桜のお花見といえば、染井吉野(ソメイヨシノ)が主流ですが、八重桜(ヤエザクラ)のお花見も素晴らしいものです。
八重桜(ヤエザクラ)の多くは、ソメイヨシノより咲く時期が遅く、ソメイヨシノが散ったあとに見ごろを迎えます。
花びらの数が多いので、牡丹桜(ボタンザクラ)とも呼ばれています。
「残念、桜(ソメイヨシノ)が散っちゃったよー」とつぶやいた後には、今度はちょっと豪華で華やかな八重桜(ヤエザクラ)咲きだします。
ソメイヨシノと八重桜(ぼたん桜)の違い

ソメイヨシノも八重桜(ヤエザクラ)も、バラ科サクラ属の落葉広葉樹。
- ソメイヨシノは、日本産の園芸品種のサクラ。
- 八重桜(ヤエザクラ)は、サクラの品種ではなくて、八重咲きになるサクラの総称。
ソメイヨシノと八重桜(ヤエザクラ)の違い・見分け方
- 花びらの数が違う。
ソメイヨシノは、一重咲きで花びらが5枚。
八重桜は、6枚以上の花弁の桜。 - 開花時期が違う。
八重桜の多くは、ソメイヨシノに比べて開花期が1~2週間ほど遅く、ソメイヨシノが散る頃から開花を始めます。 - 葉の展開が違う。
また、ソメイヨシノは花が咲いた後に若葉をつけますが、八重桜は花と同時に新葉を枝につけます。
など、「花びらの数」・「開花時期」・「葉の展開」が異なります。
他には、ソメイヨシノよりも八重桜の方が開花時期が長いと言われています。
歴史も、ソメイヨシノより八重桜の方がかなり古いです。
ソメイヨシノの特徴や様子

「ソメイヨシノ(染井吉野)」は、江戸時代末期に染井村(現在の東京都豊島区駒込)の植木職人が品種改良して作りだした園芸品種。
「エドヒガン」と「オオシマザクラ」の交配で作られたとされています。
今では日本のサクラの80%以上は、ソメイヨシノが占めると言われています。
沖縄を除く日本全国に植栽されており、開花時期は北に行くほど遅くなる。
樹形は、傘を逆さにしたような樹形。円蓋形。
学名:Prunus x yedoensis
英名:Yoshino cherry
別名:吉野桜(ヨシノザクラ)
花言葉は、「衰えぬ気品」「誇り高い」

ソメイヨシノの開花期間は、八重桜に比べると短めで、開花から散り始まるまでは10日程と言われます。
花が咲いてから気温が下がると、花が長持ちします。
反対に、風が強い日が続いたり雨が降ったりすると散り終わるまでの期間は短くなります。
でも、ソメイヨシノは花びらが軽やかに舞うので、満開の後の桜吹雪はとても綺麗です。

花径2、3センチの中輪。
ほんのりとした淡いピンク色の優しい雰囲気の花を咲かせます。
上品で飽きの来ない花姿が、多くの人々の心をくすぐるのでしょうか。
一重咲き。花びらは5枚。卵型。
蕾は濃い赤色を帯び、咲き始めは淡紅色、満開になると白色に近づく。
「60年寿命説」がある。
ソメイヨシノは、サクラ類の中でも早く大きく生長する品種ですが、樹齢30~40年が盛りで、その後は衰えも目立つようになるようです。
寿命は比較的短く「60年寿命説」もあり、樹齢100年を越すものは珍しいとされてます。
種で増えることができない園芸種で、接ぎ木によってしか繁殖も出来ません。
八重桜の特徴や様子

八重桜は、サクラの品種ではなくて、八重咲きになるサクラの総称。
「ヤマザクラ(山桜)」や「サトザクラ(里桜)」より変化したものでボタン桜とも呼ばれます。
よく見られる八重桜の品種には、「カンザン(関山)」「フゲンゾウ(普賢象)」「シロタエ(白妙)」「フクロクジュ(福禄寿)」などがあります。
- 幾重にも花びらが重なる優雅な花びらが特徴。
- 葉をつけた状態で咲き出す。
- 樹高はあまり高くない。
- ソメイヨシノより大きいものが多い。
花の色は、白・ピンク色~濃いピンク・薄い緑色。
樹形は、ソメイヨシノのような傘状や、枝が斜め上にのびるものとさまざまです。
八重咲のしだれ桜もあります。
花言葉:「理知に富んだ教育」「しとやか」

「フゲンゾウ(普賢象)」室町時代には既に知られていたとされる古くからある品種。
サトザクラの園芸種で、白~淡紅色の大輪の花を咲かせます。
花弁の枚数は、31~40枚。

「カンザン(関山)」桜の花びらは、桜湯(桜茶)で用いられてます。
サトザクラの園芸種で、オオシマ桜との交雑種と考えられてる。
濃紅色の大輪の花を咲かせとても華やかです。
別名はセキヤマ。
濃紅色の八重咲 花弁の枚数:30~55枚。

「ヤエシダレザクラ(八重枝桜垂)」は、八重咲きで枝垂れる桜の総称。
しだれ桜は、糸を垂らしたような花姿をすることから、別名イトザクラ(糸桜)とも呼ばれます。
ヤエベニシダレ(八重紅枝垂)は、八重桜のように大きな花ではありませんが、美しいかんざしのようですよ。
花弁数:15~25枚。

八重桜(ぼたん桜)は、平安時代に和歌に詠まれるなど、古くから親しまれてきた桜。
『 いにしへの 奈良の都の八重桜 けふ九重に にほひぬるかな 』
作者:伊勢大輔(いせのたいふ。11世紀前半の人)
現代語訳は、
いにしえの昔の、奈良の都の八重桜が、今日は九重の宮中で、ひときわ美しく咲き誇っております。
ソメイヨシノよりも1~2週間程遅咲き、花びらの数が多い。
花と葉は一緒に愛でる。
八重咲なので、華やかでゴージャスな印象。
ソメイヨシノとは、また違った魅力がありますよ~🌸