「フユイチゴ(冬苺)」は、晩秋から冬に実をつける可愛いらしい野イチゴです。
森林の木下や山道沿いの林縁などで、丸っこい葉にキラキラとしたルビーみたいな赤い実をのぞかせています。
別名で「カンイチゴ(寒苺)」とも呼ばれます。
数すくない冬に収穫できる木苺。
食べても美味しいそうですよ。
フユイチゴ(冬苺)の特徴や様子 育て方や仲間
九州・四国・関東以西の本州に分布するバラ科キイチゴ属の常緑つる性小低木。
フユイチゴ(冬苺)の特徴
フユイチゴ(冬苺)は、背丈は20センチ程度で一見草のように見えますが、常緑のつる性小低木で、地表を這うように枝を長く伸ばします。
9〜10月頃に枝先に白い1㎝の5弁花を咲かせ、その後赤く透明感のある集合果をたくさんつけます。
葉は、5~10㎝ほどの丸形で浅く3〜5裂しています。
果実は、冬に赤く熟して食用になります。
生食の他、ジュースやジャムに使われます。
冬になると赤い実をつけることから「フユイチゴ(冬苺)」と呼ばれるようになりました。
学名:Rubus buergeri Miq.
科・属名:バラ科・キイチゴ属
別名:カンイチゴ(寒苺)
分布:九州・四国・関東以西の本州
果実熟期:11~1月
花の咲く時期:9~10月
花言葉:「真心の愛」「未来の予感」「尊敬と愛情」
フユイチゴ(冬苺)のようす
果実は粒々の小さな赤い実が集まってできる集合果。
7~10㎜ほどの球形。
艶やかな光沢があるので、森の宝石のよう。
甘酸っぱい野性的な味が特徴。
酸味が強いのでジャムの方が食べやすいようです。
葉は、厚めで光沢があります。
葉身は長さ幅ともに5〜10cmのほぼ円形で、浅く3〜5裂する。互生。
ツワブキの葉にも少し似ているような・・
普段食べてる栽培種のイチゴは、茎の先に三枚の葉がつくのでかなり様子が違います。
イチゴ(苺、学名:Fragaria × ananassa)は、南米原産で、バラ科オランダイチゴ属の常緑多年草。
葉の裏の様子。
葉裏の脈上や葉柄(ようへい)に短毛が密生して白っぽい。
森の中のイチゴ畑のようです。
ちょっと育ててみたくなるフユイチゴ。
育て方は難しくなく、比較的寒さに強く初心者向きで育てやすい植物とされてます。
植え付け後は基本、放任でも美しく育つそうですよ。
半日陰で少し湿り気があり、風のあまり当たらないところが適地だそうです。
他にもある フユイチゴと名がつく種類
「ミヤマフユイチゴ(深山冬苺)」は、フユイチゴに比べて葉の先端部が尖るのが特徴。
ミヤマフユイチゴとフユイチゴの雑種に「アイノコフユイチゴ(合の子冬苺)」があります。
フユイチゴに似て大きいことから名前が付けられた「オオフユイチゴ(大冬苺)」。
フユイチゴの名がありますが、夏に実をつける「コバノフユイチゴ(小葉の冬苺)」「マルバフユイチゴ」とも呼ばれています。葉は小形で円く、フユイチゴの半分ぐらいの大きさ。
奄美大島・徳之島に生える「アマミフユイチゴ(奄美冬苺」)」もフユイチゴの名がありますが、夏に実がなります。