ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)は、夏にピンク色の枝の先に花穂を出し、小粒な愛らしい花を咲かせ、秋になると小さなブドウのような房状の果実をつけます。
別名はアメリカヤマゴボウ(亜米利加山牛蒡)で、山野や道端、荒れ地に自生し、雑草化している帰化植物です。
ヨウシュヤマゴボウの特徴や様子
道端などでもよく見かける「ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)」。
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)の特徴
北アメリカ原産。
ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草。
明治時代に薬草として導入・栽培されましたが、現在では北海道南西部から九州の山野や人里近くに野生化しています。
茎は太くて赤みを帯び、高さ0.5~3mになります。
葉は長さ10〜30cmの長楕円形で先はとがります。
花期は6〜9月頃。
花は直径5〜6mmの薄っすらと紅色を帯びた白色。
果実は直径約8mmの扁球形の液果で、秋に黒紫色に熟します。
果実をつぶすと紅紫色の汁がで、インクのように染まりやすく、染料としても使われます。
英名で「ink berry」の名があります。
名の由来は、「ヨウシュ」は、外来(外国産)の意味で、「ヤマゴボウ」は太い根がゴボウに似ていることから。
※ 山菜の「山ごぼう」とは全く異なる植物で、全体に強い毒があります。
葉・茎にはアルカロイドやサポニン、根には硝酸カリウムが含まれます。
科・属名:ヤマゴボウ科・ヤマゴボウ属
原産地:北アメリカ
別名:アメリカヤマゴボウ
花期:6〜9月頃
花言葉:「野生」「元気]「内縁の妻」
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)の蕾・花の様子
蕾の様子。
花茎の先に出る総状花序。
薄緑のつぶつぶした丸い蕾は、茎元の方から開花。
茎が薄っすら赤味を帯びています。
柄のある小さな花が茎に配列します。
花には花びらはなく、5枚の丸っこいガクが花弁のよう。
小さな梅の花のような形でとてもきれい。
花径は5ミリほど。
ガクが丸い花弁状に5枚。白色~淡紅色。
雄しべ10個。
雌しべは1個。10~12枚の心皮が合着してます(緑色)。
花柱は心皮の数と同数。
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)の実の様子
9月の終わり頃のヨウシュヤマゴボウは、花と実が一緒に見られました。
若い果実の様子。
果実は約8mmの扁球形。
茎・ガクがビビットなピンク色に色づいています。
果実も徐々に色づきます。
熟すと果実は黒紫色へ。
成熟すると心皮の境界が目立たなくなり、艶がありツルリとしています。
この時期の果実は、つぶすと紅紫色の汁がでます。
果実の落ちたあとは、梅の花のような形のガクが残り、スタンプのよう。
果実が落ちた後の様子。
残ってるガクの様子。
種子は平滑で、直径約3mm。
種と根茎により繁殖します。
野に生え、ブドウのような果実をつけるヨウシュヤマゴボウですが、
ノブドウ(野葡萄)は、ブドウ科のツル性多年草で、夏には小さな薄緑色の花を咲かせ、秋に熟し、白やピンク、水色、青緑色、紫色などとてもカラフルな実をつけます。