松(マツ)は春になると、ひゅんと伸びた新芽の先に雌花、新芽の下部に雄花をつけます。
そして雌花の大きくなったのものが、マツの球果(松かさ、松ぼっくり)になります。
ちなみに「松ぼっくり」という呼び名は、もともとは北関東・江戸などで主に使われていた方言で「松ふぐり」がなまった言葉だそうです。
目次
松の花ってどんな花? つくりや様子 松ぼっくり(松かさ)の様子
「松(マツ)」は、マツ科マツ属の常緑高木の総称。
松の種類は、北半球に9種が分布し、日本には6種が自生しているそうです。
日本には赤松(アカマツ)、黒松(クロマツ)が広く分布しています。
学名 Pinus
科・属名 マツ科・マツ属
開花期 4~5月
別名 :チヨキ(千代木)トキミグサ( 時見草)、トキワグサ(常磐草)
開花期 4~5月
花言葉:「不老長寿」「同情」「哀れみ」「慈悲」「勇敢」「向上心」「かわいそう」「永遠の若さ」。
マツの花の様子、開花時期
3月の終わりに見かけた松の花。
(よく言われてる開花時期:4月~5月)。
マツは春先に穂を伸ばし、穂の先に雌花、穂の周り(下部)に雄花と、別の位置に花をつけます。
マツの花のつくり 雄花 雌花 見分け方
- 先端にある赤紫色をした小さな実のようなものが、「マツの雌花」。
- 根元のもこもこした茶色の部分が、「マツの雄花」。
「花弁(はなびら)」や「がく」は見当たりません。
マツは風によって花粉が運ばれる「風媒花」で、雄花の花粉に、浮き袋のようなものがついていて、風に乗って雌花へと飛んでいきます。
その後、雌花は時間をかけて成長し、松かさ、松ぼっくりと呼ばれる状態になります。
マツは、裸子植物です。
裸子植物の花には花弁やがくがなく、うろこのようなりん片が多数集まったつくりをしています。
1つの花に雄しべと雌しべがあるのではなく、雄花、雌花にわかれています。
雌花には子房がなく、胚珠がむき出しになっている。
雄花には花粉のうがあり、その中に花粉がある。
マツの雄花の様子
1つのコロッとしたかたまりは、たくさんの雄花の集まり。
雄花は、うろこのような「りん片」が多数集まったつくりをしています。
りん片には「花粉のう」という袋があり、中には「花粉」が入っています。
花粉には空気袋がついていて、風の力で遠くまで移動します。
雄花は花粉をほどんと出したあと、下に落ちてしまいます。
マツの雌花の様子
雌花は先端の赤色の部分。
雌花もうろこのような「りん片」が多数集まったつくりをしています。
りん片には胚珠を包む子房がなく、胚珠がむきだしでついています。
受粉から1年以上かかって松ぼっくり(松かさ)になり、胚珠は種子になる。
松ぼっくり(松かさ)
「松ぼっくり(松かさ)」は、雌花が受粉して成長したものです。
松の木が付ける「球果(きゅうか)」と呼ばれる果実。
松かさの中にはたくさんの種子が入っています。
成熟すると笠が開き始め、中にある種子は風に乗って飛んで行きます。
この若い松ぼっくり(松かさ)は前年のもので、1年前の雌花の集まり。
鱗片(りんぺん)というウロコのようなもので覆われていて、かたく閉じています。
松ぼっくりは(松かさ)は成熟すると、笠が開き始めます。
その中にある種子は風に乗って飛んで行きます。
種子を放出してしばらくすると、松かさは根本からはずれて地上に落ちます。
鱗片(りんぺん)が開いた松ぼっくり(松かさ)。
また、松ぼっくりは湿っていると閉じ、乾くと開くという性質があります。
種子を最適なタイミングで飛ばすために、空気中の湿度によって鱗片を開いたり閉じたりするようです。
また、拾ってきた松ぼっくりも水に濡らすと、松かさを閉じてしまったりします。
鱗片の中の繊維が空気中の湿度に合わせて、伸びたり縮まったりするようです。