大きな木や石垣から、しゅんしゅんと草のような植物が生えてるのをみかけたりしませんか。
まるで、寄生しているかのよう。
それは、「ノキシノブ」というシダの仲間かもしれませんよ。
よく見かける植物だけど、ちょっと風変わり・・・
それに、寄生している訳でもなさそうです。
ノキシノブって、どんな植物か詳しく調べてみました。
ノキシブってどんな植物? 特徴や生育状況
大きなクスノキに、ノキシノブがたくさん生えていました。まるで我がもの顔。
ノキシノブの特徴
『ノキシノブ』は、木の幹や石垣、岩の上、わらぶき屋根などに着生する多年草。
常緑シダ植物で、冬でも枯れることなく青々としています。
科名 / 属名:ウラボシ科ノキシノブ属
学名:Lepisorus thunbergianus
原産地:アジア
分布:日本・台湾・朝鮮半島南部・中国
別名:ヤツメラン (八ツ目蘭)
風流な装いで、寄せ植えや盆栽にも使われたりもします。
家の軒下などに生えて「シノブ」のように着生することから、「ノキシノブ(軒忍)」という名前が付いています。
(シノブは、着生のシダ植物)
ノキシノブはシダ植物なので、花や実はつけません。
シダ植物なので胞子で増えます
でも、花言葉はありました。
☟
花言葉:「 絆」、「信じる心」
漢方では、生薬名は「瓦韋(がい)」。地上部の全草を用います。
薬効としては利尿やむくみ解消などに効果があるとされています。
ノキシノブは、着生(ちゃくせい)植物
「ノキシノブ」は、よく木に生えてるので、寄生しているのかと思いきや、その木から水や栄養をもらっているわけではなさそうです。自力で確保しているようです。
「場所を借りてるだけ」
木に取り付くことで、生える場所を手に入れた状態のようです。
場所の確保ができた! = 着生できた!!! ⇒ 「着生植物」
(他の有機物や無機物の表面に付いて成長するものを着生植物という)
寄生でも相利共生でもなさそうです。
ノキシノブのようす
公園の大きなクスノキには、こんなにたくさんのノキシノブが、着生していました。
ノキシノブは、日向~半日陰で空中湿度が高い環境を好むそ植物。
長期間乾燥すると、葉は内側に巻いて細くなってよれてしまうそうです。
葉は、長さが12~30cmくらいの線型。
茎は短くて横に這っており、たくさんの根を出して樹皮などに着生します。
木には、苔のようなものも生えています。
まるで鳥の巣のようですね。
石の上にも、しっかり着生しています。
葉の裏側に出来た丸く集まった黄褐色の胞子嚢。中には胞子がたくさん詰まっています。
膜が破れると胞子が飛び出します。
コケ植物などが多く生えてるような、湿った木や岩盤などでよくみかけます。
かつては、民家の軒下でもよく見られた植物。