ピンク色の花を咲かせるヤマボウシ(山法師)には、ベニバナヤマボウシ(紅花山法師)、ベニヤマボウシ(紅山法師)の名があるようです。
ヤマボウシの多くは白花なので、ベニヤマボウシは珍しい紅花のヤマボウシ。
淡紅色の華やかな花がとてもきれい。
一見、ハナミズキかと間違ってしまいそうな感じです。
ベニバナヤマボウシの特徴や様子
ミズキ科・サンシュユ属(ヤマボウシ属)の落葉高木。
ベニバナヤマボウシの特徴
ベニバナヤマボウシは、ヤマボウシの基本は白花なのに対し、総苞がピンク色をした品種。
ピンクの花びらに見える部分は苞で、葉が変化したものです。
ベニバナヤマボウシの花は、中央にあるグリーンの球状のもの。
日本の本州、四国、九州の山野に自生する落葉高木。
樹高は5~15mほど。
5月~7月ごろに開花。
果実は8月から9月に熟し生食できます。
晩秋には美しい紅葉が楽しめます。
ヤマボウシ(山法師)という名前の由来は、白い花びらに見える総苞片(そうほうへん)を坊主頭と頭巾に見立てて「山法師」。
学名:Benthamidia japonica f.rosea
科名 / 属名:ミズキ科 / サンシュユ属(ヤマボウシ属)
ピンク色の花が咲くヤマボウシの品種
紅花のヤマボウシとして最初に世に出たのは「サトミ」という品種だそうです。
「サトミ(里美)」は、紅の濃い個体変異種として自然界から選抜された品種。幅が広く丸弁。
「ベニフジ(紅富士)」は、自生するベニヤマボウシから種を採って播いて、発芽した苗からの実生選抜品種。 花弁の先端が細い剣弁。
他、「赤花ヤマボウシ」、「レッドムーン」、「リトルルビー」「源平」など。
ベニバナヤマボウシの様子
淡紅色の4弁の苞がつき、その中央にボール状の淡いグリーンの花が咲きます。
粒々の一つ一つがひとつの花。
総苞片の中心に30前後の小花が集まってます。
粒々の一つ一つがひとつの花。
短枝の先に、5~10cmの花柄のある頭状花序をつけます。
上向きの花。
ヤマボウシの葉は、4~12cmほどの楕円形、または卵円形。
全縁でやや波打った形をしています。
葉脈が美しい。
幹の色は灰色で、滑らかと言いますよりはざらざらとした手触り
ウロコ状に剥がれたところも見られます。
ヤマボウシは、一定の間隔で短枝が並んでるので、花のつき方も独特。
里山で見かけた大きなベニバナヤマボウシの木。
枝が横に張り出し、その枝にたくさんの葉と花がついています。
とても優しいピンクの花。
白い花のヤマボウシ
ベニバナヤマボウシと一緒に見かけた白花のヤマボウシ。
雪をかぶったように白い花が咲き誇っています。
初夏の山に似合う花。
よく似た花を咲かせる「ハナミズキ(別名アメリカヤマボウシ)」は、ヤマボウシの近縁種にあたります。
ヤマボウシの花は、初夏のイメージで5~7月頃に開花しますが、ハナミズキの花は春のイメージでしょうか、サクラの花が咲き終わった4~5月頃が開花時期です。
また、ハナミズキは葉が出るより前に開花します。