ユウスゲ(夕菅)は、ユリに似た花で夕方に開き、朝にしぼんでしまう一日花。
夏の夕暮れに、細長い葉の間からまっすぐ伸びた長い花茎の先に、爽やかなレモンイエローの花を咲かせます。
キスゲの仲間ので、単にキスゲとも呼ばれます。
ユウスゲ(夕菅)の特徴 花・葉・果実の様子、似た花、育て方
本州、四国、九州に分布する山地の草地に生える多年草。
ユウスゲの特徴
ユウスゲの背丈は100~150センチ程で、高くスラリとしており、1茎に数輪の花があり次々に開花します。
花色は淡黄色で、夕方になると開き、翌日午前中に閉じる一日花。わずかに芳香があります。
花は食用にもなります。
中国料理で「 金針菜」とよばれているのは、ユウスゲやホンカンゾウの花(蕾)を乾燥させたもの。
名前の由来は、スゲは葉がカヤツリグサ科のスゲ属に似ていること、そして夕方に開花することからついてます。
ユウスゲの同種で、本州中部の山地に分布するものは「アサマキスゲ」と呼ばれ、葉が広く大型。
科・属名:ツルボラン科(ユリ科)・ワスレグサ属
別名:キスゲ (黄菅)、カオリキスゲ、アサマキスゲ
分布:本州、四国、九州
花期:6月下旬~9月
草丈:50~150㎝
花言葉:「麗しき姿」
ユウスゲの花・果実・葉のようす
花は長さ10センチくらいのラッパ形で、6枚の花びらは先が軽く反り返る。斜上して咲きます。
雄しべは6個、雌しべは1個。
葯は黒紫色。
茎頂に集散花序をつけるほか、茎の途中からも分枝して次々と咲かせます。
夕方、開花直前のユウスゲの花。
くるくると開いていくようです。
枯れたユウスゲの花。
果実は長さ2センチほどの蒴果で広楕円形、3室があり先はへこむ。
果実は熟すと上部から胞背裂開し、中の種子が露出してくる。
長さ6ミリほどの艶のある角ばった黒色卵形。
葉は2列に根出して並び、上部がわずかに垂れます。
葉は単葉で、長さ40~60cm、幅0.5~1.5cmの線形。
葉は中央脈がへこんでいます。
ユウスゲの群生(ゆうすげの里)
ユウスゲに似た植物
北海道から本州の中部地方にかけて分布する「ニッコウキスゲ(日光黄菅)」 別名、ゼンテイカ(禅庭花)。
「ユウスゲ」と「ニッコウキスゲ」は、よく似た花を咲かせます。
ニッコウキスゲは、朝方に開花すると夕方にはしぼんでしまう一日花です。ユウスゲよりも花色が濃く背丈が低い。群馬県の野反湖ではノゾリキスゲと呼ばれています。
他にも、北海道に分布する「エゾキスゲ(蝦夷黄菅)」、日本海の飛島や佐渡に生える「トビシマカンゾウ(飛島萱草)」など。
ユウスゲの育て方
ユウスゲは、自生する丈夫な植物で、庭植えの場合はほとんど手をかけなくても育ちます。耐寒性は強い。
根が良く張るので鉢植え栽培の場合は、大きな鉢が必要で定期的に植え替えや株分けを行います。
- 場所
日向~やや半日陰 - 土
腐植性に富み排水のよいもの。
(赤玉土(小)6、腐葉土3、牛ふん堆肥1などの割合) - 水やり
土の表面が乾いたらたっぷり与えます。 - 肥料
月に1回、緩効性化成肥料を施します。 - 増やし方
株分け(3月~4月、または10月~11月、4~5芽をつけて分けます) - 病虫害
花茎が伸びるころから、アブラムシの被害に会いやすくなります。