タギョウショウ(多行松)は、根元近くからいくつもの幹が棒立ち状になり、傘が開いたような樹形がユニークな美しい松です。
アカマツの園芸品種であるとされ、樹皮はきれいな赤褐色です。
タギョウショウ(多行松)の特徴や様子
タギョウショウ(多行松)は、アカマツ(赤松)に比べると華奢で繊細な印象があります。
タギョウショウ(多行松)の特徴
マツ科マツ属の常緑針葉樹。
アカマツの園芸品種。
学名:Pinus densiflora Siebold et Zucc. ‘Umbraculifera’
古くからつぎ木で増殖したものとされ、観賞用に植栽されています。
樹高は、約3~6m。
幹は主幹がなく、1本の根元近く、または地表近くから枝が箒状、放射状に分かれて斜上し、傘を広げたような樹形になります。
分枝数が多く、枝の伸び方がそれぞれ違うので個性のある樹形に仕上がるようです。生長は遅く1年に20~30cmほど、寿命は約50年と短いとされます。
名前の由来は、多数の幹が行をなして並んでいることによります。
※タギョウショウ(多行松)に似た、同じような株元から枝分かれする「ウツクシマツ(美し松)」があります。
ウツクシマツ(美し松)は、滋賀県の美松山の斜面だけに群生する珍しいマツで、劣性遺伝による変種といわれます。
樹高が高く、5メートルを超える樹高のものが普通のようです。
タギョウショウ(多行松)の様子
萩市・明倫館。
5月に見かけたタギョウショウ(多行松)は、たくさんの花をつけていました。
タギョウショウの雄花と若い果実(松ぼっくり)。
雄花にはたくさんの花粉がついています。
果実は球果で、3~5cmの卵状円錐形。
鱗片(ウロコのようなもの)で覆われています。
マツは雌雄同株で、雄花の先にある松明状の穂先の先に紫色の雌花が出てきます。
若い果実は、昨年受粉した雌花で、
一年もの歳月をかけて種子をじっくり成熟させていきます。
8月頃になると成熟し、緑色から茶褐色に熟します。
葉色は緑色、葉身の長さ約7~12cm、葉身の形は針形。
根元付近から生じる多くの幹の様子は独特。
タギョウショウの樹皮はきれいな赤褐色。
亀甲状に割れ、そのまま亀甲状に剥がれます。