ハゼラン サンジソウ 小さな赤いつぶつぶが目立つ雑草

花と実とつけるハゼラン サンジソウ
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「ハゼラン(爆蘭・米花蘭)」は、道端や空き地でよく見かける雑草で、夏から秋にかけて枝分かれした細い茎の先に、小さな小さなピンクの花をいくつも咲かせます。
花開くのが午後三時ごろなので、「サンジソウ(三時草)」とも呼ばれます。

「花火草(はなびぐさ)」との名もあり、花の後の小さな粒々の赤い実がたくさん付いてる様子は、線香花火を連想させるようないでたちです。

ハゼラン(爆蘭・米花蘭)の特徴や様子

道端でみかけるハゼランの様子

こぼれダネでよく増え、繁殖力が強い植物。
道端のコンクリートの隙間からも発芽して開花している様子をよく見かけます。

ハゼラン(爆蘭・米花蘭)の特徴

ハゼランは、南米原産のハゼラン(スベリヒユ)科・ハゼラン属の多年草(日本では一年草扱い)。

明治時代に鑑賞用として日本に導入されましたが、繁殖力が強いため現在は野生化しています

草丈は30cm~80㎝ほどで、花が咲きはじめるとともに一気に背が高くなります。
葉は倒卵形で多肉質、表面はつやつやしています。

開花時期:夏〜秋。

茎の上部に大きな円錐花序を出し、径約3mmの赤紫色の5弁花をまばらにつけます。
花は午後3時から午後4時頃に咲きはじめます。

名前の由来は諸説あり、丸い小粒の蕾から一気にはぜるように花が開き、しかも花がきれいなことから蘭にたとえられた。
花の後の小さな粒々の実がはじけて種が飛び出すことから爆蘭(ハゼラン)。

 

学名:Talinum crassifolium
科・属名:ハゼラン(スベリヒユ)科・ハゼラン属
原産地:南アメリカ
別名:三時草(サンジソウ)、三時花(サンジカ)、花火草(ハナビグサ)、コーラルフラワー、エドノハナビ(江戸の花火)、 ヨヨノホシ(夜々の星)
開花時期:夏〜秋
花言葉:「真心」「永遠にあなたのもの」

 

花の様子

ハゼランの花が咲いてる様子

午後3時頃に咲く花。
細長い花茎を伸ばし、円錐形の花序をつけます。

ハゼランの花・蕾・果実

長い柄がある花。小さな花ですがとても綺麗。
濃いピンクのつぼみ、ピンクの花、花の後の赤い実の色合いが華やかです。
花の側に葉はありません。

ハゼランの花のアップ写真

花は径5~7mm程度。
紅紫色の5弁花です。

雄しべは15~20個程度。花糸は赤く葯は黄色。
雌しべは1個。柱頭は3裂します。

花びらは5枚で赤紫色。
ガクは2枚。

 

蕾(つぼみ)・果実の様子

ハゼランの蕾や果実の様子

花が咲いてない朝などは、赤い小さな粒々がいっぱいな状態。
蕾と果実をたくさんつけた様子がみられます。
どちらが蕾か果実なのか、一見わからないような様子です。

ハゼランのつぼみと果実の比較

とても小さい円錐形の蕾(つぼみ)と、丸い果実。

蕾は、濃いピンク色で円錐形、長さ3mmほど。
果実は、艶やかな赤い球形、径3~4mmの蒴果。

蕾には、花の基部に、向かい合ってつく2枚のがく片があります。

熟したハゼランの実

花の後の赤い実は、熟すと黒っぽくなり、はじけて砂のように細かい種が飛び出します。

赤い果実が珊瑚玉を思わせるためか、「コーラルフラワー」の呼び名もあります。

 

葉の様子

ハゼランの葉・茎

葉は多肉質で明るい緑色。
茎の上のほうは葉はつきません。

ハゼランの葉の様子

葉は互生する単葉で、長さ3~10cm、幅1.5~5cmの倒卵形。

葉は柔らかく食することも出来ます。
ハゼランは鉄分やビタミンAなどを豊富に含んでいることから、「セイロンほうれん草」とも呼ばれています。

野生化しているハゼランの様子

道端に生えるハゼラン。
観賞用、薬草として栽培されたものが野生化したとされます。

 

ハゼランに似てる? 赤いツブツブの花穂をつけるミズヒキ(水引)

道端で見かけたミズヒキ(水引)

夏の終わりから晩秋にかけて、ひょろりと伸びた細い茎に、小さな花をいくつも付けるミズヒキ。
道端でみかけると、赤いツブツブの花を咲かせてる雑草のよう。
ハゼランにも少し似た感じがあります。

ミズヒキは東アジアを原産とする、タデ科ミズヒキ属の多年草。
日本全国の山地や平野の路傍やあぜなどに見られる秋の野草です。
庭園の下草や茶花としても人気があります。
別名:ミズヒキソウ(水引草)

開花時期は8~10月。
長さ20~40cmほどの細い長い花茎を伸ばして、小さな花を穂状につけます。

葉は楕円形で先が尖り、葉の両面に毛があります。

祝儀袋などに使う「水引」に花序が似ていることからこの名がついています。

ミズヒキ(水引)の花・蕾

花は午前中の数時間だけ開き、花が閉じているときは米粒のように固く、小さいつぼみからめしべの先端だけ見えます。

花は直径2~3mm。
近くでよく見てみると、1つの花に赤と白の2色が入っています。
花弁はなく、花弁状の萼があり、深く4つに裂けています。

学名:Polygonum filiforme
科・属名:タデ科・ミズヒキ属
別名:ミズヒキソウ(水引草)
原産地:東アジア
背丈:20~50cm(花茎40~70cm)、横幅25~50cm
開花時期:8~10月

 

 

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