「ホソバワダン(細葉海菜)」は、晩秋から初冬の海岸に咲く黄色の野菊。
海辺の崖っぷちでもたくましく花を咲かせます。
花が少なく寂しくなる季節に、明るい色で彩りを与えてくれる植物で、道端や草地でよく見かける「ニガナ(苦菜)」の花にも似ています。
ホソバワダン(細葉海菜)の特徴や様子 似てる花
海岸の岩場、礫地に生えるキク科の多年草。
ホソバワダン(細葉海菜)の特徴
ホソバワダンは島根県・山口県以南の日本海側から沖縄に生育する多年草。
草丈は、15~30cmほどで、海岸の岩場などに自生しています。
花期は10~1月頃。
花茎を立ち上げ、上部に直径1・5㎝ほどの小さな黄色い花を多く咲かせます。
葉は黄緑色でやわらか、独特の苦みがあり食用や薬用にも用いられてます。
名前の由来は、近縁種のワダンに比べて葉が細いことから。
ワダンとは「ワタナ」からの転訛で「ワタ」は「ワタツミ」の略で、「海」を意味。「海岸性の菜」。
「ワダン(海菜)」は、千葉県~静岡県、伊豆諸島の海岸に分布する海岸の岩場や礫地に咲く多年草。葉幅が広くキャベツ状に重なりあうのが特徴。
学名:Crepidiastrum lonceolatum (Houttuyn) Nakai
科・属名:キク科・アゼトウナ属
分布:本州(島根、山口)~沖縄
花期:10月~1月
花言葉:たくさんの感謝
ホソバワダン(細葉海菜)の様子
11月のはじめ、海辺でたくさんの花を咲かせていたホソバワダン(細葉海菜)。
可愛らしい黄色の花が目を引きます。
地表面にロゼット状の葉を広げてます。
直径1~1・5cmの黄色い花を、枝先に10個前後。
頭状花序(とうじょうかじょ)。
キク科の植物にみられる「舌状花」の集合体。
花後はタンポポの綿毛のような毛を持った種子ができます。
風にのって散布されるようです。
根出葉は長さ5~15cmのさじ状または線状長楕円形。
茎葉は互生し、長楕円形。
岩場に張り付いてるホソバワダン。
潮風の影響もあまり気にならないのでしょうか。
海岸で見かける似た植物に「アゼトウナ(畔唐菜)」があります。
ホソバワダンとは生育場所に違いがあり、アゼトウナは本州の伊豆半島から紀伊半島、四国、九州(宮崎県、大分県)、主に太平洋側に多く分布します。
また、葉のつきかたに違いがあり、ホソバワダンは葉の基部が茎を抱きますが、アゼトウナの葉の基部はほとんど茎を抱かないことで見分けられます。
草地でよく見かけるニガナ(苦菜)の花
ニガナ(苦菜)は、日本全国に分布し、山地の林縁や草原に生える多年草。
名前の由来は、茎や葉に苦味がある白色の汁を含んでいるため、苦菜と呼ばれています。
学名 Ixeris dentata
科・属名:キク科 ニガナ属
花期:5月~7月頃