アコウってどんな木? 特徴や様子・名所

海辺に生える大きなアコウの木の写真
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九州では時々見かけるアコウの木。
アコウの木は、自然豊かな海辺近くで見かけることが多く、中には天然記念物に指定されてる巨木もあったりします。

大きなアコウの木は、茂った葉を傘のように広げていて、暑い夏の一休み場所のよう。

露出した根がくねくね入り乱れる根元、枝からはヒゲみたいな気根がいくつも出ていて、独特の雰囲気がある植物です。

「しめ殺しの木=絞殺木」なんて、ちょっと怖い名前で呼ばれていたりもします。

アコウの木の様子 特徴や名所

本州(紀伊半島)、四国、九州の海近くに生えるクワ科の半常緑高木。

アコウの木の特徴

アコウはクワ植物の一種で、イチジクと同じ種類です。

クワ科イチジク属の木には、気根を垂らして独特な樹形になるものも多くあります。

他の植物や岩などに巻きついて、絞め殺すように(あるいは実際に殺して)成長するために「絞め殺しの木」と呼ばれたりしています。

ガジュマルやハマイヌビワなども、絞め殺しの木と呼ばれてます。
熱帯雨林などで素早く光の当たる環境(樹冠)を獲得するための特性のようです。

名前の由来は、アコウは赤い牛の尾を出す木として、「赤尾木(アカオギ)」と呼ばれ、
それが転じたという説があります。

 

学名:Ficus superba var. japonica
科・属名:クワ科/イチジク属
別名:アコギ・アコノキ・アコミズキ・アカウ・タコノキ
原産地:日本(和歌山以西の太平洋岸、九州、琉球諸島)、台湾、マレー半島、インドシナ、タイ

 

アコウの木の様子

15~20センチ程の楕円形で濃いめの緑の葉。
光沢がある肉厚の葉をたくさん茂らせます。

横に大きく広がる枝。
樹高よりも横幅が大きくなることが多い。

海岸近くに生えてたアコウの木の様子。

 

アコウの幹・気根・根元の様子

枝には、気根が巻き付いています。
樹皮は、滑らかです。

地上の茎から出た根や、付け根にあたる部分から空中に生える根を「気根(きこん)」言います。
呼吸や空気中からの水分収集・あるいは排出、植物の幹を支えるなどの役割があるそうです。

根元近くの幹。

石を抱え込むような根元の様子。

 

アコウの実

初夏には実が付いてる木も見かけます。

実の様子は、こちらにも詳しく書いています。

 

アコウの実の写真

小さなイチジクみたいな実が枝にびっしり~アコウの実

2020-05-27

 

アコウの巨木が見れる場所 アコウの名所

(公園で見かけた綺麗な形のアコウの木)。

 

  • 宮ヶ浜のアコウ(指宿報国神社内)
    幹回り14.6m。推定樹齢300年。
    市指定天然記念物
    住所:鹿児島県指宿市西方4808

 

 

  • 奈良尾(ならお)のアコウ
    樹高25m・幹回り12m程、樹齢650年を超えるアコウの巨樹。
    国の天然記念物。
    住所:長崎県南松浦郡新上五島町奈良尾郷田中 (奈良尾神社の境内)

 

  • 鷹島住吉神社のアコウ
    樹高18m・幹回り4・5m程。
    九州西岸における分布の北限のアコウの木。
    住所:長崎県松浦市鷹島町里免114

 

 

  • 三崎(みさき)のアコウ
    樹高:14m・幹回り7m。
    日本最北端自生のアコウ。国の天然記念物。
    住所:愛媛県西宇和郡伊方町

 

 

 

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