コキア(別名・ホウキグサ)は、丸くもこもこした姿が可愛いくて、季節と共に移り変わる葉の色の変化を楽しめる、とても面白い植物です。
6~11月と、長い間鑑賞できます。
夏には鮮やかなグリーン、秋には赤く紅葉し、ゴールドコキアへと変化していきます。
その間のグラデーションの色合いも、絶妙で美しいです。
目次
コキアの色の移り変わりのようす
コキアは、ユーラシア大陸に広く分布する植物。
一見、小さな木みたいに見えるけど、春に発芽し晩秋には枯れる、非耐寒性の一年草。
最近よく目にする機会も多くなったコキアですが、日本では1000年以上前から栽培されていたという記録が残っているそうですよ。
江戸時代では、枯れ枝はホウキの材料に使われ、若い枝や果実は食用とされてたそうです。
分類:ヒユ科 ホウキギ属
原産地:西アジア、中央アジア
英名:Bassia(kochia)
和名:箒木(ホウキギ)、箒草(ホウキグサ)、庭草(ニワグサ)
開花期:8月上旬~9月上旬
背丈:50〜100cm
一年草なのでタネでふやします。4月中旬~5月中頃がタネまき適期。
育てやすい丈夫な植物で、自由に形を整えられるので、庭作りにも一役買っているようですね。
緑のコキア
ライムグリーンのコキア。
夏のはじめに見かけたもの。
葉は、もわもわっとして柔らかな感触です。
秋のはじめ、9月の終わりに見かけた緑のコキア。
葉は、ちょっと固めになっています。
コキアの花や実
夏から初秋にかけて、花径1~2㎜程度の小さな花を咲かせます。
コキアは花びらはなく雄しべ5本雌しべ1本があり、めしべの中に種ができるそうですよ。
花言葉は、「恵まれた生活」「夫婦円満」「あなたに全て打ち明けます」
コキアの実(種)は、東北地方では「とんぶり」と呼ばれ、食用とされています。
プチプチした食感と色合いから「畑のキャビア」「陸のかずのこ」などと呼ばれたりしています。
種子には油量が多く、成分に強壮作用のあるサポニンが含まれているそうです。
漢方医学では地膚子(ジフシ、じふし)と呼び用いられている。
緑から赤へ グラデーション
秋になると、緑から赤へと紅葉していくコキア。
グラデーションもきれいでね。
コキアの紅葉
真っ赤なコキア。
コキアが赤くなるシステムは、カエデが紅葉するのと同じだそうです。
緑⇒クロロフィル(葉緑素)が理由。
秋になって日照時間も短くなると光合成をしにくくなってくる⇒クロロフィルを作るのをやめていく。
緑色のクロロフィルが葉の中からなくなると、中にあるほかの物質の色に変わっていきます。
これが紅葉する理由だそうです。
枯れ始めのコキア
10月の中頃、茶色になっていくコキアのようす。
緑、赤、茶色といろんな色が混じりあっています。
枯れたコキア(茶色)
全体的に枯れたコキア。夏には柔らかかった茎も固くなっています。
随分と乾燥していて、しっかりとしたほうきが作れそうな枝になっていますよ。
コキアは、グラデーションが面白い
コキアは、丸っこくて形も可愛らしい。
そして、夏のみずみずしく明るい緑から、シックなゴールドと色の変化がとてもステキな植物です。
どの季節にも、それなりの愛らしさがありますよね。
ここのコキアは、9月の終わりに福岡県の「海の中道海浜公園」で見かけたものです。
同じ時期に緑からゴールドまでありました。
コキアが赤くならない?
コキアは、真っ赤にはならなかったり、11月になっても緑のまんまだったりもするようです。
紅葉しない理由は、日照時間や寒暖差など環境にもよるみたいですが、同じ場所で赤いものと緑のものが並んでいたりするのも時々見かけたりします。
寒くなってきた10月の終わり、道路の横に植えられてた数本のコキアを見ましたがですが、同じ環境なのに緑と赤が一緒に並んでいました。
また、種をトンブリに使うコキアは、種子の大きな系統で草丈が高く紅葉はしないそうです。