日本のお花見は、奈良時代の貴族の行事が起源だといわれてます。
奈良時代には、中国から伝来したばかりの梅が鑑賞されていました。
その後、平安時代に入ると貴族の間で鑑賞する花は、次第に梅から桜へとうつりかわり、春の花の代表格として桜を愛でるようになります。
鎌倉~室町時代になると、貴族の風習としての花見が、武士や一部地域でも行われるようになりました。
現代のような桜の花見の風習が広く庶民に広まったのは、江戸時代からといわれてます。
桜のお花見vs梅のお花見
サクラ(桜)もウメ(梅)もバラ科の落葉樹木。
- 桜は、春を象徴する花、そして儚く美しい花、一斉に咲きだしたと思えば、あっという間に散りゆくさまも人の心を魅了するようです。
春になると日本中が優しいピンク色に染まります。
桜の花言葉は、「精神の美」「優美な女性」「高貴」「純潔」。
- 梅は、百花の魁(さきがけ)ともいわれ、まだ寒いなか赤や白、ピンク色など小粒で愛らしい花を咲かせます。甘く淡い香りを漂わせて、一足早く春の訪れを知らせてくれます。
梅の花言葉は、「高潔」「忠実」「忍耐」「上品」。
桜と梅の開花時期
一般的には梅、桜の順番に開花します。
- 桜
桜の代表でもあるソメイヨシノの開花時期は3月中旬~5月上旬頃。
九州や四国、関東などから咲き始め、桜前線は南から北上していき、ゴールデンウィークにかけて北海道で開花します。日本で見られる桜の種類は500種以上あるとされ、1月~3月にいち早く見頃を迎える寒緋桜や河津桜などの早咲きの桜もあります。濃いピンクの花を咲かせる「寒緋桜(カンヒザクラ)」と、葉を共に白い花を咲かせる「大島桜(オオシマザクラ)」。
- 梅
梅の開花時期は1月下旬から5月上旬頃。
北上する形で開花が進む点は桜の花と同じですが、開花シーズンが桜より長いです。
梅の品種は300種類以上もの品種があるとされていますが、実を取ることが目的の「実梅(みうめ)」と、花の鑑賞が目的の「花梅(はなうめ)」に大きく分けられます。
桜と梅の花の違い
- 桜の花は、花弁の先が二股に割れています。
また花柄(枝と花が繋がっているところ)は長めで、下を向くように花が咲きます。 - 梅の花の多くは、花弁の先が丸く、切れ込みがありません。
花柄はほとんどなく、枝に張り付くように花が咲きます。
また、大半の桜の香りはとても弱いですが、
梅はジャスミンにも似た華やかな甘い香りを周囲に漂わせます。
八重咲の桜と八重咲の梅
八重桜(ヤエザクラ)とは、花びらが重なって咲くように見える八重咲きの桜の総称です。
ボリューム感のある花姿が魅力的な桜で、牡丹桜(ボタンザクラ)とも呼ばれます。
ピンクの大輪の花を咲かせる関山桜(カンザンザクラ)が有名。
淡い緑色の花を咲かせる御衣黄(ギョイコウ)など、色合いが珍しい八重桜もあります。
梅の八重咲き品種も多くあり、真紅に近い深みのある赤い花をつけるものから、ピンク、白など、咲く時期も早咲き~遅咲きと様々です。
枝垂れ桜と枝垂れ梅
枝垂れ桜は、枝がやわらかく枝垂れるサクラの総称で、狭義では特定のエドヒガン系統の枝垂れ性の栽培品種とされます。
枝垂れ梅は、日本で古くから栽培されてきた梅の品種。
枝が柳のように垂れ下がって生えている桜や梅。
どちらも上方に伸びた枝が、ゆるやかに下方に伸び、花をつけます。
柳のようなたおやかな細枝に、たくさんの花が咲いてる様子は、とても美しいものです。
桜のお花見vs梅のお花見
香りと可憐さがある梅のお花見。
まだ寒い頃にひっそりと漂ってくる梅の香りは、春の訪れを知らせてくれるようで幸せな気持ちにしてくれます。
満開も、散り際の桜吹雪も楽しめる桜のお花見。
春を実感させてくれる桜の華やかさは、もはやお花見の定番。
昼夜問わず宴会も楽しめますね。