。
バイモ(貝母)の名前の由来は、鱗茎(球根)の形に由来し、二枚の厚い貝状の鱗片が相対し、母貝が子貝を抱いているように見えるため。(中国名を音読みです)。
その鱗茎を乾燥させたものが、生薬の貝母で、咳止めや痰切り、止血、催乳などに効果がある生薬として利用されます。
科・属名:ユリ科・バイモ属(フリチラリア属)
別名:ハルユリ(春百合)、テンガユリ(天蓋百合)、バイモユリ(貝母百合)
原産国:中国
花期:3~4月
草丈:30㎝~60㎝
花言葉:「謙虚な心」「凛とした姿」「威厳」「才能」「努力」
アミガサユリ(バイモ)の様子
咲き方や花色も個性的な植物。
ひとつの茎に、縦に連なるように、釣鐘型の花を数個咲かせます。
下向きに咲く花。
花径3~4㎝程度。
ベルのような形です。
下からののぞいて写真を撮りました。
やっと花の中がみれた感じです。
内側の花色は濃く模様もはっきり見えます。
くるっと丸まる葉と花姿のバランスがとても愛らしいです。
クリスマスローズにも少し似てる花。
花被片は淡い緑黄色で6個。
内側にエビ茶色の網目状の斑紋があります。
花を上に向けてのぞいてみました。
雌しべ1本。柱頭は3裂。
雄しべが6本。葯は淡い黄色。
果実は蒴果で、幅広の縦翼が6枚ついた円筒形。
茎の下の葉は、細長い披針形で輪生または対生します。
上部では互生します。
上部の葉は細く、葉の先端はクルリと巻いています。
いつまでも見ていたいようなユニークな葉先。
アミガサユリ(バイモ)は、花が終わって5月~6月頃になると地上部は枯れて休眠期に入ります。
アミガサユリ(バイモ)の育て方
アミガサユリ(バイモ)は、耐寒性がある植物ですが、暑さと蒸れが苦手な植物です。
過湿にならないように注意が必要。
夏は涼しい場所を好みます。
植え付けの時期は、9月下旬~10月中旬ごろが適期です。
地植えの場合の覆土は5㎝程、株間は10~15㎝程度。
鉢植えの場合の覆土は3㎝程、6号鉢に5球が目安です。
- 栽培環境
水はけと風通しの良い明るい場所。
用土は、排水性と通気性に優れ、適度な保水性のある土を用います。
夏は日陰になり冬は日当たりが良い、落葉樹の足元などが適します。 - 水やり
庭植えの場合は、ほぼ降雨のみで大丈夫です。
鉢植えの場合は、生育期間中は土が乾いたらたっぷり与え、
夏の休眠中は土がカラカラに乾いたら控えめに与えます。 - 肥料
植え付け時に元肥として、緩効性の化成肥料などを与えます。
また、葉が緑色をした生育期間中は、時々液肥を与え球根を太らせます。 - 植え替え
鉢植えの場合は、2~3年に一度、植え替えを行うと元気に育ちます。
庭植えの場合も、経年と共に生育が悪くなって来るので、数年に一度は植え替えを行って下さい。 - 増やし方
分球、実生 - 病虫害
ナメクジやアブラムシ
※花が咲いたら、種ができないうちに花茎から切っておくようにします。
葉は光合成して養分を作る役割があるので、切らないようにします。