初夏の浜辺で、薄いピンク色のアサガオにそっくりの花を見かけたりしませんか。
「アサガオ?」「ヒルガオ?」とも混同しそうですが、
葉を見ると、やや肉厚の円錐状、丸っこくてアサガオやヒルガオとはずいぶん違います。
浜辺に咲く「ハマヒルガオ」は、ヒルガオ科ヒルガオ属の多年草で海岸や湖岸の砂地に生える植物。
潮風の強い過酷な場所でも、可愛い花を健気に咲かせています。
ハマヒルガオの特徴やようす アサガオ・ヒルガオとの違い
ハマヒルガオ(浜昼顔)は、日本全土の海岸の砂地に分布しする蔓性多年草。
ハマヒルガオ(浜昼顔)の特徴
ハマヒルガオは、地面を這うように伸びていく匍匐性(ほふくせい)植物で、砂の中に地下茎を長く伸ばしています。
朝から咲き、夕方には萎む一日花。
名の由来は、名の由来は、浜に生えるヒルガオ(昼顔)から。昼顔は、アサガオ(朝顔)に対して日中も咲いている様子から。
品種として「シロバナハマヒルガオ(白花浜昼顔)」、「花色の濃いベニバナハマヒルガオ(紅花浜昼顔)」などがあります。
花期は5〜6月。
科・属名:ヒルガオ科/ヒルガオ属
英名:seashore false bindweed 、 beach morning glory、 sea bindweed
別名:ジンヨウダワンカ(腎葉打碗花)
花言葉:「絆」「賢くやさしい情愛」
※ 他にも砂浜に咲くアサガオに似た花には、暖地で紅紫色の花を咲かせる「グンバイヒルガオ(軍配昼顔)」があります。(ヒルガオ科サツマイモ属)
葉の形が軍配(かつて武将が戦の指揮に用いたうちわ形の道具)に似ていることから名前がついています。
四国〜九州の暖地の海岸の砂浜に生える。
ハマヒルガオ(浜昼顔)のようす
漏斗(ろうと)のような形、花径4~5センチほどの花。
浅く5つに裂ける。
雄しべは5本、雌しべは1本。
葉は肉厚で光沢があり、葉脈が目立つ腎円形。
長さ2〜4cm、幅3〜5cmほど。
互い違いに生える(互生)。内側にやや反って丸まっています。
乾燥に強い構造とのことで、水分の蒸発を防ぎ、海水の塩分から葉を守っているそうです。
蕾のようす。
花冠をねじりながら伸びてくる。
横からみた様子。
萼のように見えるのは苞(葉の変形したもの)。
中に見えるのが萼片。
松林で咲いていたハマヒルガオ。
ヒルガオ(昼顔)の特徴
「ヒルガオ(昼顔)」は、道端や日当たりのよい草地で見かけます。
北海道~九州に分布する在来の多年草。
花期:6月~8月
花径5~6センチくらいの淡い紅色をした漏斗形の花を咲かせます。
「ハマヒルガオ」と花はよく似ていますが、葉の形が違います。
ヒルガオの葉は、細長いスペード型。
科・属名:ヒルガオ科/ヒルガオ属
英名:Bindweed
花言葉:「絆」「友達のよしみ」「情事」
※ 似た花に、ヒルガオに比べて 花や葉が小さい(花径3~4センチ程)、「コヒルガオ」、ヨーロッパ原産の「セイヨウヒルガオ」があります。
アサガオ(朝顔)の特徴
早朝に花を咲かせる「アサガオ(朝顔)」。アジア原産の一年草。(多年草もある)
花色も豊富で、青や青紫、紅紫、赤、桃色、白などがあります。
開花時期:7月~9月ごろ。
日本には奈良時代に中国から渡来し、薬用として栽培されて、江戸時代に入ってから観賞用として急速に広まり、様々な改良品種がつくられたようです。
アサガオは、午前中に咲いた花は午後になるとしぼんでいく一日花。
(西洋アサガオは夕方まで咲きます)
朝顔の名前の由来は諸説あり、早朝から咲くから「朝の顔」ではなく、「早朝には咲いて昼には萎んでしまうことから、朝の美人の顔に例えた 「朝の容花(かおばな)」という説が一般的だそうですよ。
科・属名:ヒルガオ科/サツマイモ属
英名:Morning Glory
別名:牽牛花(ケンゴシ)
花言葉:「愛情」「結束」「はかない恋」