芙蓉(フヨウ)は、夏になると白やピンクなど、かわいらしい花を咲かせるアオイ科の植物。
枯芙蓉(カレフヨウ)は、芙蓉の花が枯れた姿です。
葉が落ちて枝先に実をつけた冬枯れの様子で、裂開した果実も花のようです。
俳句では冬の季語になっています。
とても風情があり、趣きのある姿が観賞用にも愛でられています。
枯芙蓉(カレフヨウ)の特徴や様子
枯れても美しい「枯れ芙蓉」。
芙蓉(フヨウ)の特徴
フヨウ(芙蓉)はアオイ科フヨウ属の落葉低木。
中国、台湾、日本南部に自生します。
樹高1.5~3mに生長し、夏になるとピンクや白の花を咲かせます。
花は、直径10~15cmと大輪で、朝に開き、夜にはしぼむことが特徴です。
花が枯れた後、枝先に毛に覆われた直径2.5cmほどの球形の実をつけます。
葉が落ち、冬にかけて黄褐色に熟した実をつけた姿は、「枯芙蓉(カレフヨウ)」と呼ばれます。
科・属名 アオイ科・フヨウ属
別名:木芙蓉(モクフヨウ)
原産地: 中国、台湾、日本(沖縄、九州、四国)
開花期 :7~10月
花の色: ピンク、白
花言葉:「しとやかな美人」「繊細な美」「妖艶」
芙蓉(フヨウ)の花と枯芙蓉(カレフヨウ)
9月に咲いてた芙蓉(フヨウ)の花。
11月になると枯芙蓉(カレフヨウ)へ。
芙蓉(フヨウ)の花は、褐色のまあるい果実になり、秋風にユラユラとゆれています。
枯芙蓉のなりたち、枯芙蓉の様子
芙蓉(フヨウ)の花と花後の様子。
蕾と花後の果実。
蕾と果実は似ています。
若い果実は黄緑色。
ガクが赤味を帯びています。
緑の果実は茶色へと。
固く茶色になった果実。
産毛のような白い毛がたくさん生えてます。
白っぽく輝くので、遠目には霜がおりてるようにも見えたりします。
果実が少し開いているのもありました。
裂開した果実。
芙蓉(フヨウ)の果実は、熟すと5つに裂けて、多数の種子を出します。
カサカサとした果実の中には、沢山の種子。
種子は、長さ約2mmの腎臓形で、淡褐色の粗い長毛があります。
毛をまとった種子は風で散布されます。
枯芙蓉(カレフヨウ)は風情があります。
俳句では冬の季語。
素敵な俳句も見つけました。
からからと風が奏でる枯芙蓉(木内美保子)
哀しみの多く語らず枯芙蓉(中野英歩)
枯芙蓉(カレフヨウ)は、種をたくさんつけています。
フヨウは、野原や川辺でもみかける丈夫な植物。
フヨウを種から育てるには、秋についた実から種を取り出し、すぐ蒔くとよいそうです。適期は10~11月。
※ 園芸種の「酔芙蓉(スイフヨウ)」は、一日のうちに花色が変化する美しい芙蓉です。
朝の咲き始めは白、昼間はピンク、夕方には紅色に花の色を変えます。
※ 「芙蓉(フヨウ)」と「木槿(ムクゲ)」、「葵(タチアオイ)」は、同じはアオイ科の植物で、花の咲く時期や姿形も何となく似通っています。