ガマ(蒲)やヒメガマ(姫蒲)は、湖沼やため池、水路など、水辺に生育するガマ科ガマ属の植物です。
夏になると、どちらも茎先に茶色のソーセージみたいな、円柱状の独特の形の花穂、ガマ穂をつけます。
名前にあるように、ヒメガマはガマに比べると小型です。
花穂の付き方にも違いがあり、穂の上部を見ると簡単に見分けられます。
ガマ(蒲)やヒメガマ(姫蒲)の違いや特徴
一緒に生えてた「ガマ(蒲)」と「ヒメガマ(姫蒲)」。
(7月の様子)。
どちらも日本全土の池や沼に分布する多年草で、水中の泥に地中茎を伸ばし成長する大型の抽水植物。
夏にみかける「ガマの穂」は、ガマの雌花のあつまりです。
つぼみの時は淡い緑色をしていて、果実が熟していくと濃い茶色になります。
雄花は、雌花の上についています。
ガマ(蒲)やヒメガマ(姫蒲)の違い
ガマ(蒲)やヒメガマ(姫蒲)の違いで一番わかりやすいのが、雄花と雌花のつく位置です。
- ガマ(蒲)は、雄花穂と雌花穂の間隔がなく、接した状態になっています。
- ヒメガマ(姫蒲)は、雄花穂と雌花穂の間に軸(花柄)がむき出しになっています。
また、ヒメガマ(姫蒲)はガマ(蒲)に比べると、雌花穂も小さく、葉も細い。
ヒメガマは、雄花穂と雌花穂が離れ、間の緑色の軸が見えるのが特徴。
雄花群のなくなった穂の場合 ☞ ガマの軸は全部かっ色ですが、ヒメガマには緑色の軸があります。
また、「蒲(ガマ)」の字については、水辺や岸辺を示す「浦」の字と同源で、「艸(くさかんむり)」をつけ、水辺に生える植物であることを表したもの。
「蒲の穂(ガマノホ)」は、かまぼこ(蒲鉾)の語源で、これは現在のちくわにあたるそうです。
また、ガマの穂に含まれる花粉は、生薬名で「ホオウ(蒲黄蒲黄)」。
止血、通経、利尿薬として用いられています。
ガマ(蒲)の特徴
ガマ(蒲、香蒲)。
茎頂の穂状の花序(肉穂花序)は、2段に分かれています。
花穂の上部が雄花穂。
下の褐色のソーセージのようなものが、雌花穂。(長さ10~30cm)。
花穂は雄花穂と雌花穂の間隔がなく、接した状態でついてます。
雄花は花粉を放出後、花軸だけを残して脱落します。
晩秋になると、ガマの穂がほぐれて風によって飛散します。
水面に落ちると、種子が実から放出されて水底に沈み発芽します。
科・属名:ガマ科 ガマ属
別名:ミズクサ、ミスクサ (御簾草)、キツネノロウソク(狐の蝋燭)
高さ:1~2.5m
花期:6〜8月
花言葉:「従順」「包容力がある人」
ガマの様子。
果実が熟すと花穂は赤褐色へ。
ヒメガマ(姫蒲)の特徴
ヒメガマ(姫蒲)。
雄花穂と雌花穂は2〜5㎝離れ、その間に緑色の軸が見えます。
花穂は上部に雄花穂。
間隔をあけ下部に雌花穂がつきます。(長さ6~20cm)。
ヒメガマ(姫蒲)の名は、ガマよりも雌花穂や葉が細いことに由来するようです。
(ガマそのものに比べて葉の幅が細く、厚みも薄く、全体的に小型)。
科・属名:ガマ科 ガマ属
高さ: 0.7~2.5m
花期:6〜8月
花言葉:「予言」「見かけによらない優しさ」
ヒメガマの様子。
色づくヒメガマの花穂。