南国ムードがある「スパイダーリリー」は、海辺に咲くハマユウと雰囲気が似ている植物です。
「笹蟹百合(ササガニユリ)」とも言われ、夏になると白いラッパ状のユニークな花を咲かせて目を引きます。
細長い花弁がクモの脚のように飛び出してるので、「スパイダーリリー」。
中心部の朝顔にも似た膜状の部分が、蜘蛛の巣に見えることでも付いた名前だそうです。
肉厚のつややかな葉は、斑入りのもあって綺麗です。
目次
スパイダーリリーの特徴・花や葉の様子・育て方
「スパイダーリリー(ヒメノカリス)」は北アメリカ南部~南アメリカにかけて分布する球根植物。
学名:Hymenocallis speciosa Salisb.(ヒメノカリス・スペシオサ)
別名:ヒメノカリス・スペキオーサ(Hymenocallis speciosa)、イスメネ、スペシオサ、ササガニユリ(笹蟹百合)
分類名:ヒガンバナ科ヒメノカリス属
原産地:西インド諸島・北アメリカ南部~南アメリカ
草丈:30~80cm
開花期:6~8月
花言葉:「虚勢」「魅惑のささやき」
スパイダーリリーの花の様子
個性的な花を咲かせるスパイダーリリ。
花びらは6枚で細長く放射状にヒュンと伸ばしています。
雄しべは6本でオレンジ色の葯が目立ちます。
真ん中からすっと伸びる葯がついていないのが、雌しべです。
丸くカップ状の中心部分は、薄い膜を張ったようになっていて、朝顔の花にも似ています。
この部分は、副花冠(ふくかかん)といい、花冠や雄しべの一部が変形してできたもの。
花には、芳香があります。
花が枯れたときの様子。
花はそのまま萎んでいくようです。
スパイダーリリーの葉の様子
葉は、つやがある緑色で細長くてやや幅のある楕円。
先が尖っています。
地際から数枚伸ばします。
フイリスパイダーリリー(斑入り笹蟹百合)
斑入りの葉を持つ、フイリスパイダーリリーもとても綺麗です。
ツートンカラーがオシャレで、優しい雰囲気を醸し出します。
このスパイダーリリーの仲間は、中南米と西インド諸島に25~30種が分布しています。
草丈は、30~40cmほどの小型種から1m近くなる大型種まであり、葉も常緑のものから落葉するものがあります。
落葉するタイプだと、暖地の霜の当たらない場所であれば、露地で冬越し可能のようです。
スパイダーリリーの育て方
スパイダーリリーは、熱帯性で寒さに弱く冬は半ば休眠します。
暖地以外での地植えの場合は、毎年秋に掘り上げて貯蔵します。
鉢植えの場合は、凍らない場所に移動させます。
- 場所
真夏以外は日当たりの良い場所。
(真夏の直射日光は、葉がいたんでしまうので避ける)球根の植え付けは、気温が上がる4月の下旬以降に球根の頭が地面に出るくらいの浅植にする。
地植えの場合は20cm間隔、鉢植えの場合は7号鉢(直径21cm)の鉢に1球が目安です。
- 用土
水はけの良い土を好み、粘土質の土壌ではよく育ちません。
鉢植えにする場合は、市販の培養土か赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で混ぜた土を使用します。
- 水やり
土の表面が完全に乾いてからたっぷり与えます。休眠中は水を控えます。
(過湿が苦手)
- 肥料
植え付ける時に緩効性肥料を混ぜ込んでおきます。
芽が出て枯れるまでは、液体肥料を月1回の割合で与えます。
- 増やし方
分球:植え替え時に、大きくなった子球があれば、親球から外して別に植えます。
※球根を掘り上げずに栽培する場合は、分球をかねて5年に一度を目安に掘り上げて植え替えます。球根を掘り上げる時期は、葉がほぼ枯れた頃。
※枯れてきた花は、花茎のつけ根のところで切ります。
※特に問題となる病害虫はありません。
ハマユウの花とスパイダーリリーは似てる?
ハマユウとスパイダーリリーは少し似ています。
ハマユウは、真ん中のカップみたいな部分がないだけみたいな・・・?
葉のようすもそっくりだったりします。
でもハマユウの方が全体的にボリューム感があります。
「ハマユウ」も「スパイダーリリー」もヒガンバナ科の植物です。
九州西部では、自生しているハマユウを良く見かけますが、スパイダーリリーはあまり見かけません。
沖縄では、スパイダーリリーを所々で見かけることが出来ました。